ついに終わったんですよね。
ネットゲームをやりながら流してみてました。
ここ何日かネットで他の視聴者の反応を見て、
ちょっとまとまってから書こうと思ってたんですけど。
うーん、絶賛の嵐……というか、登場人物にとくに施設長に感情移入して見ている人ばかり。
まあ、そういう風にシナリオを作っているから、
シナリオ的には成功している、と言えるのですけど。
客観的に見ると、というか。
児童虐待について少しでもスクーリングを受けた人なら。絶対やっちゃいけない、最悪としか思えない結末を迎えたのでした。
「明日ママ」最終回…日テレ、放送上の“公開謝罪”なし - ライブドアニュース
施設長と保護児童が、よく分からない理由で「和解」してしまうのですよね。
私的に、もっとも恐れていた結末になってしまいました。
>寝オチしながら考えていたこと2――日テレドラマ「明日、ママがいない」、新たに2社CM見合わせ
>http://d.hatena.ne.jp/kg_nogu/20140126#1390663273
多分、児童保護施設の関係者でもこの結末を危惧していた人はいると思います。
いや、保護施設よりも、虐待を受けた児童の保護にあたる民生委員の方ででしょうか。
この施設長の言動は、客観的に見ると、児童虐待を繰り返す親の行動、そのものなんですよね。
児童虐待を繰り返す親については、世間的にDQN鬼親のようなイメージが広まっていますけど。
子供が嫌いでいじめているだけの鬼親……ってのはむしろ特異で。
だいたいは、子供に愛情も持っているけど、
親独自の理屈で子供に折檻=虐待を加える。
それが結果として限度を超えて、子供を壊してしまう。そういう親が圧倒的に多いです。
だから世間的に見ると、一見普通に子供をかわいがっているように見える。
そして、その見方は一面ではただしく、ちゃんと子供に愛情を注ぐときもある。
だから、子供も親からなかなか離れない。
親には親の事情があって、行動していて、
時には子供を愛し、時には虐待する、
そんな普通の人間なんですよ。
でも、そんな親子関係を外から見ていると、子供が少しずつ傷つき壊れていく、だから引き離さないといけないので。
無茶を承知で、赤の他人である教師なり、民生委員なりが家庭に介入する。
このドラマの最悪のところは、施設長と子供たちの視線を絶対視して描いている一方で、それと反対の客観的な視点が欠落していることなんです。
……多分、この点は意図してやっているのだろうけど。
ドラマを楽しませるシナリオ技法としてそれで正しいのだけど。
児童虐待、とか。
保護施設、とか。
非常にデリケートな題材を扱う姿勢としては、配慮不足というよりも、明らかに間違っています。
非常に間違ったメッセージを社会に送ってしまっています。
この罪は、非常に重いです。
追記:
少しでも児童虐待なりを調べるなり、勉強したりした人なら。この結末はぜったいあり得ないです。
十分な下調べ、というか。取材をしていないんでしょうねぇ。
いや、視聴率優先というか、視聴者にとっての心地よさだけを優先するなら、あり得るのかな。
やはり児童福祉の関係者で、私と同じ危惧を抱いていた人がいたのですね。
こちらのページに、私が書いていることなどよりも、もっと詳しく的確に問題を指摘されています。
明日、ママがいない 心理的虐待を正当化した脚本 | 明日、ママがいない:児童福祉 | 児童福祉 考察…児童養護施設で働く