kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

なにか色々勘違いされると困るのでネ ―― 北朝鮮「核ミサイル開発の目標達成」か?『労働新聞』の気になる論評

なんというか、
最近、色々と北朝鮮関連でのトランプ大統領の言動とかについて書いてきたので、
ここらで私的な見通しをまとめておこうかな、と思いました。
それというのも、
日本のメディアでもこの手のニュースというか、コメントというか。
そういうのをボチボチ見かけるのですけど。
下にブックマークを貼った記事、とかですけど。
これは、
北朝鮮系のロビー活動なのですかねぇ? というのが気になってきたので。
ええ、
北朝鮮のロビー活動なら、それはそれで構わないですし。
日本のメディア人の認識がこの程度だと、
この先、日本はトランプ大統領に振り回されるだけだろうな。と。
このブックマークを貼った記事に書かれている内容は、
根本的にアメリカという国を見誤っているとしか言いようがありません。
理由がなければ、勝手に「大量破壊兵器」をでっちあげて戦争を始める国。
それがアメリカです。
いまさら北朝鮮の国内事情がどうだとかこうだとか変化しても、
そんなことはアメリカにとって些事に過ぎないわけで。
アメリカにとって重要なのは、
北朝鮮核兵器を放棄するのか否か。それだけです。
ただ、それだけです。それ以外はどーでもイイ話なんです。
そんなの分かりきってるじゃないですか。
既に、
アメリカの中では今年9月の国連で
北朝鮮は『核兵器を他国に向けて発射しようとしている独裁国家』として
評価が定まってしまいました。
だから、相当厳しい国連決議を幾つも出しているわけです。
これが取り下げられない限り、

アメリカは北朝鮮への圧力を減らしませんよ。
そして、決議に従わない国に対して、
中国やロシア、他の国が国連決議に違反するなら、
次はその国を制裁対象にしてアメリカ、他の国で独自の制裁枠組みを作り、
実行していくだけです。
国連決議が出ている以上、
現状ではもうそういう大義名分が認められてしまっているのですね。
つまり、ロシアや中国が従わない、というのなら、
アメリカはガンガン制裁を掛けることも可能で、
これをチラつかせて貿易交渉を有利に運ぼうとしているのが、トランプ大統領です。
そして、
この大義名分をアメリカ他の国から取り上げるには、
北朝鮮核兵器を放棄するしか手段はありません。
それ以外では、
北朝鮮核兵器を所有している限り、
これまで決定された制裁案は破棄されず、
さらに、
北朝鮮が新たな行動を起こす度に、次の制裁が追加されて増えていく、という。
今起きているのは
そういう、とても分かりやすいチキンゲームです。
これから起きるのは、
北朝鮮が何かする度に制裁が強化されるだけです。そして、その制裁案の行き着く先が『武力行使』ですね。
正直、
北朝鮮が経済発展に重点を移そうが、核兵器を保持している限り、
現状の世界の枠組みに変更はありません。
というわけで、
今、北朝鮮国内の変化で重要なのは、
北朝鮮核兵器を放棄するか否か』それだけで、
放棄しない限り現状は変わりません。
なんでそんな風になってしまったのか、と言えば、
北朝鮮がそれだけ他国に向けてミサイル発射を繰り返してきたからです。
結果はすべて海上に落ちてますが、
それは、あくまでたまたま結果がそうなっただけで。
他国へ向けてミサイルを発射する、と宣言した意図が消えた、とは
どの国も見なしていません。
北朝鮮が「自衛のためだ」と言い張っても、
これまでしてきた言動から、
アメリカ他の国を攻撃するための武力』としか見えません。
いったい、ここからどうやって脱出するつもりなのか。
私にはさっぱり分からない。
それで、
なんでこの記事にブックマークを貼り付けたのか、というと。
少なくとも
この記事に書いてある内容は、単に北朝鮮の事情を説明しただけで、
アメリカ側から見ると『だからどうした?』程度の話にしかなりません。
その上で、
この記事は、
北朝鮮が問題が、既にアメリカ、中国、ロシアのパワーゲームへと移行している、
点をまったく無視しています。
今年、日本国内で流布された『日本核武装論』、
北朝鮮核兵器を持つなら日本も対抗して核武装するべきだ。という主張。
これに呼応して、韓国からも日本が核武装するなら韓国も核兵器を所持するべきだ、
という主張がまかり通りつつあります。
これについて、
日本と韓国の後ろ盾であるアメリカは、
核の傘から離脱しようとする日本と韓国に対して、
引き留め反対する、どころか。
逆に、
積極的に後押しする論者が出てくる始末です。
というよりも、
この日本核武装論、韓国核武装論は、
北朝鮮核兵器所有に対してアメリカが仕掛けているロビー活動の一種でしょう。
つまり、
中国とロシアが北朝鮮核兵器保持を認める、
制裁決議に反対し、北朝鮮の現状を追認するのなら、
アメリカもそれに対抗して、
日本と韓国と核兵器を持たせるぞ。
そして、極東アジアの現状を破壊してやる、という。
非常に分かりやすいパワーゲームです。
分かりやすいが効果はてきめんで、
中国、ロシアはこのゲームを無視することが出来ません。
なので、
彼らはアメリカの立場には汲みしないが、
北朝鮮核兵器を持つことは認めない……という消極的賛成の立場に留まらざる得なくなっています。


こういう風に書くと、
アメリカが北朝鮮を軍事攻撃する……そのように勘違いする人もいますが。
アメリカは北朝鮮核兵器を放棄しないのなら、
延々と圧力を掛けていくだけで目的を達成できるはずなので。
それを続けるだけです。
実際、まだ海上封鎖すらしてませんし。
経済制裁と言っても、
『封鎖』ではありません。
つまり、この後、段階を経て『経済封鎖』へと動くはずです。
(その場合、日本も海上封鎖などで協力を求められることは十分に考えられます)
軍事行動は、それらの選択が全て終わった後の話です。
ミサイルがアメリカ本土に届くまでのタイムリミット、という話が良く出ますが、
アメリカに届くミサイルを北朝鮮が開発しようが、
アメリカに撃てなければ、それは軍事上まったくもって意味がありません。
これまで、
北朝鮮アメリカに向けてミサイルを撃つチャンスは幾度とありましたが、
アメリカ近辺に撃ったミサイルは一度もありません。
北朝鮮が主張する「自衛のための核兵器」という内容は事実なのかも知れません。
だからこそ、アメリカは圧力を延々と掛け続けることを選択できるのです。
北朝鮮が『自衛』のためだと言い張るのなら、
アメリカや他国に向けて発射されることはないですから。
もちろん
アメリカは『自衛』などという言葉はつゆほども信じてないでしょう。
北朝鮮が他国に向けてミサイルを発射したら、それはそれで、
武力行使に移り、北朝鮮を徹底破壊する機会を得ることができます。
それはそれで、
アメリカの目的が達成できます。
つまり、
圧力をかけ続ける限り、アメリカは必ず目的を達成できるわけです。
今のアメリカを突き動かしている『核心』は、そのようなシンプルな理屈ですよ。
ここが
今の北朝鮮問題で一番重要な点なのですが、
今はアメリカは北朝鮮をまったく信用していません。
結果だけを求めています。
それは、
昨年、マレーシアで起きた暗殺事件、
アレによって、アメリカの北朝鮮観が完全に変わってしまったからです。
あの一事で、北朝鮮の信用は木っ端微塵になってしまいました。
あの暗殺が、
どこかのホテルの一室とか、公園でとか、表通りでとか
周囲にある程度配慮した形で『プロ』の手によってのみ行われた、というのなら、
まだ、北朝鮮との信頼関係は続いていた筈です。
しかし、
無関係な素人を使って、周囲への配慮もない形で、形振り構わない形で行われました。
これによって、
アメリカ、中国、ロシア、他の周辺国は、
北朝鮮が『形振り構わず実行するほど追い詰められている』事実を
『現実』として認識したのです。
それによって、
どんな口約束なり、合意文書を交わそうが、
次の瞬間、すべてひっくり返して自国の利益のみを優先させる。
北朝鮮とは、
そういう形振り構わないことを平然と行うまったく信用のおけない国である……という認識で、世界は一致してしまいました。
だからこそ、
アメリカは「結果」だけを求めているわけです。


というのが、
私が見立てたアメリカと北朝鮮の関係です。


どうも、
昨今の北朝鮮関連のコメントは、
この最もシンプルな『核心』部分が無視されているように思います。
繰り返し書きますけど。
このように書くと、
『それは北朝鮮の暴発を誘い、多数の犠牲者が出る』
という反論が返ってくるのですけど。
北朝鮮核兵器を持っている限り、そのリスクはずっと存在し続け、
いつかは実現するのです。
つまり、北朝鮮が他国を攻撃し、犠牲者が出る『戦争』は、
北朝鮮核兵器を保持している限り、
今起きるか未来に起きるか、それだけの違いでしかアリ得ません。
結局起きることには変わりがないのだから、
それを考慮することには意味が無い。
アメリカを動かしている理屈はこのようなものでしょう。
経済制裁で、北朝鮮核兵器を放棄すればベスト、
暴発した場合、もっとも最小の被害に抑え核兵器を破壊できればベター、
それ以外はバッド。
この現状を変えたい、というのなら、
別の条件で北朝鮮核兵器を放棄するしか、手段はアリ得ません。
その場合、例えば、北朝鮮核兵器放棄と同時に在韓米軍の退去、という条件もあり得るかもしれません。
しかし、
とにかく『北朝鮮核兵器放棄』が必須条件です。
今のところ、ここは変わらないですよ。
ここを変えるには、
北朝鮮が他国に向けてミサイルを発射し具体的な力を示して、
力を持って変更を迫るしか途はなく、
それを現実とした場合、
アメリカの反撃を受けるだけなので。不可能です。
とまあ、
何をどうしようが北朝鮮への制裁が強まるだけのチキンゲームです。
それを北朝鮮は、一体どうするつもりなのか。
そこが北朝鮮からいつ出てくるのか。
それともこのままダラダラと制裁が続くのか。
とまあ、
私はこのような視点から、
アメリカと極東情勢を見ているわけですが。
日本のマスコミは違うようですね。



 北朝鮮が公式の立場を表明する媒体である『労働新聞』が10月28日に興味深い署名論評を掲載した。「われわれの国家核戦力の建設は既に、最終完成のための目標が全て達成された段階にある」と主張したのだ。北朝鮮の公式メディアが「目標達成」と報じたのはこの論評が初めてで、その後、「国家核戦力完成の終着点に達した」(朝鮮中央通信11月4日)などという同様の趣旨の言及が行われるようになった。
 北朝鮮はこれまで、核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイルICBM)が完成するまで一切の交渉に応じないという姿勢を見せてきた。今回の論評は、国際社会からの警告と制裁を完全に無視して核・ミサイル開発を急いできた金正恩政権の姿勢変化を示唆するものだ。
 『労働新聞』の論評は署名入りが原則で、重要な論評の筆者は限られている。この論評を執筆したチョ・ナムス氏は、そうした重要論説を担当する一人。対米関係のほか、日本や韓国に対する批判的な論評を執筆し続けてきた人物だ。署名論評とはいえ、最高領導者の意向と異なる記事は掲載されない。金正恩委員長の認識を反映していることは確実だろう。
 本来ならば、ICBMの発射実験を追加で1回は行ってから大々的に勝利宣言を出す、という形の方がすっきりしている。日米韓の専門家の間でも、追加実験を行った上で「米本土への核攻撃能力を確保した」と主張し、米国に対話を迫ろうとするのではないかという観測が強かった。中途半端な印象を与える『労働新聞』の論評という形式を取った意図はよく分からないし、トランプ米大統領の対応によってはミサイル発射を再開するつもりかもしれない。ただ、どちらにしても北朝鮮の出方について予断を持たず注視すべき時期に入ったようだ。

追記:
このチキンゲームから抜け出す手段として、
実はもう一つあったのですが。
それは、もう北朝鮮が不可能にしてしまいました。
暗殺事件が起きたときに、
実行犯と目された北朝鮮国籍の容疑者をマレーシア警察に引き渡して、
犯罪と北朝鮮政府を切り離し、最低限のルールを遵守する態度を国際社会に明らかにする。
これを行っていれば、
まだ『対話』による条件闘争が可能であったと思います。
北朝鮮核武装が認められる余地があったかもしれません。
しかし、
北朝鮮はその道を自らの手で潰しました。
もはや、制裁のチキンゲームしか残されていません。
それが北朝鮮の選択した未来です。