この事態の成り行きを、
しばらく観察しているのですけども、
さすがに、コレは庇いようがない、というか。
ただねぇ……
この人は、特段に無能、というわけでもないと思いますよ。
今回の発言みたいな『勘違い』は日本の会社人間には、よくあるケースですね。
会社から与えられた『組織のポジション、権能』を『自分の権利』と勘違いしてしまう、
アレです。
定年退職してただの人になった途端に、何もできなくなる、
日本の会社人にたくさん存在する人達ですね。
「会社は従業員のものだ」と勘違いしている人達です。
違います、会社はオーナー(だいたいは株主)のものです。
雇われて労働力を提供しているだけの『従業員』が私物化してはいけないのです。
会社から与えられた『組織のポジション、権能』は、
あくまで『業務』のために一時的に付与されているものなのです。
労働者に『贈与』されたものではないのです。
でも、
日本人の多くはこの区別がなかなかできない人がいる。
稲田防衛大臣もその一人だった。
今回のはそういう話ですね。
法律論とか小難しい話が出てますけども、
根っこのところにあるのは、日本人特有(……なのですかね)の会社(組織)への帰属意識ですよ。
それでも、
中間管理職とか、上司がしっかりコントロールできる役職くらいまでなら、
それほど問題視されることはないのですけども。
むしろ『間違った帰属意識』を持たせることで、
過重な労働にも自発的に参加させることができますし――ブラック企業がよく使う手法です。
ただ、
大臣みたいな取締役には、こういうタイプの人間は不適当です。
会社のオーナーとの意見の相違から、確執が起きます。
意志の疎通がはかれないなら、解雇するべきでしょう。
私的には、
過去にも舌禍事件を起こしてますし、
『色々思慮が足りてないのだろうな』と見受けられますので、
罷免するべきではないのかなぁ……と思ったり。
といっても、
罷免だと、再起不能に等しいですから。
辞任が妥当なのかな。
ただ、
そうなると後任を誰にするのか、という問題が出てきますので。
これまた難問、です。
稲田大臣は、
功績として、
『防衛大臣として政府の計画に一切口出ししない』
まさに『お神輿』として立派に機能していた人なので、
これと同じ能力を持った人を探すとなると、
なかなか難しいのではないでしょうか。
かといって、
素人の思いつきで口出す人とか、
現場の手続きとは関係ない個人的なコネを使って口出す人とか、などは、
現場に嫌がられますし、ねぇ……
防衛相「防衛省・自衛隊」の名を挙げ投票呼びかけ 発言を撤回 | NHKニュース
6月28日 6時21分
稲田防衛大臣は27日、東京都議会議員選挙の自民党候補の応援演説で、「防衛省・自衛隊としてもお願いしたい」と述べて投票を呼びかけ、その後、「誤解を招きかねない発言だった」として発言を撤回しました。野党側は、「自衛隊を選挙で私物化するものだ」などとして稲田大臣の辞任を求めるとともに、安倍総理大臣の任命責任を追及する考えです。
稲田防衛大臣は27日夕方、東京都議会議員選挙の自民党候補の応援演説で、「防衛省・自衛隊、防衛大臣、自民党としてもお願いをしたい」と述べて、投票を呼びかけました。
自衛隊法は隊員の政治的行為を制限しており、稲田大臣は、27日夜遅く記者団に対し、「近くに駐屯地もあり、自衛隊の活動自体が地域の皆さんの理解無くして成り立たないということについて感謝をしていると申し上げたかった。誤解を招きかねない発言に関して撤回したい」と述べて、発言を撤回しました。
そのうえで、稲田大臣は、「防衛省・自衛隊に限らず政府の機関は政治的にも中立であって、特定の候補者を応援することはあり得ない」と述べました。
また、稲田大臣は、記者団が、発言の責任をとって防衛大臣を辞任する考えがないか質問したのに対し、「しっかりと職務をまっとうして参りたい」と述べ、辞任しない考えを示しました。
稲田大臣の発言に対し、野党側は、民進党の蓮舫代表が、「自衛隊を政治的に利用し、選挙で私物化するもので、看過できず、即刻、辞任すべきだ」とコメントするなど、一斉に批判しています。民進党、共産党、自由党、社民党の野党4党は、28日、国会対策委員長が会談するなどして、稲田大臣の辞任を求めるとともに、安倍総理大臣の任命責任を追及する考えです。