kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

これは、法律も問題かもしれない ―― 京アニ火災 屋上へ逃げ切れず 十数段の階段で19人を発見

凄惨な事件発生から1日が経ちました。
それで、
事件報道も
ようやく、かりそめの落ち着きを取り戻して。
事実を淡々と伝えるようになってきたのですけど。
その中で、
私的に気になっているのが、
京アニ』伏見事務所の構造です。
鉄筋コンクリート3階建ての建物、ということなのですが……
どうも私がイメージしていた概要とは異なり、
フロアの区切りがまったく存在せず、
扉が存在しない構造で。作業スペースが全部ブチ抜き。
階段もフロアに直結。
さらに、
らせん階段が『吹き抜け』のようにフロアの床に穴を開けて
上下に貫いている。という。
かろうじて、トイレとかが個室になっている、というだけで。



これは、ダメだわ。アカンだろ。
なんというか、
この建物構造で問題なし、としていた法律、行政に問題がありますよ。
だって、
これ、
都合『3階建て』となっていますけど。
防災上の観点から言えば、
『吹き抜けで繋がった1区画』です。
階段と個室の区切りが存在せず、
その上さらに、
吹き抜け(らせん階段、通常階段)で、全フロアが繋がっていて。
フロアには『間仕切り』になる壁が存在せず
言うなれば『建物内部全体が階段ホール』状態。
地階で火災が発生した場合、
ガスがあっという間に上層階へのぼり、居室空間全体に蔓延して。
これを遮る物がありません。
今回の事件では
『ガソリン着火』による燃焼スピードの速さのため、
逃げる間がなかった。と評価されているようですけど。
この建物構造だと、
ガソリン着火ではない通常の火災でも、
煙の拡散を遮る物がないので。
密閉した空間状態では。
とくに猛暑下でエアコンを使っているような状況だと、
上層階の住人は、
煙として上がってきた『一酸化炭素』があっという間に蔓延して、
それが原因で中毒、最悪死に至る可能性が高い、
と思われます。
ガソリンの爆燃現象でなければ、そんな問題にはならない。
という人がいるかもしれませんけど。
ボヤ程度の火事ならそもそも防火対策なんてなくても、
なんとかなるんですよ。
何かの原因で全焼してしまうような、
そういう『猛火』に際して被害を軽減するために、
わざわざ法律を作ってまでして対策しているわけで。
京アニ』の伏見事務所が、
そういう『猛火』の被害を軽減するような構造になっていないのは明らかですから。
法律の趣旨からして、
なんで、
これで許可出していたかなぁ。と首をかしげてしまいます。
せめて、
1階、2階、3階の各フロアごと、
独立した個室にしておくだけでも。
煙と火の拡散をとどめて、少しの時間を稼げたので。
3階窓から逃げ出せたり、救助できたりして。
相当に、被害状況を軽減できた、と思うのですけど。


 

www.sankei.com

 

アニメ制作会社「京都アニメーション」(本社・京都府宇治市)の京都市伏見区桃山町因幡にある3階建てのスタジオが全焼し、33人が死亡した火災で、建物の3階から屋上に至る十数段の階段に多数が折り重なるように倒れていたことが19日、京都市消防局などへの取材でわかった。関係者は火の回りが予想以上に早く、屋上まで逃げ切れなかったとみており、京都府警や京都市消防局が引き続き出火当時の状況を調べている。
 この火事では亡くなった33人のうち、1階で2人、2階で11人、2階から3階に至る階段で1人の計14人が見つかり、残る19人は3階から屋上に上る階段の途中で発見された。屋上からは誰も発見されなかった。
 屋上につながる階段の幅は1・2メートル。19人は屋上に出ようとしたものの、何らかの理由で脱出できなかったとみられ、折り重なるようにして倒れていた。
 2階で亡くなった11人も階段に近いフロアの中央付近で見つかっており、3階へつながる階段を目指していたとみられる。
 被害者が逃げ込もうとした屋上につながる扉の鍵が施錠されていたかどうかは未確認だが、消防隊が消火作業のために屋上から建物内に入ろうとした際には扉は閉まった状態だったものの、鍵はかかっていなかったという。
 一方で、同社内には法令で定められた基準にのっとった消火器と警報器が備えられていたが、いずれも使われた形跡は見られなかった。

 あー、と……
誤解されると困るので。
もう少し書き足しておきますね。
私が上に書いた『各フロアを個別に独立した空間にする』措置。
これを実行したとして。
今回の事件で、煙と火を防げる時間、って……たぶん5分とか10分とか。
その程度だと思います。
揮発性の燃料を大量投下された状況で、延焼を充分に防ぐには、
焼け残った外壁みたいに、
本格的な不燃材を使わない限り、まず無理ですよ。
でもね、
火災避難は初動のわずか数分の間、
この短時間に煙に巻かれずに行動できるかどうか。
これで生存率が大きく変わってくる、という事実は、
これまでの経験則で明らかなんですよ。
わざわざ、
法律を作って防災規定を盛り込んで認可制にしているのだから。
その数分を稼げる仕組みにして置かなければ、
法律作った意味がないじゃないですか。
あと、
今回は外部に非常階段があれば助かった。という声がありますけど。
そこまで大がかりな物は必要ないんです。
地上2階、3階なんですから。
このくらいの高さなら。
非常口から飛び降りるだけでも事足りるんですよ。
まあ、
ただ飛び降りたら、ヘタすると死にますけど。
たとえば、
2階に非常口を設けてそこから簡易シューターで地面へ降りるとか。
これならかなり安全に降りられるはずです。
そして、
3階は非常口から外部に設置されたハシゴを使い、
2階の簡易シューター設置場所まで降りれるようにしておけば、
そこから先は、
シューターで地面へ避難できる。
この工程を、
10分程度で完了することは無理ですけど。
部屋が延焼し始めたとしても、
すぐに空間全てに燃え広がるわけではありませんから。
非常口を解放して外部と接続しておけば、
バックドラフトも起きにくいと思いますし。
(フロア隔壁になっているドアの開閉で起きる可能性がありますけど)
あとは、
これに外部からの救助が加われば。生存率は相当上がるはずです。
わざわざ法律で規制するのだから。
そのくらいの内容は盛り込むべきではないでしょうか。