どうやらスワップの延長が決まったようです。
といっても、
今のところ大きく取り上げているのは韓国側のメディアばかりで、
中国メディアからは全然情報が出てこないのですよね。
といっても、
私の環境では、中国本土の現地メディアの情報まではチェックしきれませんから、
もしかしたら、
中国内ではとっくに情報が流れているのかもしれませんけど。
とりあえず、
日本に居て手に入る情報に、ブックマークを貼ってみました。
ところで、
今回のスワップ延長について、
あれだけTHAAD問題で韓国を敵視していた中国が、3年間の通貨スワップ延長に応じたことについて、
中国側の思惑を、
韓国メディアでは、『中国通貨の人民元を国際通貨にする思惑があるため』と分析してますけど。
これはまったく的外れもいいところで。
明後日の方向を見て、太陽が昇るのを待っている、
としか言いようがありません。
さすが、韓国……どこまでも自分勝手というか。勘違いも甚だしいくらい、
自国通貨『ウォン』の評価を高くつけてます。
あのですね、
私が日本人で、韓国大嫌い、ということを差し引いて評価しても、
韓国の通貨『ウォン』は
韓国内でしか使えないローカル通貨で、
人民元の国際化にはまったく役に立ちませんよ。
だって、『ウォン』が取引できるのは韓国内だけですから。
韓国外に出たら、まず『ドル』か『円』か『ユーロ』にでも交換しない限り、
市場で使えません。
それが、今の世界市場の現実です。
ロンドンに持って行って、
ニューヨークに持っていても、
東京でも、
『ウォン』のままでは使えません。
アジアの他の国でもそうでしょうね。
しかも、
流通量も、韓国内で流通しているだけで。
世界市場の中では、大した量ではありません。それこそ『雀の涙』程度です。
はっきり言えば、今現在の通貨としての評価は、
『人民元』よりも遙かに下で、『人民元』の国際化の足を引っ張ることはあっても、
プラスの効果はまったくあり得ません。
人民元の国際通貨化を狙うなら、
ロシアのルーブル、
インドのルピー、
ブラジルのレアル、
日本の円と新たなスワップを組む方が、
中国にとっては意味がありますし、
『ウォン』なんてローカル通貨とのスワップよりも遙かに効果があるでしょう。
それじゃあ、
なんで中国にとっては、ほぼ持ち出しに等しい損になるのに、
韓国なんかとスワップ協定を延期したのか、ですけど。
私的に、
中国の思惑を推しはかると、
多分、AIIBへの出資とバーターじゃないのなかぁ、と。
私としてはそう見てます。
AIIBは、中国が肝いりで設立したのはいいですが、
運用資金が少なすぎて、
現状、新たな融資要請を受けることができず、
その上、先に融資した分は早くも焦げ付き案件が出てきて、
ほぼ開店休業状態になりつつありますから。
設立当初には、
出資金が集まりましたけど、その後、追加の出資はどこからもほとんどないままですし。
そこで、
中国が通貨スワップを延長する代わりに、
スワップ期間中、
韓国は毎年AIIBに出資する。とか。
そういう裏協定になっているのではないですかねぇ。
AIIBへの出資なら、
韓国の文オジサン大統領なら毎年AIIBに金を出すことを発表したとしても、
それほど韓国民から反発を受けないでしょうし。
……実際、文オジサン大統領は今年の6月すでに800万ドルの追加出資を発表していたりしますからね。
まあ、
800万ドルだと、中韓スワップ560億ドルの1.5%程度の規模ですから。
利子としては、ちょっと少ないですね。
多分、今回のスワップ案件での利子として中国が求めるなら
一桁上がって、6000万ドルくらいじゃないですか。
これだと、
サラ金並の利率で、
困った相手に金を貸すにはちょうどいい具合の利子です。
しかも韓国がそれだけ金を払えば、
中国としては、
韓国がこれだけ出資しているんだから、
他の国ももっとお金を出しなさいよ。と、出資の働きかけをしやすくなります。
当然、日本やアメリカにも働きかけてくるでしょう。
日本のメディアなんか、
それこそ、『バスに乗り遅れるな』とかまたぞろ騒ぎ出して、
『AIIBへ出資すべし』という的外れ記事を量産するのではないですかね。
とまあ、
私的には、
今回の中韓スワップの裏をそんな風に見ております。
一時期は、
スワップの見返りに、軍事機密情報を中国へ横流し……って線だと思っていたのですけど。
例の北朝鮮のハッキングで機密情報駄々漏れ事件が明るみに出てから、
アメリカも韓国への情報提供に渋くなっているようで、
スワップの見返りとしては十分な情報を入手できないような状況になりつつあるみたいですから。
そうなると、
もっとも確実な『金』でカタをつける方を選ぶのかなぁ。と、
考え直しました。
さて、
どうなることやら。
【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)は13日、ウォン・人民元の通貨交換(スワップ)協定を延長する契約を中国人民銀行と締結したと発表した。契約期間(3年)と融通枠(560億ドル、約6兆3000億円)は従来の契約と同じだ。通貨交換協定は金融危機などの際に通貨を融通し合う取り決め。
韓国と中国の通貨協定は2009年4月に始まり、11年に融通枠を560億ドルに拡大した。14年に3年延長し今月10日に期限を迎えたが、両国はこれまで延長の有無を明らかにしておらず、米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備を巡る韓中関係の冷え込みが影響したとの見方が出ていた。
中韓は13日に通貨スワップ協定を3年間延長することで合意し、韓国では両国関係の改善に期待する声もあるが、韓国の専門家は楽観視できないと語っている。15日付で観察者網が伝えた。
韓国・SBSは中韓通貨スワップに関する報道で、「日米との通貨スワップが終了したことで、韓国にとって中国との通貨スワップは非常に重要な意味を持つ。高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の影響で中韓関係が冷え込んだ現状で、中国が韓国と通貨スワップを延長したことに疑問を覚える」と報道。これに関して韓国の専門家は、「人民元の国際化が狙い」とSBSの番組に出演した際に指摘している。
同専門家は「人民元の国際的な地位を上げるには通貨の安定性と流動性、そして準備通貨としてどれだけ浸透しているかが重要となる。韓国は世界でも外貨を多く保有する国であり、中国は韓国と通貨スワップを延長することで国際化を進めようとしている。そのため、延長により両国関係に転機が訪れたと考えるのは非現実的だ」と語った。(翻訳・編集/内山)