ショックを受けました。
ご病気がちで体調が優れないことは、
以前から知ってましたけど。
まさか、
こんな形で近況を知ることになろうとは。
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平成生まれ以降の人には、
ほとんど名前を知られてませんけど。
昭和生まれの
私みたいな、
アニメ、マンガ等のサブカルチャーの片隅で
生きている人間にとっては。
まさに『雲の上』の『天上人』、
『神』のごとき存在で。
今につながる、
『美少女キャラクターデザイン』と演出手法を
作り上げた偉大なデザイナーの一人、です。
この方と
『江口寿』氏と
『桂正和』氏と
『萩原一至』氏と
『麻宮騎亜』氏と。
これら
昭和最後期のデザイナーたちの手で、
それまで
少女漫画の美少女キャラクターをベースに組み立てられていた
デザインが。
別の方法論というかアプローチから
男性向けのデザインにリファインされて、
今につづく
『美少女キャラクター』デザインの基みたいな
原型ともいえるデフォルメが生みだされた
のですよねぇ。
そして、
なにより
この方の業績としてもっとも卓越していたものは、
『ラッキースケベをメジャー化』させた、
そういう
デフォルメ表現、
物語の中での位置づけ、
エピソードの役割などの
各種方法論を確立したこと。
これが、
後々の
アニメ、マンガに多大な影響を与えました。
というか、
分岐点を作り上げた。と言ってもいいほどの影響を及ぼしました。
この方の作品以前にも
『ラッキースケベ』的な内容を扱った作品は
多々存在しましたけど。
それらと
この方の作品が決定的に異なっていたのは、
性的関心を恋愛の中の一プロセスとして
日常的な一コマに落とし込みつつ。
破廉恥になりがちな内容を、
デフォメルによって、
明るくポップでキュートな様式美にして。
セックスの卑猥なイメージをごっそりそぎ落とし、
メジャーな表現として確立した。
そのデザインセンス。
従来作品では、
『笑い』に落とし込んで『猥褻』さを薄めていたので。
どこが雑でドぎつい演出になりがちのものを、
笑いよりも、
明るくキュートな様式美として定型化してしまう、ことで。
デフォルメ的な『かわいらしさ』を最優先した表現として成立させた。
この
普遍的なスタイルを作り出した
その才能は圧倒的でした。
業界の片隅に身を置く者として。
この方がいなかったら、
今のサブカル業界のあり方は全くの形になっていただろう、
と確信しています。
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ただ、
漫画家として
この方が残した
著名な作品となると、
唯一完結している『きまぐれオレンジ☆ロード』の
名前だけになってしまうのが
大変残念です。
他にも
いくつか手がけたものがあるのですけど、
惜しいことに
体調不良で仕事を長期間続けられず、
どれもこれも中断されてしまって。
単発での
イラストデザインなどで、
たまに表に出てくるだけ、
という。
持病さえなければ、
もっともっと活躍されていたのは間違いありません。
一ファンとして、
次の作品を読みたかったですねぇ。
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長い間お疲れ様でした。
漫画家まつもと泉さんが死去、６１歳…「きまぐれオレンジ☆ロード」
１９８０年代に大ヒットした漫画「きまぐれオレンジ☆ロード」を手がけた漫画家のまつもと泉さんが、６日死去した。６１歳。葬儀は近親者で行った。
富山県出身。１９８２年にデビューし、８４年、男女の三角関係をコメディータッチで描く「きまぐれオレンジ☆ロード」の連載を「週刊少年ジャンプ」で始めた。同作は国内外で人気を集め、アニメ化もされた。
公式サイト「ＷＡＶＥ ＳＴＵＤＩＯ」などによると、４歳の頃に交通事故に遭ったことが原因で、頭痛やめまいに襲われる「脳脊髄液減少症」を長年患っていた。数年前には心臓の手術も受けていた。
『まつもと泉についてWAVE STUDIOから皆さまへのご報告』
まつもと泉は今月6日午前0時過ぎに、
かねてより入院療養中の病院にて永眠いたしました。
これまで公私に亘ってお付き合いをいただきました方々、
そして作品を愛してくださいました方々に
心より御礼を申し上げます。近年のまつもと泉は脳脊髄液減少症による不定愁訴に苦しみながらも
仕事復帰への意欲に燃えて闘病を続けてまいりましたが
数年前に手術をした心臓にも不安を抱えており、
残念ながら身体が保たなかったようです。
ただ医師によりますと、苦しむことなく睡眠中に
そのまま安らかに旅立ったとのことでした。なお葬儀はすでに近親者のみで執り行いましたので、
お供えやご香典はご辞退いただきたくお願い申し上げます。略儀ながら書中をもちまして、
まつもと泉についてのご報告とさせていただきます。
あらためまして生前お世話になりました皆さまに
感謝をお伝えしますとともに
今後ともまつもと泉の作品を広く楽しんでいただけますよう
お願いをいたします。WAVE STUDIO
