kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

もう少し[『戦争』について勉強してください ―― 櫻井翔、元日本兵に「殺してしまったという感覚は?」で大炎上するも貫きとおす“使命感”

なんかコメントが炎上しているそうで……
私的に
芸能関係については、
いちいちクビ突っ込んだりしないのですが。
どうも
『戦場』『兵士』を知らずに、
机上の空論でアレコレ語っている人が多いので。
昭和時代に
証言録とか
私家版回想録、自費出版戦記とか。
それらを読み漁って、
それなりに
太平洋戦争の『兵士』とはどんな物だったのか、を
調べてきた一人として。
ちょっと一言書いておこう、
と思いました。



まず結論から言ってしまうと、
炎上しているこの発言
『殺してしまったという感覚は?』
この質問は無意味です。
兵士にこれを聞いても意味が無い。
少なくとも
戦場に立って……
今回の場合、
戦闘機? 爆撃機? に搭乗して
敵と交戦中に、
そんな常識的な事を考えている余裕が無いんですよ。
これは、
一般人でもその場に我が身を置いてみればすぐ理解出来る話です。
例えば、
ゲームでもいいのですけど。
真珠湾攻撃隊の一員になって、
敵艦を爆撃するゲームで、
真珠湾に攻撃突入しました。と、
そこで、
機体にダメージ受けたらプレイヤーである貴方は即死します。
と、
そのような状況で
他の事に気を回している余裕が持てるのか、
って話です。
目の前の目的を達成して、
今の状況から解放されるために行動するだけで
精一杯で。
それ以外の事をアレコレ興味持つ余裕なんてありません。
これが
司令部付きとか
戦場の後方に位置して、
結果が伝えられるのを待っているだけの
佐官、将官クラスになると。
前線からの連絡待ちの間、
アレコレとロクでもない事を考える時間がたっぷりありますから。
色々考えたり出来るのですけど。
戦場に立っている兵士は
その場で考えるのは、
目の前の現実、戦闘をどうやって切り抜けるか、
それだけで。
アレコレ考えたり、
敵兵の事を思うのは、
戦闘を切り抜けて『日常』が回復した後なんです。
(この場合の『日常』とは戦闘以外の普段の生活時間を指します)
『日常』に戻って、
そこであの時はどうだったか、と。
考える余裕が出来て思い馳せるわけです。
だから、
戦場を離れた後で、
味方が死んだように、敵も死んで。
戦死体を見れば、
殺した実感もあるけど。
歩兵でも、
相手が倒れるのを見ただけで『殺した』とか
戦闘中にいちいちそんな実感があるか、というと。
『敵が吹っ飛んだ』とか『倒した』と
見たままに感じても、
『殺した』と
その場で思いつかない限り、
実感なんてないんですよ。
感覚とか総括は『後付け』『後講釈』なんです。



だから
兵隊はこの手の質問を聞かれると、
物凄く答えに困るんです。
戦闘中は『何も考えていない』ってのが
正直な答えだから。
でもそれじゃあ、
相手が望む答えにはならないのだろう、と。
聞かれた兵隊は判っていますから。
相手は、
兵士が日常に回帰した後で、
自分の行動をどのように捉えているのか、
『常識』に照らし合わせてどう解釈して、
位置づけているのか。
それを問いただしたいのだ、と。
質問の意図は分かっても。
それは
戦場を離れた後に思いついた答えであって。
戦場の中での感情ではない。
戦場で思いつく内容、感情なんて、
本当に
その当人次第で。
飯の事だったり、家族の事だったり、戦友の事だったり戦果の事だったり、
武器の調子だったり、部隊の事だったり、敵の様子だったり、
とりとめがないんですよ。
まさに『思いつき』そのもので。
そこに
合理的な思考、思索は存在しないんです。
だから
答えに困る。
戦場の現実、兵士の実情を知っている人間なら。
そもそも
こんなバカな質問、尋ね方はしない。
それじゃあ、
実情を知らない、勉強すらしてこない
『素人』に
どう言ったら戦場の現実、当時の事実を理解して貰えるか。
戦争を知らない視聴者の立場から
このような
単純な質問の投げ方になったのだとしたら
誤解させることなく
事実を伝えるのにはどう答えるのが最適解なのか。
悩んでしまうんです。



この手の
質問者側、インタビュワーの無知で、
兵士が回答に悩み困る心情ってのは。
昭和時代に発行された
回想録とか回顧録とか、
証言集とかにもたくさん出てきます。
この場合の
インタビュワーとは
メディアの人間に限らず、
家族であったり。親族だったり。知人であったり。
戦場経験のない人達で。
そういう人達に
自分が何をしてきたのか、
正しく話そうとしたら。
『戦場』とは
どういう場所なのか。
そこから説明していかないと、
それを体験していない人には、なかなか理解して貰えない。
だから、
かつての戦友とか
『戦場』について共通理解がある仲間ウチでしか
事実を語れなくなる。



で、
話を
書きたかった事に戻すと。
櫻井翔さんの質問は、
生の言葉を何も引き出していない。
これが
事実です。
質問を受けた時点で言葉につまったのは、
『この人何も判ってないな』
『ここで事実を答えても正しく伝わらない。理解してもらえないな』と
直感的に悟ってしまったから。
戦場と日常のギャップを理解できるように誘導して、
それでようやく
意味ある質問になるのに。
そこをすっ飛ばして尋ねてきても、
何をどう答えたらいいのか。
とても一言、二言で答えられる内容ではない。
ヘタな事を言って誤解されても困る、
と。
悩んで考えたすえ、
戦場を離れた場所で客観的に見た場合、
兵士とはどのように見える存在なのか。
極めてありきたりで無難な説明をまとめて
答えました。と。
そういう結果ですよコレは。
無神経とか無礼、ではなくて
稚拙。
説明するべき内容を幾つもすっ飛ばして
尋ねられても、
聞かれた方は
正しく答えようがありません。
ビデオの尺の都合で
こうなったとしても。
仮に、
台本があって、
質問を整理した上での受け答えだったとしても。
あまりにも酷い。

 

 

 

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櫻井翔、元日本兵に「殺してしまったという感覚は?」で大炎上するも貫きとおす“使命感”

 12月6日放送の日本テレビ系情報番組『news zero』でキャスターを務める嵐・櫻井翔(39)が大炎上している。

櫻井翔が大炎上も背景にある「遺族の気持ち」
「今月8日、太平洋戦争から80年が経過するということで、その発端となったアメリカ・ハワイの真珠湾攻撃で魚雷を投下する電撃機の搭乗員として参加した男性に櫻井さんが取材することになりました。
 特集冒頭、櫻井さんは『戦争は絶対にしてはいけない……太平洋戦争を経験した方を取材するたびに必ず出てくる言葉です』とも話した上で、今回の取材VTRが流れました」(テレビ局関係者)
 この放送で櫻井は現在103歳の元搭乗員・吉岡政光氏へ直接取材を敢行した。吉岡氏とともに茨城県の日本立体を見学し、攻撃機のレプリカに櫻井が乗り込む様子なども放送された。そして吉岡氏の自宅で当時の話をインタビューする流れに。
 櫻井が「出撃のときの気持ちは覚えていらっしゃいますか?」と問いかけると、吉岡氏はハワイで「全軍出撃」となるまでの流れを説明。
「(アメリカの)白い洋服を着た兵隊がたくさん乗っていた。それをちらっと見ながら操縦員が“よーい、撃て”」と吉岡氏は続ける。
 そして「私が持っている魚雷を落とす投下索を引っ張って」と魚雷投下寸前までを詳細に語った。
 すると櫻井は「そういうときはどういう気持ちなんですか?」と質問。
 吉岡氏は「魚雷が当たったということで非常に安心しましたけど」と答えた。
 その後、吉岡氏が放った魚雷で米軍艦ユタが沈没し、真珠湾攻撃ではアメリカ戦艦など6隻が沈没し、民間人含む約2400人が死亡したという櫻井のナレーションのもと、その当時の映像が差し込まれる。
 インタビュー映像に戻り、櫻井は「戦時中ということはもちろんなんですけど」と前置きした上で、「アメリカ兵を殺してしまったという感覚は、当時は?」という質問を投げかけるが、吉岡氏は「いや……」としばらく言葉を詰まらせてこう答えたのだ。
「……私は『航空母艦と戦艦を沈めてこい』という命令を受けているんですね。……『人を殺してこい』ってことは聞いてないです。従って、命令どおりの仕事をしたんだ。もちろん人が乗っかっていることはよくわかっていますけど、しかし、その環境というのは私も同じ条件です」
 すると、櫻井の「アメリカ兵を殺してしまった……」という質問にネット上は批判の声が殺到する。

櫻井翔が元日本兵の方を人殺し扱い。もし自分がこういう無神経な質問されたらその場でブチ切れそう》
《自分で考えたのか台本なのか。温室育ちのアイドルにインタビューさせるからこんな質問でるんだろうが。とりあえずドン引き》
《正直キャスターとしてもアイドルとしてもゴミだということが周知されればいいのに》
 櫻井のこの発言で傷ついた人が多くいるのは事実かもしれない。加えてアイドルがキャスターの真似事をしたと思う人もいるだろう。ただ、櫻井を中傷する多くのネット上の声は、彼があまりに無知で、軽い気持ちで質問したと捉えているものが大半だ。
 しかし、彼の戦争への思い入れは尋常ではない。
 12月7日発売の『Newsweek日本版』では「櫻井翔と『戦争』 戦没した家族の記憶」と題し、約2万5000字のレポートを記している。

思い入れの強い2万5000字
 国内外、訪れた先で必ず戦争資料館に赴いているという彼は、冒頭でこう綴っている。《なぜ私が戦争について取材をし、伝えなければならないと思っているのか。それは、私が遺族だからです》
 そう始まった櫻井のレポートは、26歳の若さで戦死した大伯父について多くの証言や資料、写真などを用い、徹底的に調べ上げた内容だ。
 大伯父がどんな覚悟で戦地へ赴き、家族やあったはずの青春に想いをめぐらせ「死にたくない」という恐怖を振り切って戦い、どのように散っていったのかまでを刻銘に書き下ろしている。櫻井が抱いている喪失感は間違いなく遺族のそれと言えるだろう。
 これまでにも櫻井はキャスターとして「戦争」をテーマに多くの取材をしてきた。
 約19万人の日本兵が亡くなった戦地・パプアニューギニアでは“少しでもご遺骨を日本に帰す手伝いができたら”と、這いつくばるように日本兵の遺骨を収集。韓国でも軍事境界線北緯38度線に赴いたり、ハワイでは真珠湾攻撃について退役米軍兵から当時の話を聞いている。
 たしかに『news zero』での櫻井の言葉選びは間違っていたのかもしれない。しかし、アイドルとして、キャスターとして長年発信してきた櫻井が、自分の放つ言葉の影響力を理解していなかったとは考えづらい。
 戦争を経験した人も少なくなり、直接話を聞けず後悔している遺族も多い中、櫻井は103歳の吉岡氏に取材することができた。直接的な言い回しでも、本音を引き出し、戦争を風化させてはいけないという目的意識があったはずだ。
 吉岡氏は、櫻井からの踏み込んだ質問に、前述のように「命令どおりの仕事をした」と答え、たまらない表情でこう続けた。
「ですけれども、……後からはですね。それとは切り離すと、『戦争はしちゃいけない』ということをですね、一番身をもって知っているのは、私たちだと思っています」
 これこそが、櫻井が最も引き出したかった言葉で、戦争を知らない世代に伝えたかったことなのかもしれない。