酷い、というべきか。
むごい、というべきか。
危機感なさすぎ、というべきか。
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数日前に起きた、
この事故。
その後、
メディアが次々と取り上げて
続報が出る度に
事故の詳細がどんどん明らかになってきて。
それを見ると、
かなり杜撰な安全管理が引き起こした事件、
というか。
そもそも、
現場の作業員が装置のリスク、危険性を
あまり理解していなかった状況が
見えてきました。
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今回、
多数の死者を出す原因となった、
消火装置は、
近年、
高級マンションとか高層ビルとかの
機械化された地下駐車場など、
車をリフト・コンテナに乗せたら
あとは
全自動で所定の位置まで勝手に運んでくれる、という。
普段、
人が立ち入らない場所で
いったん火災が発生してしまうと、
他にも可燃物が密集していて
飛び火したら大惨事になってしまうような
リスクの高い場所に
かなりの割合で設置されているもの、だとかで。
不燃ガス(主に二酸化炭素、窒素)を
短時間で一気に噴出し
空間に充満させることで
火災を窒息させて消火する、ための装置です。
人が居ない事が前提になっているので。
中に
人が居た場合、
窒息してしまうリスクなどは考慮されていません。
なので、
人が立ち入って作業する場合には、
よくよく
そのリスクを周知徹底させてから
作業に取りかかる必要があるのですが……
その辺の
連絡、説明がおざなりだったのかなぁ。
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この手の
ガス噴出系消火装置にまつわる事故は、
近年、
ちょくちょく起きていて。
都内だけで、
ここ4年の間に
6件の噴出事故で2人が死亡、3人が負傷している、
そうな。
これ、
火災による死傷では無くて、
消火装置の誤作動が原因の事故、
としては。
かなり異例な数字ですよ。
消火装置の誤作動といえば、
だいたいが
警報が鳴る、とか。
消火器みたいな消火剤が噴霧される、とか。
水が出る、とか。
そういう物が圧倒的多数を占めていて。
この手の
二酸化炭素ガスを噴出する消火設備が
普及し始めたのは、
本当にごくごく最近の話ですから。
都内の建物
約3500棟に設置されている中で、
6件の誤作動が起きている状況。
割合で言うと、
0.2%くらい。
火災ではなく
装置の誤作動による
事故発生率としては、
かなり高い数字です。
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ここまで
突出していると、
何かしらの
行政指導が必要だと思うのですが……
天井から濃度数百倍のガス噴出か、誤って接触の可能性…地下駐車場4人死亡
東京都新宿区下落合のマンション地下駐車場で15日、消火設備から二酸化炭素ガスが噴出して作業員4人が死亡した事故で、作業員が石こうボードを張り替える作業をしていた天井付近の噴出器からガスが放出された可能性の高いことが警視庁幹部への取材でわかった。同庁は16日、業務上過失致死容疑で現場検証を開始。作業中にボードが設備に接触するなどして誤って噴出したとみて調べている。
発表によると、死亡したのは足立区の内装工事会社の役員上村昌弘さん(58)(足立区古千谷本町)、兄で同社員の上村昇巨のりきよさん(59)(同区江北)、同社員の大川拓馬さん(27)(住所不詳)、勤務先不詳の相沢学さん(44)(東村山市廻田町)の4人。このほか、同じく勤務先不詳の男性(28)が意識不明の重体。
駐車場は機械で動く立体式で、地上から車を地下1階に下ろし、計24台を収容できる。15~16日の2日間に天井の石こうボード約200枚を張り替える予定で、15日は朝から作業員6人が作業を行っていた。午後5時頃、119番を受けて救急隊が駆けつけた際、30歳代の男性作業員1人は自力で逃げて無事だったが、5人はガスが充満した地下1階に倒れていた。
東京消防庁が駐車場内の二酸化炭素濃度を午後6時前に測定したところ、大気中の数百倍にあたる約21%だった。人が吸い込むと短時間で意識を失い、酸素欠乏症で死亡する高濃度だという。
地下駐車場の天井部分には、消火用の二酸化炭素ガスを放出する消火設備があり、複数ある噴出器の一つからガスが放出されていた。この設備を手動で作動させるボタンは地上1階にあり、防犯カメラを分析した結果、押された形跡はなかったという。
警視庁は、張り替え作業中に石こうボードが設備に接触したり、設備を傷つけたりした可能性があるとみている。
現場責任者の男性によると、天井修繕工事を請け負っていたのは茨城県の建設会社。死亡した4人は下請けの作業員だった。
男性は発生当時、地上にいたが、突然、警報音が鳴り響き、地下に6人いた作業員の1人が駆け上がってきた。作業員が「二酸化炭素が放出された」と話したため、男性が地下に向かって「おーい」と呼び掛けたが、応答はなかった。男性は「修繕工事は特別な作業ではなく、消火設備が作動したのは全くの想定外だった。死者が出てしまい、非常に残念だ」と語った。
一方、死亡した上村さん兄弟の80歳代の父親は16日朝、読売新聞の取材に「内装工事会社は次男の会社で、仕事を始めて今年で約20年だった。こんな事故が起きるなんて信じられない」と肩を落とした。
現場では16日午前、近隣の住民らが警視庁の現場検証の様子を見守った。マンション4階に住む会社員の男性(71)は「自分も駐車場を利用している。4人が亡くなったのは本当にかわいそうで、原因を究明して再発防止に努めてもらいたい」と話していた。
【独自】「天井板はめたら煙が噴出」…地下駐車場死亡、機器か配線に損傷か
東京都新宿区下落合のマンション地下駐車場で15日、消火設備から二酸化炭素ガスが噴出して作業員4人が死亡した事故で、自力避難した30歳代の男性作業員が「別の作業員が噴出器近くの天井板をはめ込んだ際、煙が噴き出した」と話していることが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は、作業中に噴出器かその電気配線を傷つけた可能性が高いとみて、業務上過失致死容疑で調べている。
発表によると、死亡したのは足立区の内装工事会社役員上村昌弘さん(58)(足立区)、兄で同社員の上村昇巨のりきよさん(59)(同)、同社員の大川拓馬さん(27)(住所不詳)、勤務先不詳の相沢学さん(44)(東村山市)。このほか、男性(28)が意識不明の重体。
駐車場は地上1階で車を昇降機に載せ、24台分のスペースがある地下1階に機械で収納する仕組み。警視庁が16日に行った現場検証で、地下1階の天井に二酸化炭素ガスの噴出器が8個設置され、ガスが噴出していたことが確認された。
事故当時、地下1階では作業員6人が天井板を張り替える作業をしていた。消火設備を手動で作動させる地上1階のボタンは押された形跡がなかった。
事故の約1時間後、駐車場内の二酸化炭素濃度は大気中の数百倍の約21%だった。人が吸い込むと短時間で意識を失う濃度で、警視庁が今後、司法解剖を行って詳しい死因を調べる。
東京消防庁によると、二酸化炭素ガスを噴出する消火設備は都内の約3500棟に設置されている。2017年2月以降、6件の噴出事故で2人が死亡、3人が負傷している。