kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

これは、なぁ ―― 透析中止の選択提示否定=女性死亡で担当外科医(公立福生病院)

以前に、
ちょろっと書いた福生市人工透析中止騒動。
病院側の反論、というか。
騒ぎになった透析中止措置の経緯が公表されました。
……というわけで、
今回病院側が発表した情報だと、
当初マスコミが騒いでいた状況とかなり様相が異なりますね。
透析に必要なシャントが詰まって使えなくなった状態で、
問題となった福生病院を訪れて診察を受け、
新たな透析用血液回路を作らなければならないので、
診察の結果、担当医が
カテーテル埋め込み手術を提案したところ、
患者側が断った。と。
そうなると、
これ以上の透析は出来ませんから。
手術拒否の結果、透析中止に同意した。と。



これなぁ……、
この状況で、
透析中止後に容態悪化して透析再開するのは、
その前に
手術をしなければならないのですけど。
色々リスクありすぎじゃないですかね?
患者が苦しみ始めた、ってことは、
体中に毒が回って体力低下、合併症を併発し始めた状態で
そんな体調が諸々悪化した状況で、
カテーテル入れましょう、ってわけですから。
『どうにかしてくれ』と言われても、
医者としても、
リスク高いわけで。
その場しのぎでカテーテル刺して透析開始して。
それから、
体調を回復するまで持って行けるのか。
と言われたら、
透析は悪化を止めるための手段で、
体調を回復するにはさらに別の治療が必要になるわけで、
そこまで患者の体力が持つのか、と考えると。
『ダメもとでやってみます』となりますし。
患者家族から『ダメもとでは困る』と主張されれば、
『ウチでは自信ないので、他へ行ってください』となりますよ。
突き放されたら
患者家族側は納得できない部分もあるのですけど。
医者は神様ではないので。
無理なものは無理なんですよね。
インフォームドコンセントを徹底している病院だと、
この辺の、
治療中止した場合のリスクについて、
後から治療再開を望んでも、
元の状態に復帰するのが容易ではないこと、
いったん治療中止後に治療再開しても死亡のリスクがある事を、
具体的に話してくれるのですけど。
『治療再開しても生還できる確率が5割以下に下がります』とか。
ハッキリ数字で示して、とかで。
(この数字は一例で、今回の福生市の事例とは関係ありません)
今回の福生市の騒動は、
このあたりの、
『治療中止した場合の死のリスク』について、
医者側と患者側で腹割って話し合わず、
お互い事務的な会話に終始した結果、後の祭りになってしまった。
って具合じゃないでしょうか。
病状が悪化した場合、
復帰が容易ではないことを医者は知悉していても、
患者側は治療再開すれば元に戻る、みたいに安易に考えていたりしますから。
この辺の認識のズレは
場合によっては致命的だったします。

死が目前に迫っている場合には、
患者側はできるだけその現実を考えないようにしますし。
私の父が膵臓癌で入院した時の経験を思い返しても、
患者家族が、
患者の死のリスクについて
医者に詳しい説明……治療に最低限必要なだけの情報を教えて貰うには、
相当の覚悟で死に向かう現実をほじくって話を聞かないと、
イレギュラーな自体が起きた場合には『何も分かっていなかった』って
状況になります。
医者が最初に説明してくれる情報だけでは
全然足りないのですよね。

 

そして、

医者がどれだけ懇切丁寧に説明してくれたとしても、患者側には

納得できない部分は納得できないまま残ります。決してわかり合えません。

十分な説明があれば理解し合える……とはまったくもって『幻想』『大嘘』です。


とか色々書きましたけど。
この騒動、
テレビメディアは、
当初放送していた内容と、その後明らかになった事実の整合を取りにくくなって、
かなり分が悪くなったのか、
一切取り上げなくなりましたねぇ。


ところで、
朝日新聞
倫理委員会がどうとかこうとか書いてる記事を掲載しているのですけど。
それって、
今回のような緊急の場合は、
全部終わった後の事後処理の話じゃないですかね?
透析の中止を決定するのに、
いちいち委員会の決定を待っていたら、
その間、
患者の治療は宙ブラりんのままですけど。
今回の事例に合わせて言うのなら、
委員会の開催待っている間に、
患者の容態悪化して、透析を中止するのか再開するのか、
委員会が決定してませんので治療できません。
それで、患者は死にました。
って
バカな話になるだけですよ。


この辺の手続き論も、
色々と見直さないとダメじゃないのかな。

 

 

 

www.jiji.com 

 公立福生病院(東京都福生市)で人工透析治療を中止した腎臓病患者の女性=当時(44)=が死亡した問題で、同病院の松山健院長(65)と担当の男性外科医(50)が28日、都内で報道陣の取材に応じた。外科医は「女性に透析中止の選択肢を提示したことはなかった」と主張した。
 外科医によると、女性は昨年8月9日、シャント(透析用の血液回路)が閉塞(へいそく)し、他の医療機関の紹介で来院した。外科医は、再生は無理と判断し、鎖骨下静脈にカテーテルを入れて透析するための手術を提案した。
 しかし、女性は「今のシャントで透析できなくなったらやめようと思っていた」と拒絶。外科医は「2週間程度で死に至る」と説明したが、意思は変わらなかった。その後ソーシャルワーカーらの立ち会いの下、改めて女性と夫に説明したが、女性は再び手術を拒否し、夫も同意。外科医は女性に「透析離脱証明書」と題する文書に署名させたという。