もう４〜５日前の話になりますが。
東電が来年の電気料金の値上げを予定していることを発表しました。
福島第一原発の事故処理費用と賠償費用の増大、それに火力発電所向け燃料費の高騰などが、
主な理由と発表としています。
事業者向け、家庭向け、ともに値上げの計画を公表しています。
事故処理費用と燃料費の増大で、東電が債務超過状態に陥り、
それを避けるために電気料金の値上げが来ることは、当初から予想されていたことなので、とりたてて感慨はないのですが。
気になるのは、前提とされていた東電のリストラがどこまで進んだのか、という点です。
資産として計上していた株式や、不動産の売却については、ぼちぼち進めていることがニュースとして流れてきます。
ですが、債務超過になりそうな経営状態でも冬のボーナスは出るようですし。
上場一部企業と比較しても高額と言われているＯＢの年金支給額についても、
減額の計画を発表しましたが、その後対象者の３分の２以上から同意を取り付けることができたのかどうか、
その点については、まったく報告がありません。
ここまでしてきたことを見る限り、
会社の資産を切り売りして、下請けと子会社を切り捨て、
東電本社で働いていた人間の収入までには影響が出ないように、今度は値上げを言い出した。と言うところですかね。
役員や管理職、一般社員の報酬の減額、冬のボーナスの半減、なども実施してますけど。
国に公的資金の注入を要望している会社とは思えないほどの高級待遇です。
燃料費を反映した値上げは仕方がないと思いますが……
公的資金を注入するのなら、株式の１００％減資と、ＯＢの年金削減は最低限実施してほしいところです。
……というか、それが必須条件ではないでしょうか。
つい先日は、今回の原発事故に対する政府の検証委員会の中間報告があり、
東電自身が行った事故検証報告については、身内をかばう意識が強く、責任から目を背けた内容であるとして、
厳しく批判していましたが。
威勢の良い言葉を並べたけど、東電は何も変わりませんでした――では、いったい何の意味があるのでしょうかね。
来年も東電からは目が離せませんね。
