最近、
訃報が続いていますね。
いや、
単に
私の目に留まっているものが多いだけなのかな……
・
・
・
この方の作風はなんというか、
エログロアナーキーというか。
世の中の影に焦点をあてていて。
私にとっては、
衝撃的な内容でした。
代表作『カムイ伝』を見たのは、
子供時代、
小学生だった頃に一通り読了したのですが……
拷問とか、
今でいうリンチとか。
そういう場面が
作品の中に
当たり前のように出てくるんですよね。
江戸時代を舞台にして。
一揆の話とか、磔とか、打ち首獄門とか。
残酷な場面が
容赦なく淡々と描写されて。
特別強調されていたりはしていないのに。
今でも
アレコレ覚えています。
人間って
『グロい』というか
恐ろしい生き物なんだなぁ……と。
そんな風に感じました。
マンガを読んでいて、
というか。
今まで
数え切れないほどの物語を読んできて、
映像にも接してきたのですけど。
人間社会の狂気の凄みを感じたのは、
この方が描いた『カムイ伝』と、
それから
永井豪先生の『デビルマン』『マジンガーZ』
(どちらもマンガ版)だけです。
・
・
・
単に『グロい』だけのスプラッターな物語なら
世の中に山ほどあります。
たとえば近年の戦争映画とかだと、
リアル志向なので
血とか肉片とか腸とか容赦なく飛び散って、
ザクロみたいな死体描写を平然と映していますし。
映像の凄みで言えば、
先に挙げた作品を超える内容はたくさんあるのですけど。
人間が狂った果てを描いた永井豪先生の作品と。
正気の人間が、
各々の立場、役割を全うした結果、
多くの人間がすりつぶされていく、
そういう集団で熱狂した果てを描いた白土三平先生の作品と。
私は、
いまだに
これを超える物には出会っていません。
そのような作品を
世に送り出してくれた事に
感謝します。
・
・
・
謹んで
ご冥福をお祈りいたします。
「忍者武芸帳」「カムイ伝」など歴史劇画で知られる漫画家の白土三平(しらと・さんぺい、本名・岡本登=おかもと・のぼる)さんが8日、 誤嚥ごえん 性肺炎で死去した。89歳だった。告別式は近親者で済ませた。
東京生まれ。父は洋画家の岡本唐貴。紙芝居の創作を経て、貸本漫画に転じ、1957年に漫画家デビュー。「甲賀武芸帳」で作風を確立。忍者を介して農民と権力者の闘いを赤裸々に描いた「忍者武芸帳」を59年から発表、60年安保に挫折感をかかえる大学生にまで読者を広げ、長編漫画の世界に初めて思想をもたらした「唯物史観劇画」とも評された。
64年からは、創刊されたばかりの先進的漫画誌「ガロ」(青林堂)に「カムイ伝」の連載を始め、若者たちの支持を得た。88年からは小学館の「ビッグコミック」誌で「カムイ伝」第二部を連載した。63年、「シートン動物記」「サスケ」で講談社児童まんが賞。千葉県の漁村に住み、アウトドアライフのエッセーも執筆していた。