アニメやマンガのキャラクターを『日本画』の画題に用いること自体は、
アリだと思うのですよ。
既に、風神、雷神などの架空の存在や、
故事から画題を取って、『龍』とか現実には存在しない物を描いてきているわけですから。
それがアニメのキャラクターに変わった、だけの事だと思えば、
日本画の伝統を継承した流れだと思うのですよね。
でもねぇ……
『日本画』として描くなら『日本画』として『初音ミク』を再構築するべきです。
どこかの誰かが描いた『初音ミク』のデザインをそのまま持ってきてはダメですよ。
それじゃあ、『初音ミク』を『日本画』で描く意義、というか、必要性がないじゃないですか。
単に同じ画面に収めるだけなら、
パソコンのデータでコラージュを作ってしまえばそれで事足りる訳で、
『日本画』として描くなら、描くなりの『何か』が必要でしょう。
『何か』とは単に技法に留まらない物だと思います。
新しいジャンルを切り開く意欲は買いますけど、
それならなおのこと、
既存の『初音ミク』のイメージをそのままなぞる必要はない、と思います。
PIXIVとかで描いている、
アマチュアのイラストレーターの方が、
もっとシビアな挑戦をしてますよ。
江戸時代の絵師伊藤若冲や美術の流派「琳派」の作品に、バーチャル歌手「初音ミク」や、手塚治虫さんの漫画キャラクターなどを登場させた日本画の展覧会「ぼくらが日本を継いでいく」が13日、京都市下京区の高島屋京都店で始まった。25日まで。入場無料。
京都で染織作品を手掛ける「豊和堂」の山田晋也さんが2015年に「漫画やアニメを琳派の手法で描くとどうなるか」と考え、企画したのが始まり。今年までに地元の絵師が手描きした35点を集めた。