kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

中国からのシグナル、落としどころはこの辺か――安倍首相の靖国参拝に関する楊潔チ国務委員の談話

安倍首相の、電撃的な靖国神社参拝について。
中国、韓国をはじめ、世界のいろいろな国から抗議の談話、メディア記事、社説などが、たくさん発表されているのですけど。
それを色々と見ていたのですが、
私が注目しているのはこの記事です。というか、中国の発表したこのコメントです。


安倍首相の靖国参拝に関する楊潔チ国務委員の談話_中国網_日本語 安倍首相の靖国参拝に関する楊潔チ国務委員の談話_中国網_日本語

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安倍首相の靖国参拝に関する楊潔チ国務委員の談話
発信時間: 2013-12-29 09:19:17 | チャイナネット

先般、日本の安倍晋三首相が天下の大悪に憚ることなく第二次世界大戦A級戦犯が祭られている靖国神社に参拝しました。これは嘗て日本軍国主義の侵略と植民支配を受けた各国人民の感情を由々しく傷付けることであり、全世界の平和を愛する人民に対する公然たる挑発であり、歴史の正義と人類の良識を乱暴に踏みにじることであり、世界反ファシズム戦争の勝利の成果と国連憲章を基礎とする戦後の国際秩序に対する狂妄な挑戦であります。日本指導者の歴史に逆行する行動は中国政府と人民及び国際社会に強く反対され厳しく糾弾されていることは当然であります。
靖国神社問題の本質は、日本政府が日本軍国主義の対外侵略と植民支配の歴史を正しく認識し、深く反省できるかどうかということであります。日本の首相である安倍氏靖国神社に参拝することは、決して日本の内政ではなく、なおさら個人の問題などではなく、侵略と反侵略、正義と邪悪、光明と暗黒に関わる善悪正邪の重大問題であり、日本指導者が国連憲章の趣旨と原則を遵守するかどうか、平和発展の道を歩むかどうかということに関わる根本的方向性の問題であり、日本とアジア隣国及び国際社会との関係の政治基盤に関わる重大な原則的問題であります。安倍氏が行っていることは、日本を各国人民と日本国民の根本的利益を損なう危険な道に導こうとするものであり、すでに国際社会と日本各界の有識者の強い警戒心を引き起こしています。
中国人民は侮られるものではありません。アジア人民と世界人民は欺かれるものではありません。安倍氏は過ちを認めなけれななりません。過ちを正さなければなりません。実際の行動を取って、その重大な過ちにより生じる劣悪な影響を取り除かなければなりません。我々は、安倍氏に対し、あらゆる幻想を捨て、覆轍を二度と踏まないよう、忠告するものであります。さもなければ、アジア隣国と国際社会の信頼を一層失い、歴史の舞台における徹底的な失敗者になるに違いありません。

中華人民共和国駐日本国大使館」サイト 2013年12月28日

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インターネット上で、駐日中国大使館のホームページに掲載されていた公式のコメントです。
この中で「A級戦犯が祭られている靖国神社に安倍首相が参拝したのは間違いであり、この誤りを改めなければならない」と、
ざっと要約すると、中国の楊潔チ国務委員はそのようにコメントを出しています。
……と、これは今までも何度も言われていたことの繰り返しなのですけど。
ここで問題にされているのは、
A級戦犯が祭られている靖国神社に日本国の首相が参拝するのは間違いだ」という点で、
日本政府が「A級戦犯」を分祀して、祭られなければ……そのように態度を改めれば、
話し合う余地があるような書き方をしています。
「『世界反ファシズム戦争の勝利の成果と国連憲章を基礎とする戦後の国際秩序』に対する狂妄な挑戦」
とか
靖国神社問題の本質は、日本政府が日本軍国主義の対外侵略と植民支配の歴史を正しく認識し、深く反省できるかどうかということ」
とか
「日本の首相である安倍氏靖国神社に参拝することは、決して日本の内政ではなく、なおさら個人の問題などではなく、侵略と反侵略、正義と邪悪、光明と暗黒に関わる善悪正邪の重大問題」
とか、
一見、靖国神社を全面非難しているように見えて、
靖国神社」を過去の日本の軍国主義の象徴、として神社の存在を否定してはいないんですよね。
A級戦犯が祭られている」とわざわざ断りをつけているわけで。


韓国の、頭ごなしの問答無用な非難とは、かなりトーンが違っています。
どうやら、この辺が突破口になりそうです。
私的には「日本も折れるところは折れて、譲歩しろよ」という条件整備の協議の呼びかけにも思えます。
わざわざ「過ちを認めて正せ」とか言ってますしね。参拝したことを周辺国に「謝罪しろ」「参拝するな」とは書いていません。
安倍首相もこういう条件協議の糸口を探して、今回の行動に出たのですかねぇ。
靖国参拝に関する中国の下心は昨日書いた通りでしょうけど。

>日本人の外交オンチにはほとほと嫌になる――【首相靖国参拝】豪紙「日本のオウンゴール
http://d.hatena.ne.jp/kg_nogu/20131229#1388280845

こんな安っぽい手に日本政府が引っかかる、と信じているほど間抜けな中国政府ではありませんから。
あわよくば、と期待せずに手は打っていますけど。
適当なところで手打ちにしましょうか……ってところなのではないですかねぇ。
国内経済が行き詰まっているみたいですし。日本のODA経済協力と引き替えなら、A級戦犯分祀した靖国参拝を認めますよ。
とか言い出すかもしれません。
そして、安倍首相というか自民党を中心にした日本政府も、
中国にある程度の経済協力をして、
アジア域内における経済の活性化をはかり、アベノミクスの第三の矢の援護射撃としたいところですが、
露骨に中国に助力すると、アメリカがイイ顔しない――どころか安倍政権の命取りになりかねませんので(多分、為替が再び円高に向かい始めるのを恐れているのですよね)、
何かしら、中国に譲歩しなければならいような、外交的ミステイクを演出して、
その譲歩として経済協力を申し出て、
アジア域内の緊張緩和のための取引、という形に収める、とか。
今回の靖国参拝は、来年の日中首脳会談の段取りで、アメリカを刺激しないように工夫した一環なのかもしれません。
私は。
今の安倍首相は、そうとう強かで慎重な人だと思っていますので。『外交オンチ』って評価はあり得ないと思っていますから。
今回の参拝は、いろいろ裏がある、と見ています。

追記:
あと、コメントの中で「中国人民は侮られるものではありません」とわざわざ書いているのは。
「中国政府の面子を立ててくれよ」って要求じゃないですかね。
今回の靖国参拝では、中国に対してどうこうするようなコメントは出していませんから……
これから何かしら日本に対して要求を出しますので、って前置きでしょうか。
それに、結びは「忠告するものであります」とか「抗議する」とは言ってませんし。
なかなか裏読みしたくなりまくりのコメントですね。



追記:
ちなみに、韓国の出した声明だと、
靖国神社は「反歴史的な施設」として、存在そのものが否定されています。
この辺り、中韓反日で共同戦線を組んでいるように見えて、微妙に温度差があるようです。
韓国のコメントでは「絶対に参拝するな」とはっきり書いてあります。
日本政府もその辺のことを分かった上での、今回の行動なのでしょう。

Chosun Online | 朝鮮日報 Chosun Online | 朝鮮日報

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韓国 靖国参拝に「憤怒を禁じえない」=日本公使にも抗議
【ソウル聯合ニュース】韓国政府は26日、安倍晋三首相の靖国神社参拝を「慨嘆と憤怒を禁じえない」と強く非難した。
政府の報道官を務める劉震龍(ユ・ジンリョン)文化体育観光部長官は声明を発表し、「安倍首相が近隣国と国際社会の憂慮と警告にもかかわらず、日本の過去の植民地支配や侵略戦争を美化し、戦犯を合祀(ごうし)している靖国神社を参拝したことに慨嘆と憤怒を禁じ得ない」とした。
靖国神社は許されない戦争犯罪者たちを合祀している反歴史的な施設と指摘した上で、「安倍首相がこうした神社を参拝したのは誤った歴史認識をあらわにしたもので、韓日関係はもちろん、北東アジアの安定と協力を根本から損なう時代錯誤的な行為」と批判した。さらに、「いわゆる積極的平和主義という名の下で、国際社会に寄与するとしているが、こうした誤った歴史観で平和増進に寄与できると考えているのか問いたださざるを得ない」と強調した。
また、「日本が国際平和に積極的に寄与したいなら、過去の歴史を否定して侵略を美化する誤った歴史認識から脱し、歴史を直視しながら日本の軍国主義侵略と植民支配の苦痛を強いられた近隣国とその国民への徹底した反省と謝罪を通じ、信頼から築いていくべきだ」と促した。
韓国政府の報道官である文化体育観光部長官が日本の政治リーダーの靖国参拝に対し声明を発表するのは初めて。これまでは外交部の報道官名義で対応していた。韓国政府が安倍首相の靖国参拝を厳重に受け止めていることを示すものといえる。また、声明の中で靖国神社に合祀されている戦犯として具体的な名前を挙げるのも異例だ。
一方、金奎顕(キム・ギュヒョン)外交部第1次官は同日午後、在韓日本大使館の倉井高志総括公使を呼び、韓国政府の強い抗議の立場を伝えた。
外交部関係者によると、金次官は「安倍首相の行動は歴史的な流れに逆らい、韓日関係の安定的な発展を望む両国国民の願いに冷や水を浴びせる行為」としながら、対話を望むという安倍首相のこれまでの発言にも疑問を感じると話した。さらに「参拝によるいかなる結果も、責任はすべて日本にある」と強調した。
これに対し倉井公使は、安倍首相の参拝後の談話をみると、参拝は過去への痛切な反省と不戦の誓いからであり、韓国と中国の国民の心を傷つけようという気持ちはないと釈明した。金次官は「われわれと国際社会の懸念、警告にもかかわらず参拝したことで、今日の談話も真心が欠如していることを自ら示した」と重ねて批判した。
韓国政府は李丙ギ(イ・ビョンギ)駐日大使を通じても政府の立場を日本に伝える方針だ。今後の状況次第では李大使を一時帰国させる可能性も排除していないようだ。
この日、日本は安倍首相の参拝直前に参拝計画を韓国側に通知した。これを聞いた韓国政府はその場で、「絶対に参拝してはならない」との立場を日本に伝えたとされる。

聯合ニュース

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