これはもう。
『フロック』ではない、と断言していいのでしょうかねぇ。
でも、
前回のW杯も、
実は今回の成績に近い戦績を残している事実。
があって。
それでも、
上位トーナメントには進出できませんでした。
『ボーナスポイント』の差で。
そんな過去があるので。
今回は、
試合前から『ボーナスポイント獲れ』の大合唱。
試合に勝つのは当たり前で。
大差つけて勝たないと、勝利の価値がない。
という。
なかなかエグい目標達成が求められて。
それを、
試合時間ギリギリで成し遂げるのですから、
見事としか言いようがありません。
いや、
本当に。
サッカーW杯は、
ここまで条件厳しくないですもの。
勝つだけでは不足。
大差付けて勝たないと先へ進めない、とか。
どんだけハードル高いのか、と。
思いますよ。
……ベスト8入り。
・
・
・
今日も、明日も、
まだまだフィーバーが続くのだろうなぁ。
でもさ、
これでも、
確実に突破するにはまだ足りない、のだとか。
本当に、
ハードル高いなぁ。
そして、
そこに手をかけた日本代表は、
大したタフガイですねぇ。
脱帽であります。
ラグビーのワールドカップ(W杯)の日本代表は5日、愛知県豊田市の豊田スタジアムにサモアを迎えて1次リーグA組3戦目を戦う。初戦のロシアに続き、優勝候補のアイルランドからも大金星を挙げ、悲願の決勝トーナメント進出の可能性が高まった日本。一方のサモアは1勝1敗ながらも予選突破の可能性は残されており、お互いに負けられない一戦となる。
サモアは初戦のロシアに34-9で快勝したものの、スコットランドには0-34で完封負け。FBナナイウィリアムズやCTBレイウアらバックス陣を中心に個々の選手の能力は高く、チームが団結したときには強さを発揮する。
バックスの突破力で攻撃を継続するサモアと、捕まれば無理せずラックを作って素早い球出しから連続攻撃を重ねる日本。実力伯仲ながら、持ち味の異なる両チームの戦いぶりにも注目が集まる。
■試合開始直前
キックオフに先立ち日本とサモアの国歌を斉唱、その後、サモア代表は試合前の儀式「シバタウ」を行った。チームを鼓舞するとともに相手への敬意もあらわす。日本代表はその間、横一線に並び相対し、気迫をみなぎらせた。
前半3分
日本はバックスが左に展開して、サモアゴールに迫る。ここでサモアがノット・ロール・アウエイの反則。田村が落ち着いてペナルティゴールを決めて、3点を先制した。
日本3-0サモア
前半6分
日本はサモア5メートルライン付近まで攻め込み、サモアがオフサイドの反則。ペナルティーゴールを選択し、SO田村優が決めて6点差に広げる。
日本6-0サモア
前半9分
サモアのキックオフで試合再開。日本はレメキがノットリリースザボールの反則。サモアはヘンリー・タエフがペナルティゴールを決めて3点差に迫った。
日本6-3サモア
前半15分
サモアはセンターライン付近で日本の反則からペナルティーゴールを狙う。CTBヘンリー・タエフがきっちりと決め、3点を追加。
日本6-6サモア
前半23分
日本はフォワードの突進でゴールラインに迫る。ここでサモアがオーバーザトップの反則。田村がこの日、3本目のペナルティーゴールを決めて、3点をリードした。
日本9ー6サモア
前半24分
サモアのFLイオアネがパスをした後の日本選手にタックルをし、危険なプレーだとみなされ10分の退場を命じられる。日本は数的優位に。
前半27分
日本はハーフライン付近での密集でリーチ・マイケルが相手ボールを奪い、松島幸太朗らが展開して、最後はラファエレ・ティモシーがゴール左に飛び込んでトライ。田村のコンバージョンキックも決まり、7点を加えた。
日本16-6サモア
前半33分
センターライン付近で日本が反則。サモアのCTBヘンリー・タエフがペナルティーゴールを決め、3点を追加。
日本16-9サモア
前半35分
シンビンで一時退場していたFLイオアネが試合に復帰する。
前半40分
日本は相手のノックオンの反則で、10メートルライン付近でマイボールスクラム。松島幸太朗が左に展開したが、相手のタックルで止められる。ここで前半終了となった。
日本16-9サモア
■前半解説
「上々のできで折り返した」反則には注意を
元日本代表・有賀剛前半を上々のできで折り返したと思う。ゲームプランとしてキックを使う戦い方は奏功しているし、選手たちは落ち着いて空いたスペースを見つけ、攻撃をしている。
典型的なシーンは前半27分のトライ。主将のリーチ(東芝)のターンオーバーを起点に松島(サントリー)が相手守備を切り裂いた。こうした中核の選手が仕事でできた数的優位を生かし、ラファエレ(神戸製鋼)がフェイントを織り交ぜてトライを決めた。
田村も落ち着いて4本のキックを決めた。調子はかなりいいはずだ。空いた前方のスペースにキックでボールを供給するプレーで、うまく1本でもきれいに成功すればさらにのってくるはずだ。
気になるのは規律面だ。相手を突き放せないのは自陣で相手のフィジカルに押され反則を繰り返したから。サモアも反則が多いチーム。経験のある選手が登場してくる後半は、敵陣で逆に相手の反則を誘うプレーを期待したい。(元日本代表、サントリーサンゴリアスBKコーチ)
後半0分
サモアのキックオフで後半40分がスタート。日本は坂手淳史と交代して堀江翔太がフッカーに入る。
後半4分
日本の反則でサモアはペナルティ・ゴールを選択。CTBヘンリー・タエフが落ち着いて決め、3点を返す。
日本16-12サモア
後半10分
サモア10メートルライン付近でサモアがノットリリースザボールの反則。日本はペナルティーキックを選択し、SO田村優がきっちりと決めて3点を追加。
日本19-12サモア
後半13分
日本はPR稲垣啓太、具智元に代わり、中島イシレリとヴァル・アサエリ愛を投入。日本はマイボールラインアウトからモールを作り、10メートル近くを押し込んで、最後はNO8姫野和樹がトライ。田村優のコンバージョンゴールも決まり、7点を追加した。
日本26-12サモア
後半22分
日本はスクラムハーフの流大に代えて田中史朗を投入。キャプテンのFLリーチ・マイケルもツイ・ヘンドリックに交代する。
後半32分
日本はLOヴィンピー・ファンデルヴァルトからヘル・ウヴェ、CTB中村亮土から松田力也に交代。サモアはマイボールラインアウトからボールをつなぎ、最後はCTBヘンリー・タエフが飛び込んでトライ。自らコンバージョンゴールも決めて7点を返す。
日本26-19サモア
後半35分
日本はゴールライン手前1メートルまで攻め込み、ラックから出たボールを右ラインに展開。最後は福岡堅樹が右サイドラインぎりぎりを駆け抜け、トライを決める。コンバージョンゴールは決まらず。
日本31-19サモア
後半44分
日本はボーナスポイント獲得に向けて、4つめのトライを狙う。ゴールラインまで5メートルのマイボールスクラムを押し込み、ここでサモアが反則。再度のマイボールスクラムから、NO8姫野和樹がサイド攻撃を仕掛け、できたラックから出たボールをWTB松島幸太朗が左隅に飛び込んでトライ。その後、SO田村優が難しい角度からコンバージョンゴールを決め、7点追加。ここでノーサイドとなった。日本はボーナスポイントを手に入れ、予選突破に大きく前進した。
日本38-19サモア
■後半解説
「チームの揺るがぬ戦いぶり奏功」見事な4トライ
元日本代表・有賀剛氏この勝利は、日本代表が最後まであきらめずにボーナスポイントが与えられる4トライを目指し続けた結果だ。最後の最後でWTB松島(サントリー)がそれを結実させた。チームの揺るがぬ戦いぶりが最高の結果をもたらした。
後半、スクラムはさらに安定感を増した。松島のトライを生む前の敵陣での場面だけではない。後半20分ごろの自陣での場面ではターンオーバーでピンチをしのいだ。試合を重ねるごとに日本の武器になってきている。
ラインアウトも目立ったミスはなかった。ただ、強いて欠点をあげれば、その後の展開で簡単にパスカットされるシーンが何度かあった。
可能性が高まってきた決勝トーナメントでは、1点差でもいいからしぶとく競り勝つことが求められる。次戦のスコットランド戦で、日本代表は簡単なミスを減らし、チームの完成度を高めていってほしい。(元日本代表、サントリーサンゴリアスBKコーチ)