kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

まるで『パーフェクトストーム』だよ ―― 知床遭難、事故当時に緊迫の無線交信

このヨタ書きは一つ前の続きです。
昨日、
知床で遭難事故を起こした観光船の運航会社『知床遊覧船』が
メディアを集めて記者会見を行いました。
その中継映像を見ていて気になって点ですが、
社長が、
会見の中で
事故当時の観光船との連絡、
無線通信の内容を説明していました。
ただ、
遭難した観光船の無線機は故障していたため、
観光船を所持している運行会社
『知床遊覧船』とは直接連絡がとれず、
他社の船との通信内容を
又聞きして報告を受けています。



この無線通信の内容が、
けっこう重要な事を話しています。
午後1時13分、
「カシュニの滝だが戻るのが遅れる」と無線連絡。
その5分後に
「船首が浸水している」と救助を求める内容になって。
この連絡を受けた他社の船が遭難通報を出した、
と。
事故当時の様子の説明と、
これまで
公表されてきた情報を合わせると、
そういう流れになるのですけど。
わずか
5分間で状況が激変しているんです。
5分の間に、
救助要請を出すような事態が発生した、というか。
発生したから、
5分後すぐに無線通信で救助要請を出した、
と。
そういう流れですよ。
ここは
今のところ
そのような解説を出している人はいませんけど。
遭難した観光船の通信記録として公表されている情報では
5分ごととか
頻繁な間隔で他社との無線通信を繰り返していたのではなくて。
必要なときにだけ
無線連絡をしていたような記録になっていますから。
前回無線連絡してから5分後という
直後に
再度連絡を入れた、ということ。
5分で通信を入れなければならない、
緊急事態が発生した事がうかがえます。



では、
いったい何が起きたのか。
その手がかりが、
通信連絡があった時刻、
午後1時頃の現場海域の状況、波の高さにあります。
この当時の現場海域は
波の高さが2メートルを超えていたそうで。
これを聞いて、
私は真っ先に、
『あ、これパーフェクトストームだ』と思ってしまいました。
ここで言うパーフェクトストームというのは、
最近よく使われている
金融危機』を指す言葉ではありません。
この言葉、
『複数の厄災が同時に起こり、破滅的な事態に至ること』との意味で
ここ最近では
アメリカメディアが
金融危機を表す言葉として使っていたりして。
それが広まって一般化しています。
でも、その使い方のもともとは
北大西洋上で三つの嵐が重なり、
巨大な高波が発生して漁船が沈没した
1991年の事故を描くノンフィクション小説のタイトルに用いられた
言葉から
とられているんです。
で、
このノンフィクション小説は映画化されています。
この映画のタイトルが小説のタイトルをそのままとって、
『パーフェクトストーム』なのですけど。
『史上最高の金がかかった駄作』なんて酷評された映画なんですけどね。
この映画の内容が、
まあ、
今回の観光船遭難事件のシチュエーションに
かなりそっくりなんです。
小型船が
波が高くなった荒海を航行する場合、
中型船、大型船と異なり
船が小さいため喫水線から甲板までの高さに十分な余裕がないので
横波をくらったら即波に呑まれて転覆してしまいます。
なので、
波に舳先を向けて波を突っ切る、というか。
波を迎え撃って乗り越える形で進まなければなりません。
しかし、
舳先で波を越えられなかった場合、
先端からまともに波をかぶって浸水して沈んでしまうのです。
おそらく、
今回遭難した観光船に起きたのはコレでしょう。
海が荒れてきて
高波が発生する状況になって。
波に向かって突っ切る形に進路を変更。
この時点で
ウトロ港ではなくて
知床半島の岸壁とは逆の西側へ向かう進路になりますから。
大回りする航路になります。
なので、
『戻るのに時間がかかる』という状況になった。
その連絡を入れた直後、
ひょっとしたら
無線通信に気をとられて操船を誤ったのかもしれませんけど。
高波を突っ切ることに失敗して、
波をまともにくらい浸水。
というよりも
船が波に呑まれた状況で、
おそらくこの時点で前から沈没し始めて居る状況です。
操舵室は二階というか、高い位置にあるので
かろうじて水没は免れているけど。
下の前部客室はこの時点で水没が始まっていたんじゃないのかな。
そして、
そのまま海面に飲み込まれる、というか。
舳先から海の中へ潜っていくような形で沈没した。
まさに潜水艦が潜航するような動きで。



もう一つありそうな状況としては、
舳先を波に向けて、
そのまま波に跳ね返されてひっくり返る、
という形もあるのですけど。
今回はそちらではなく、
舳先から浸水して航行不能だと言っていますから。

 

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「船沈む」「救命胴衣を」 知床遭難、事故当時に緊迫の無線交信

「船が前の方から沈んでいる」「救命胴衣を着けろ」。北海道・知床半島沖で遭難した観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」から事故当日の23日午後、発信があった無線の内容が27日、判明した。交信した別の観光船会社の関係者が明らかにした。
 この関係者はカズワンが予定時刻に帰港していないため、運航会社「知床遊覧船」の事務所を訪れ、「船と連絡が取れない」と伝えられて交信に当たった。
 やりとりしたのは2回で、最初は午後1時10分ごろに交信。当初は途切れがちだったが、徐々に内容が聞き取れるようになった。現在地を尋ねると、豊田徳幸船長(54)は「カシュニの滝にいる。戻るのに時間がかかる」と応答。知床遊覧船の事務所に一旦状況を伝えた後、再び連絡を取ると状況は一変した。
 豊田船長は「エンジンが止まって船が前の方から沈んでいる」と説明し、「救命胴衣を着けろ」と声を上げていた。乗客らの話は聞こえなかったという。