いやぁ、
いつかはこうなるだろう、と思っていましたけど。
早かったですねぇ……
日本上陸から、
2年? 3年?
日本市場、アニメ制作スタジオと具体的に接触してから。
まだ5年も経っていないのに。
向こうサンは手が早い。
決断が早い、というべきか。
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この件について、
日本政府の支援不足を責める人がいますけど。
それは筋違いです。
そもそも日本のアニメ制作は
『私企業』の活動なので。
政府が直接どうこうする話じゃないんですよねぇ。
業界が意見をまとめて陳情するのなら、
政府も助力を惜しまないのですけど。
制作会社とか販社とかテレビ局とか、
それぞれが自分の都合で好き勝手に要求を出していたら、
政府としても
じゃあ、
どこに焦点をあてて支援すればいいのか。
日本政府が
養成所を作ったとしても、
それが
企業の雇用を確約するものではないですからねぇ。
今回の
Netflixは、
養成所卒業→自社採用、と一貫していて。
いわば
社員教育用の専門学校ですよ。
日本政府直轄では
これは実現不可能です。
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それなら、
日本の民間企業でこういう今回ニュースになったような。
次世代のアニメ制作者を養成、育成できるような場所を作れる、
そういう会社がないのか。
というと……
ないんですよねぇ(涙
いやぁ、
今はなくなってしまった、
というべきでしょうか。
かつてはあったのですよ。
『東映動画』とか……
今の東映アニメーションとか。
膨大な数のアニメ制作部門を抱えて、
たくさんのアニメーターを養成していました。
けど、
採算が合わない、との判断で。
日本国内の制作部門を縮小、アニメーターを解雇。
そして、
制作部門を海外に移転して、
海外でアニメーターを養成しています(笑
あと
東宝とか角川とかバンダイとか、
SONYとか、ビクターとかパイオニアとか、
他にも、
テレビ局系の
アニメ販売権制作元がいくつかあったのですけど。
バブル崩壊後の
日本経済の凋落にともなって。
どこもかしこも
日本国内で制作スタジオを抱えるのをやめて。
必要に応じて、
作品毎にスタジオを契約する方式に切り替え。
制作現場は
個人事業主規模で乱立状態。
どんどん
ガラパゴス化して、
今に至っていますw
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実際、
人を育てるのって、
10年単位なので。
相当な財政基盤がないと成り立たないんですよねぇ。
Netflixも、
今までは外部委託買い取りだったのですけど。
それだと、
新規参入してきた競合他社との競争に勝てなくなってきて。
世界市場を相手に、
コンテンツ不足の解消が
会社生き残りを懸けた命題なので。
だから
そこに経営資源全プッシュ、ってのが
経営方針になっているので。
今回の決断に
踏み切れたのでしょうけど。
またまだ
コンテンツ不足が明らかですから。
他のプレイヤーと比べて、
長年の蓄積がないですし、
自社制作スタジオも持っていませんでしたからね。
今の
日本の場合と同じように、
制作と販売が
別会社に分かれていた状態を改めて。
長期的な
制作部門の成長育成プランに経営資源を投入してきた、
と。
それに対して、
日本は
過去にそれで失敗して
今の制作と販売別々に至っているので。
制作と販売は別会計に切り離して。
なんとか生き残っている状態ですから。
今更、
一つに戻そう、ってのは
難しいのですよねぇ。
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いま、
日本国内の事業者で、
Netflixみたいな事が事が出来るのは、
安定的な収入を確保している、
『NHK』くらいですよ。
Netflix、日本でアニメーターの育成支援
米動画配信大手のネットフリックスは12日、日本でアニメーター育成支援を始めると発表した。提携を結んでいるアニメ制作会社、ウィットスタジオ(東京都武蔵野市)が4月に開くアニメーター育成塾のカリキュラムを監修し、受講生の生活費と授業料を負担する。卒業生はネットフリックスの独自アニメの制作にあたる。アニメ業界は人材不足が課題。長い目で作品づくりの環境を強化する。
ウィットスタジオが4月に開講する「WITアニメーター塾」で人材育成する。カリキュラムはアニメ制作会社のササユリ(東京・杉並)が運営するササユリ動画研修所が開発、ネットフリックスが監修する。
塾では6カ月間少人数を教育する。原画と原画の間に絵を描く「動画」の技術を伝える。まず4月から9月の受講生10人前後を募集する。日本在住で、3月に高校を卒業見込みか、高校以上を卒業した18歳から25歳までが対象。ネットフリックスは1人月額15万円の生活費と60万円相当の授業料を負担する。
卒業生はウィットスタジオか同じグループのプロダクション・アイジー(東京都武蔵野市)でネットフリックスの独自アニメを中心に動画の業務にあたる。プログラムは継続的に提供できるようネットフリックスは複数年にわたって支援する予定。教育分野を広げていくことも見据える。
アニメ制作業界では技術を仕事の中で磨くのが主流で、体系的に学ぶ環境が不足していたという。アニメはネットフリックスの中でも有力コンテンツで、制作会社やクリエーターと提携するなど制作の枠組みづくりを図っている。