このニュースを聞いたとき、
『やっぱりそういう事だったのかなぁ……』と、勝手に勘ぐってしまいました。
アニメ作家・宮崎駿監督が認めていた、
数少ない『戦友』であり『ライバル』だった、
高畑勲監督が亡くなった、とか。
聞くところによれば、
すでに昨年ぐらいから、闘病生活に入っていたそうで。
じっさい、
病気を自覚した、というか。
体調の衰えを感じていたのは、もっと前からなのでしょう。
スタジオジブリがいったん制作部門を解散したのも、
この人の体調が大きな理由だったのかも知れません。
それまでのジブリを支えてきたのは『宮崎・高畑』の
二巨頭体制でしたから。
翼の片方を失ってしまえば、そのままでは飛べなくなるのは当然で、
それで、
いったんは解散、という決断にいたったのではないですかねぇ。
その当時は……スタジオジブリの制作部門解散は2014年のことですから、
今からもう4年近く前の出来事になりますけど。
そこでは、大きなニュースになりましたけど、
高畑監督の去就については、
ほとんど触れられていませんでした。
もしかしたら、
今、何かその時には話せなかった事実が語られることになるのでしょうか。
なんか、故人の話からは大きく脱線してしまいましたけど。
私の中では、
高畑監督は『火垂るの墓』で、印象が固まってしまった、というか。そこから先の情報が更新されていない、というか。
そこから先は
『かぐや姫の物語』だけしか記憶に無いんですよね。
『かぐや姫の物語』についても是はコレまた
「あぁ、もうこれは『商業』ではないな。というか人生集大成?みたいな作品だなぁ」
と、あの幻想的な絵作りを見て、漠然とそんな感想をもったことだけ覚えています。
あれは、ちょっとでも業界関わっていた人なら多分皆がそう思うのだと思いますけど、
芸術賞を取りに行くための(観客に心地良く魅せるための演出ではなくて、自己表現としての演出をトコトコ突き詰めた、という意味で)、
商業とはまったく別のベクトルで作られた作品にしか見えないですから。
一目見て「売る気ないな」って思ってしまいますもの。
ハリウッド的ではありませんし、
中華的とも違いますし、
インド風でもないですし。
どこのマーケット持って行っても、これは食いつき悪いだろう、と。
映像とか動画の質が悪い、ていうのではなくて、
方向性として客のニーズがない、強い引きがある物語性もない、絵本とか御伽草子みたいなアニメ映画、とでも言えばいいのでしょうか。
題材をそれそのまま、
マーケット無視してアニメ映画として作りたい物を作り上げた、みたいな作品でした。
アレ見たら……
「次作るつもりないんだろうなぁ」という作者の意志みたいな物が伝わってきますよ。
今、思うと、
そういうことだったのかな。
本人の中では「遺作」のつもりだったのですかねぇ。とか色々と邪推してしまいます。
なんというか、
やっぱりそれだけの影響力を持っていた人だったんですよねぇ。
宮崎駿監督(77)と並ぶ日本アニメーション界の巨匠で、ジブリ映画「火垂るの墓」「平成狸合戦ぽんぽこ」などを監督した高畑勲氏が5日、東京都内の病院で死去した。82歳だった。
関係者によると、高畑監督は昨年の夏頃に体調を崩し、その後入退院を繰り返していた。心臓が悪かったという情報もある。
昨年11月に高畑監督に会った別の関係者によると、以前よりも痩せていて、歩く時は体を支えられていたという。この関係者は「子供のような好奇心でキラキラした表情が印象的な人だが、元気がなく、全く違った人みたいだった」と話した。通夜、葬儀は近日中に営まれる。
高畑監督は東大卒業後の1959年に入社した東映動画(現・東映アニメーション)で宮崎監督と出会い、アニメ制作会社をともに移籍しながら、70年代にはテレビアニメ「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」などを生み出した。85年に宮崎監督らとスタジオジブリを設立。「火垂るの墓」「ホーホケキョ となりの山田くん」などヒット作を次々と送り出した。人気は世界に広がり、2015年にはフランス芸術文化勲章のオフィシエを受章している。