いや、正規の手続きにのとった、
本来しなくてはならない必要な調査であって
全然悪いことではないのですけども。
私的には、
「やっちまったなぁ」って落胆が大きな調査でした。
以前から、「調査しろ」って圧力が強いことは何度も報道されてましたので、
いつかはこうなる日が来るとは思ってましたけども。
できれば、豊洲移転のケリがついた後で、
築地市場を取り壊しするときに、して欲しかった……
というのが私的な希望でしたが、
東京都民がこの事実を明らかにすることを望んでいた声もありましたから、
のんびりと引き延ばしてもいられなかったのでしょう。
それにしても、
今更ながらに思うのは、
なんで豊洲の『盛り土』をきちんと処理しなかったのか。
技術的にできない、というか、不都合なら不都合と、どこかで報告上げて、
軌道修正図るチャンスは何度もあったと思うのですけども。
とはいえ、
会社勤めもした事ある身で感じるのは、
こういう大きなプロジェクトをヒックリ返すような異義を通した場合、
責任取らされて将来を棒に振ってしまう、
日本企業というか、日本って、そういう減点主義の人事評価
(+はっきりと目立つ具体的な特異な成果に対する加点)が主流なので、
「事なかれ」を選択した責任者を責めることもできないなぁ。とも思ったりします。
大きな損害を未然に防いだ、みたいな、
そういう仕事に対しては、
そもそも『大きな損害』を明らかにする行動に対して
日本社会ってマイナス評価を出しますので、
プロジェクトの規模が大きければ大きいほど、
「サンクコスト」に対する忌避だけでは説明がつかない、
強烈な抵抗が加えられる――というのが、私と私が知る範囲で見聞きした人たちの話に
出てくる現実でした。
だから、
今回の豊洲騒動の『盛り土』みたいな、
最初にボタンを掛け違えてしまうと、そこから元に戻すのは相当困難で、
自分の進退をかけた、なんて甘いものではなくて、
何をしようが自分の首を絞める改革になるのは判るのですけどね。
とはいえ、
どれだけ困難であろうとも、
都民を騙して、ごまかして取り繕う対応は許されません。
とくに、
「環境アセスメント」にまで嘘の報告を並べて発表していたのは、
同情の余地がありませんよ。
――それで、行き着いた結果が今回の築地市場の土壌調査、となるわけですけども。
豊洲で嘘をついた結果、
築地市場の安心までも、地に堕として破壊してしまいました。
それが東京都民の選択だった、といえば
その通りなのでしょう。
『築地は安全だ』と見てきたように言い切るひともたくさんいましたし。
ところが、
安全なはずの築地ではこれまで、
ことあるごとに地下水の調査を繰り返した結果、
豊洲と同じくらい基準値超えの有害物質が見つかっていたのですけどもね。
その結果と施設の老朽化を踏まえた上で、
石原都政で出した結論が『改修よりも移転』だったのですけども。
なぜか、
根拠も無く『豊洲は危険で築地は絶対安全』って話にすり替わってますし。
いったい、
どこでどう間違ってしまったのでしょうか。
築地市場の土壌から基準上回る5種類の有害物質 | NHKニュース
5月25日 15時43分
東京都は、築地市場で行った土壌調査で、100か所余りの調査地点のうち30か所から、環境基準などを上回る鉛や六価クロム、ヒ素など、5種類の有害物質が検出されたと発表しました。調査結果を踏まえ、小池知事が築地市場の安全性の評価や豊洲への移転について、どのような判断を示すのか注目されます。
築地市場では、戦後、アメリカ軍のクリーニング工場があったことなどから、東京都が「土壌汚染のおそれがある」と判断していたことが明らかになっています。
これに加え、過去の増設工事などで、必要な土壌調査を行っていなかったことから、都は今月2日からの4日間、築地市場内の合わせて111の地点で、土壌や地中のガスについて有害物質の含有量を調べ、25日に土壌の調査結果を発表しました。
それによりますと、30か所から環境基準などを上回る5種類の有害物質が検出されたということです。
このうち鉛は4か所で最大で基準値の4.3倍、六価クロムは6か所で最大1.4倍、ヒ素は20か所で、最大2.8倍、水銀は1か所で1.8倍、フッ素は3か所で最大1.5倍が検出されました。
都は、検出された地点は土壌がアスファルトなどで覆われていることなどから、市場の安全性に問題はないとしていますが、今後、地下10メートルまでのボーリング調査を行い、ことし11月ごろまでに結果をまとめたいとしています。
今回の調査では、このほかにも1か所の地中のガスから、有害物質のベンゼンが検出されたことが明らかになっています。
調査結果を踏まえ、食の安全安心を重視する小池知事が築地市場の安全性をどう評価し、豊洲への移転について、どのような判断を示すのか注目されます。
市場協会会長「汚染の広がりないか心配」
築地市場の卸や仲卸など、すべての団体で作る築地市場協会の伊藤裕康会長は、今回の土壌調査の結果について、「想像はしていたものの、思ったより多くの地点で検出されたという印象で、これ以上の汚染の広がりがないか心配だ。移転の延期で困っているのに、さらに不安にさせる要因が増えたわけだが、どう対応すればいいのか、今はわからない。ただ、業界は、移転の判断が示されない中では、ここで仕事を続けていかなければならないので、不断の努力を続けながら、都の対応などを見ていくしかない」と話していました。豊洲移転反対グループ「築地再整備の際に対策を」
豊洲への移転に反対する市場業者で作るグループの関戸富夫代表は「築地は地盤がしっかりしているので、東京都の市場問題プロジェクトチームの小島座長が提案する市場の再整備、建て直しの際に対策してもらえればいい」と述べました。
小池知事 「引き続きボーリング調査」
東京都の小池知事は記者団に対し、「これまで築地市場内で工事の届け出をしていなかったところなどで土壌調査を行った。これを1つずつ重ねて情報公開をしていくこともなすべきことだ。数値については、これまでのところ環境基準の何万倍というものではないが、引き続きボーリング調査などもしていく」と述べました。
専門家 他の区域でも似たような状況と懸念
豊洲市場の問題で、東京都の専門家会議の座長を務める、放送大学和歌山学習センターの平田健正所長は、今回の結果について見解を示しました。
この中では、1か所で環境基準の1.8倍が検出された水銀は、常温でも揮発する物質であり、今回の調査で検出されたことは重く受け止めるべきだとしています。
また、汚染の原因は、築地市場における過去の土地利用の結果だと考えられるものの、それぞれの物質がなぜ検出されたかは不明だとしています。
今後の留意点については、ボーリング調査を実施してさらに深いところまで詳細に汚染状況を把握するほか、水銀やベンゼンが検出された付近で大気の測定を実施する必要があるとしています。
そして、今回は築地市場内の8つの区域で行った調査のすべてで環境基準などを超過する有害物質が確認されたことから、敷地内の他の区域でも似たような状況にあることが懸念されるとしています。