kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

またまた出てきましたw ―― 首相会見詳報12月16日

なんというか、
この人岸田首相は
国会が閉幕してから出番が回ってきたw
というか。
俄然、
言動に注目が集まっています。
ってねぇ、
国会閉幕間際に、
唐突に
増税発言と防衛指針の大転換を
発表したら。
そりゃそうなるよね、結果なんですけどねぇ。
いや、
それどうなのよw



ご本人は、
決定事項ではなくて。
来年以降の議論のために
将来的な
喫緊の課題を提起しただけ、

コメント出してますけどね。
それは
その通り嘘偽りのない言葉なのでしょうけど。
国会の外で
いきなり出されてもなぁ。
与党・自民党内で
議論しづらい、
というより
議論すら出来ない空気が支配しているので。
場外戦に打って出て、
強行突破を図った、とか。
そんな流れなのでしょうか。
たしかに、
与野党含めて
国会議員の一部に
有事を前提した国家安保に関する議論をすることはまかり成らん、
的な。
有事勃発をタブー視する人たちが見受けられますけどね。
そういう人たちが要職に就いているので、
正面突破しにくい、というか。
正面突破しようにも
表舞台に立つ前に粉砕されてしまう、とか。
だから、
今回みたいな変化球を使うしかなかった、とか。
この辺の機微は、
この件に関連して
日本国内主要メディアが取り上げている、
というか。
持ち上げている
国会議員のコメントを見れば、
なんとか察せられるので。
同情する部分もありますけど、ね。
それでも、
もうちょっと
なんとかならんかったのかなぁ……

 

www.sankei.com

 岸田文雄首相は16日、国家安全保障戦略など新たな「安保3文書」を閣議決定したことを受け記者会見に臨んだ。防衛力の強化に向け首相は「戦後の安全保障政策を大きく転換するものだ。国家・国民を守り抜く首相としての使命を断固として果たす」と決意を述べた。会見の詳報は以下の通り。

     ◇      ◇      ◇

 本日新たな国家安全保障戦略、国家防衛戦略、および、防衛力整備計画の3つの文書を閣議決定いたしました。私はかねてより、世界は歴史的分岐点にあると申し上げてきました。この30年間、世界はグローバル化が進展し、世界の一体化、連携が進んできました。 しかしながら近年、国際社会におけるパワーバランスの変化などによって、国と国の対立、むき出しの国益の競争も顕著となり、グローバル化の中での分断が激しくなっています。国際社会は協調と分断、協力と対立が複雑に絡み合う時代に入ってきています。その分断が最も激しく現れたのが、ロシアによるウクライナ侵略という暴挙であり、残念ながら、わが国の周辺国、地域においても、核、ミサイル能力の強化、あるいは急激な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなどの動きが一層、顕著になっています。
 今年1年間を振り返っても、5年ぶりに弾道ミサイルがわが国上空を通過いたしました。わが国のEEZ排他的経済水域)内に着弾する弾道ミサイルもありました。
 さらに、核実験に向けた準備の兆候もあります。そして有事と平時、軍事と非軍事の境目が曖昧になり、安全保障の範囲は、伝統的な外交、防衛のみならず、経済、技術などにも広がっています。
 この歴史の転換期を前にしても、国家、国民を守り抜くとの総理大臣としての使命を、断固として果たしていく。こうした決意を持って昨年末から、18回のNSC(国家安全保障会議)4大臣会合での議論を重ね、新たな国家安全保障戦略の策定と、防衛力の抜本的強化を含む、安全保障の諸課題に対する答えを出させていただきました。
 今後、5年間で緊急的に防衛力を抜本的に強化するため、43兆円の防衛力整備計画を実施する。令和9年度には、抜本的に強化された防衛力と、それを補完する取り組みをあわせてGDP(国内総生産)の2%の予算を確保する。そのための安定した財源を確保する。この結論に至る過程においては、国家安全保障局などにおけるヒアリングや有識者会議を通じて、さまざまなご意見をいただきました。
 自公の与党ワーキングチームにおいても、率直かつ精力的な議論をいただきました。さらに、日本維新の会や国民民主党からもご提言をいただきました。
 日本と国際社会の平和と安全を願う、全ての皆さまの真摯(しんし)なご協力に感謝を申し上げます。もちろん、国民の命、暮らし、事業を守り抜く上で、まず優先されるべきは、わが国にとって望ましい国際環境、安全保障環境を作るための外交的努力です。
 今後とも、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を重視しつつ、日米同盟を基軸とし、多国間協力を推進する、積極的な外交をさらに強化していきます。同時に外交には裏付けとなる防衛力が必要であり、防衛力の強化は外交における説得力にもつながります。
 その上で今回、防衛力強化を検討する際には、各種事態を想定し、相手の能力や新しい戦い方を踏まえて、現在の自衛隊の能力で、わが国に対する脅威を抑止できるか。脅威が現実となったときに、この国を守り抜くことができるのか、極めて現実的なシミュレーションを行いました。率直に申し上げて、現状は十分ではありません。
 新たにどのような能力が必要なのか、3つ具体例を挙げたいと思います。1つ目は反撃能力の保有です。これまで構築してきたミサイル防衛体制の重要性は変わりません。しかし、極超音速滑空兵器や変則軌道で飛翔(ひしょう)するミサイルなど、ミサイル技術は急速に進化をしています。また、一度に大量のミサイルを発射する飽和攻撃の可能性もあります。こうした厳しい環境において、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力となる反撃能力は、今後不可欠となる能力です。
 2つ目は、宇宙、サイバー、電磁波などの新たな領域への対応です。軍事と非軍事、平時と有事の境目が曖昧になり、(軍事と非軍事を同時展開する)ハイブリッド戦が展開され、グレーゾーン事態が恒常的に生起している厳しい安全保障環境において、宇宙、サイバー、電磁波などの新たな領域でもわが国の能力を量、質両面で強化していきます。
 3つ目は南西地域の防衛体制の強化です。安全保障環境の変化に即して、南西地域の陸上自衛隊の中核となる部隊を倍増するとともに、日本全国から、部隊を迅速に展開するための輸送機や輸送船舶を増強します。これは万一、有事が発生した場合の国民保護の観点からも重要です。さらに尖閣諸島沖縄県石垣市)を守るための海上保安庁の能力増強や、防衛相による海保の統制要領を含む自衛隊との連携強化といった取り組みも進めていきます。
 こうした取り組みをはじめ、弾薬などの充実、十分な整備費の確保、隊員の処遇改善などを含め、今後5年間で、43兆円程度の防衛力整備計画を実行します。計画の着実な実行を通じて、自衛隊の抑止力、対処力を向上させることで、武力攻撃そのものの可能性を低下させることができます。
 また、防衛力だけでなく、総合的な国力を活用し、わが国を全方位でシームレス(切れ目なく)に守っていきます。このため、海上保安庁の能力強化、経済安全保障政策の促進など、政府横断で早急に取り組みます。そして、これらの取り組みも踏まえ、防衛力の抜本的強化を補完するものとして、研究開発や公共インフラ整備に取り組むなど、総合的な防衛体制を強化します。
 以上の防衛力の抜本的強化と、それを補完する取り組みをあわせて、令和9年度には現在のGDP(国内総生産)の2%に達することとなるよう、予算措置を講じてまいります。NATO北大西洋条約機構)をはじめ、各国は安全保障環境を維持するために、経済力に応じた相応の防衛費を支出する姿勢を示しており、こうした同盟国、同志国などとの連携も踏まえ、令和9年度に向け、取り組みを加速してまいります。
 5年間かけて、強化する防衛力は、令和9年度以降も、将来に向かって維持・強化していかなければなりません。そのためには、裏付けとなる毎年度約4兆円の安定した財源が不可欠です。このため、私はこの春の通常国会から、防衛力強化の内容、予算、財源、この3つを本年末に一体的に決め、国民に明確にお示しするとの方針を一貫して申し上げてまいりました。
 安定的な財源として、財務相に対し、まずは歳出削減、剰余金、税外収入の活用など、ありとあらゆる努力、検討を行うよう厳命をいたしました。結果として、必要となる財源の約4分の3は、歳出改革などの努力で賄う道筋ができました。残りの約4分の1の1兆円強については、さまざまな議論がありました。
 私は首相として国民の命、暮らし、事業を守るために、防衛力を抜本強化していく。そのための裏付けとなる安定財源は将来世代に先送りすることなく、今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応すべきものと考えました。また、防衛力を抜本的に強化するということは、端的に申し上げれば、戦闘機やミサイルを購入するということです。これを借金で賄うということが本当に良いのか。自問自答を重ね、やはり安定的な財源を確保すべきであると考えました。
 今回、一体的に決めるとの方針のもと、与党において熱心な議論が行われ、本日、与党税制改正大綱が決まりました。法人税については、法人税額に対し、税率4~4・5%の新たな付加税をお願いいたします。
 これは法人税率に換算すると1%程度です。また、その際、中小企業への配慮を大幅に強化し、所得換算で約2400万円の控除を設けました。その結果、今回の措置の対象となるのは、全法人の6%弱です。
 所得税については、物価高に賃上げが追いついていない現下の家計の状況を踏まえ、所得税の負担が増加しないようにしています。具体的には、まず、所得税額に対して、2・1%をお願いしている復興特別所得税を1%引き下げるとともに、課税期間を延長し、復興財源の総額を確実に確保いたします。
 廃炉や福島国際研究教育機構の構築など、息の長い取り組みについても、しっかりと支援できるよう、引き続き責任を持って取り組んでまいります。そのうえで、減額分に相当する税率1%の新たな付加税をお願いすることとしております。
 さらに、たばこ税については、1本3円相当の引き上げを段階的に実施をいたします。従来、申し上げている通り、これらの措置は来年から実施するわけではありません。実施時期は現下の経済状況などを踏まえ、令和9年度に向けて、複数年かけて、段階的に実施することとし、その開始時期などの詳細については、さらに与党でも議論を続けて、来年決定することとなります。
 そうであれば、別に、今年決定しなくてもいいのではないかというご意見もいただきました。しかし、将来、国民の皆さんにご負担をいただくことが明らかであるにもかかわらず、それを今年、お示ししないことが、説明責任を果たしたことにはならない。誠実に、率直にお示ししたい。
 そのように判断をいたしました。引き続き、国民の皆さまに、今回の措置の目的、内容を丁寧にご説明するよう努めてまいります。私たちの今の平和で、豊かな暮らしを守るために、また、われわれが未来の世代、未来の日本に責任を果たすために、どうかご協力をお願いいたします。
 安倍(晋三)政権において成立した安全保障関連法によって、いかなる事態においても切れ目なく対応できる態勢がすでに法律的、あるいは理論的に整っていますが、今回、新たな3文書を取りまとめることで、実践面からも安全保障体制を強化することとなります。
 まさに、この3文書とそれに基づく安全保障政策は、戦後の安全保障政策を大きく転換するものであります。もちろん、これは日本国憲法国際法、国内法の範囲内での対応であることはいうまでもありません。非核三原則専守防衛の堅持、平和国家としての日本の歩みは、今後とも不変です。
 こうした点について、透明性を持って国民に説明するのみならず、関係国にもよく説明し、理解をしてもらう努力を続けてまいります。以上、日本を守るための防衛力強化などについてご説明させていただきましたが、防衛力の強化は、国民の皆さんのご協力とご理解なくしては、達成することはかないません。
 われわれ一人一人が主体的に国を守るという意識を持つことの大切さは、ウクライナの粘り強さがよく示しています。わが国の安保政策の大きな転換点に当たって、われわれが未来の世代に責任を果たすために、国民の皆さまのご協力を改めてお願いを申し上げます。ありがとうございました。


記者会見は岸田文雄首相の冒頭発言が終わり、記者団との質疑応答に入った。


■■
 増税を決定したプロセスについて聞く。首相の方針と与党内、国民との意識の間にギャップがあるのではないか。決定、プロセスに問題はなかったと思うか

□□
 プロセスについて問題があったとは思っておりません。(安保)3文書や防衛力の抜本的強化については、通常国会ではなくして、昨年の末から議論を始めています。昨年の末から議論を始め、先ほども申し上げましたが、18回にわたりましてNSC(国家安全保障会議)4大臣会合で議論を重ねてきました。また、国家安全保障局においてもヒアリングを行う、また有識者会議を開かせていただきまして、さまざまな意見をうかがってきました。
 その上で先ほど申し上げたように防衛力強化の内容、予算、財源、この3つを本年末、一体的に決め、国民に明確にお示しするという方針、これは春の通常国会のときから国会においても、また度々会見の場においても一貫して申し上げてきたところです。3文書や防衛力の強化については、政府における議論、また有識者からのご意見などを踏まえ、政府としての考え方を整理したうえで、与党にお示しをし、それを基に自公の与党ワーキングチームにおいて率直かつ精力的な議論が行われてきました。
 財源につきましても、そもそも予算につきましても、こうした内容の議論と並行して、どれほどの規模が必要なのか、こうしたことを政府として議論を行い、整理をした上で与党に対してお示しをさせていただきました。そして財源についても考え方をお示しした上で、与党の税制調査会において議論をお願いしたということであります。
 大変、この大きな議論が行われたと聞いておりますが、その議論を経て与党税制調査会として結論を出していただき、(与党税制改正)大綱をまとめていただいた。それに基づいて政府としても与党のプロセスをしっかり経たうえで、閣議決定を行った。こうしたことでありました。
 このように3文書、あるいは防衛力の抜本強化に向けては、1年以上にわたる丁寧なプロセスを行ってきたと考えております。問題があったとは思っておりませんが、しかし、国民の皆さまからさまざまな意見や指摘がある。このことは政府としても引き続きしっかり受け止めなければならないと思います。引き続き丁寧な説明については、政府として心がけて実行していかなければいけない。説明を続けていきたい。このように思っております。


■■
 これほどの防衛力の強化、防衛政策の転換を行う理由、背景は。国家安全保障戦略では中国の軍事動向に関して「最大の戦略的挑戦」と位置付けた理由は

□□
 まず1つ目の防衛政策に関する背景、理由ということにつきましては、冒頭の発言でも申し上げたように、わが国を取り巻く安全保障環境、極めて急速に厳しさを増していると感じています。わが国周辺の国、地域においても核・ミサイル能力の強化、急速な軍備増強、力による一方的な現状変更の試みなど、こうした動きが一層顕著になっています。
 先ほど申し上げましたが、この1年間振り返っただけでも5年ぶりに弾道ミサイルがわが国の上空を通過する。また、わが国のEEZ排他的経済水域)内に着弾する弾道ミサイルもありました。また、極超高速滑空兵器ですとか、変則軌道のミサイルですとか、こうしたミサイルを巡る技術、これも急速に進化をしています。
 その中にあっても国民の命や暮らしを守る。政治にとって最も大切な責任をしっかり果たすことができるのかどうか。これはこのいま一度、真剣に考えなければいけない大変重要な課題であると考えました。これも先ほど申し上げましたが、安全保障関連法によって法律的、理論的にはわが国として事態に対応できる。こうしたものは整っていますが、その裏付けとなる防衛体制、これが質量ともに十分なのか、国民の命や暮らしを守るために十分なのか。これを政治としてしっかり考えていかなければいけない。これが1年間にわたる議論の背景にあったんだと思っています。
 こうした国際情勢や考え方に基づいて、防衛力の強化について考えてきた。わが国に対する脅威を本当に抑制できるのか。あるいは脅威が現実となった場合に国民の命を守り抜くことができるのか、現実的なシミュレーションを行った。こうしたことであります。
 先ほど3つの例を挙げましたが、それ以外にもいわゆる継戦能力ということについても、これまで防衛力整備では新しい艦船や航空機などを中心に投資をしてきましたが、十分なミサイルや弾薬、これがそろっていなければ具体的な対応を行うことができない。またそうしたものについても何をどれくらい持てば十分なのかシミュレーションを行い、必要な装備、数量、こういったものを1年間の議論の中で積み上げてきました。
 また、部品が不足して動かせない戦闘機や輸送機が数多く存在する。こうした現実の中で十分な整備費、これも投入しなければいけない。こうした議論も積み重ねてきたわけです。さらには今後、ゲームチェンジャーになり得るといわれている無人アセット(装備)防衛能力。こうしたものについてもこれまで十分な投資をしてこなかった。こうした分野についても防衛力整備計画の内容。この国を守り抜くために緊急的に整備することが不可欠であるという議論を行い、この文書をまとめた。こうしたことであります。厳しい安全保障環境の中であらゆる選択肢を排除せず、現実的な検討を積み重ねてきたということです。
 ご質問の後半の中国についてですが、現在の中国の対外的な姿勢、軍事動向などについては、わが国の平和と安全および国際社会の平和と安定を確保し、法の支配に基づく国際秩序を強化する上での挑戦と認識をしております。戦略的な挑戦としているのは、わが国の平和と安全および国際社会の平和と安定の確保のみならず国際秩序を強化する上での挑戦が、多岐にわたる分野においてのものである。こういった認識に基づいてこうした文書の記述とさせていただいております。
 同時に国家安全保障戦略においては日中両国は地域と国際社会の平和と繁栄にとってともに重要な責任を有していること。そして安定的かつ…失礼。建設的かつ安定的な関係を構築していくことは、インド太平洋地域を含む国際社会の平和と安定にとっても不可欠であるということ。さらには経済、人的交流などの分野において、この日中双方の利益となる形で、協力は可能である。こうしたことについても国家安全保障戦略において明確に記述をしている。こうしたことであります。中国との関係、中国の記述ということについては、こういった内容となっております。以上です。


■■
 安保3文書には防衛装備移転三原則の運用指針の見直し検討が盛り込まれた。どう進めるのか。また、3文書改定に至った思いは

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 まず防衛装備移転に関する質問ですが、インド太平洋地域の平和と安定を確保し、そして、わが国にとって望ましい安全保障環境を創出するとともに、ウクライナのような国際法に違反する侵略を受けている国を支援する。こうした観点から、防衛装備移転、これは重要な政策ツールであると考えます。加えて、その防衛力そのものといえる防衛産業の基盤の、維持強化にも効果的である、こうした側面もあると認識をしています。
 今後のスケジュールというご質問もありましたが、装備移転三原則、それから運用指針をはじめとする制度の見直しについては、与党と調整を丁寧に進めながら結論を出していかなければならない課題であると認識をしています。この課題の重要性はしっかり指摘をした上で、具体的な対応については、引き続き与党と調整を行っていきたいと思っています。
 また、反撃能力についてでありますが、ご指摘のように、この反撃能力については、私の考え方も申し上げてきたところでありますが、そうしたものも含めて、政府として、今回3文書を取りまとめるに当たって国民の命や暮らしを守るために、あらゆる選択肢を排除せず、議論をする、こういった姿勢で議論を行ってきました。
 その中にあって、反撃能力、現在のミサイル防衛システム、これはもちろん大事であり、より強化していかなければなりませんが、反撃能力ということについても、われわれは考えていかなければいけないのではないか、文章の中で、そうした内容を盛り込むに至りました。
 こうした考え方をどのように具体化していくのか、これから引き続き問われます。ぜひ、こうした考え方について、今回、3文書の策定によって整理をしたわけでありますから、それに基づいて、国民の命を守るために必要な措置、具体的にどうするかしっかり考えていきたいと思っています。


■■
 3文書では自衛隊と米軍による主力強化が盛り込まれた。今後、日米防衛協力の指針(ガイドライン)の改定を進めていく考えは。沖縄での陸上自衛隊の部隊増強が盛り込まれ、米軍の負担を減らすべきだとの声が出ている

□□
 日米ガイドラインの扱いについては現時点で何ら決まっていることはありません。まずは今回、策定した3文書を踏まえ、日米間のあらゆるレベルで緊密な協議を行ってまいります。
 いずれにせよこの国家安全保障戦略においても、日米同盟は、わが国の安全保障政策の基軸であり続ける。このように記しているように、引き続きさまざまな分野における、日米防衛協力をさらに推進し、日米同盟の抑止力、対処力を一層、強化していきたいと思っています。
 そして、沖縄をはじめ、地域の皆さま方に対する説明ということでありますが、安全保障環境は急速に厳しさを増している中、自衛隊の部隊増強により、南西地域の防衛体制を強化していく。こうした考え方を文書の中でも示しております。
 これは万一、有事が発生した場合の国民保護の観点からも重要な考え方であると思っています。同時に、安全保障上極めて重要な位置にある沖縄に米軍が駐留するということは日米同盟の抑止力・対処力を構成する重要な要素であり、現下の安全保障環境では、その重要性はさらに増しているのではないかと考えます。その上で、沖縄の負担軽減を図ること、これは政府の責任であります。米軍普天間飛行場の返還をはじめとする嘉手納以南の土地の返還、あるいは米海兵隊のグアム移転などについて、可能な限り早期の実現に取り+組んでいきます。厳しい安全保障環境、あるいは沖縄の戦略的な意味、こうしたことについて、3文書の考え方について地元の皆さま方に丁寧に説明していく努力はこれからも、しっかり進めていかなければいけない、汗をかかなければいけない。このように思っております。


■■
 反撃能力の保有は、国内外に専守防衛政策の転換点になるのではないかとの懸念がある。なし崩しになる可能性もあるのではないかと思うが、首相の考えは

□□
 昨年末から国民の命や暮らしを守るために十分な備えができているのか。この反撃能力を含め、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討してきたということを先ほども申し上げた通りですが、この検討は憲法および国際法の範囲内で、そして日本の国内法の範囲内で、さらには日米の基本的な役割分担もしっかり維持しながら進めてきた。こうした議論であります。この範囲内で日本が対応していくということ。これはいうまでもないことであります。
 その結果、保有を決定した反撃能力については、その定義がどのような場合に行使しうるかを含め、国家安全保障戦略に詳細に書かせていただいているところですが、その上で申し上げれば、この専守防衛とは、相手から武力攻撃を受けたとき、初めて防衛力を行使し、その対応も自衛のための必要最小限にとどめ、また保持する防衛力を自衛のための必要最小限のものに限るなど、これ憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢というものであり、わが国の防衛の基本的な指針であり、これは今後も変わらないと考えています。反撃能力についてもこの考え方にのっとっており、今後とも、専守防衛、これは堅持してまいります。ご指摘のような懸念については、今後とも丁寧にお答えをしていきたいと考えています。以上です。


■■
 防衛費について国内総生産(GDP)比2%の目標を設定したのはなぜか。財源は個人の所得税負担が増加する措置は取らないとしていたが、与党税制改正大綱には復興特別所得税の期間延長が明記された。どのように国民の理解を求めていくか

□□
 まず前半のご質問ですが、2%ということ。この数字ありきの議論をしてきたということはないということはまず申し上げておきたいと思います。まず行ったのは防衛力の抜本強化の内容の積み上げです。その結果として5年間で緊急的に整備すべき防衛力整備計画の規模と、5年後の2027年度に達成すべき防衛費の規模を導き出したということであります。
 併せてこうした防衛力の抜本的強化を補完する取り組みとして、海上保安能力やPKO(国連平和維持活動)に関する経費のほか、研究開発、公共インフラ整備など総合的な防衛体制を強化するための経費。これを積み上げました。こうした積み上げの考え方が大前提であるということ、これをまず申し上げたいと思います。
 そして一方で、NATO北大西洋条約機構)をはじめ各国は安全保障環境を維持するために経済力に応じた相応の国防費を支出する。こういった姿勢を今示しています。わが国としましても、国際社会の中で防衛力を強化していく。平和と安定を守る上で、国際社会の協力が重要であるということを、この3文書の中でも強調をしています。
 こうした国際社会の協力が重要だという日本の姿勢を示す上で、GDP比で見ることは指標の一つとして意味があると考えているところです。このため、2027年度において、防衛力の抜本的強化とそれを補完する取り組みをあわせてそのための予算水準が現在のGDPの2%に達するよう、所要の措置を講ずることとした。こうしたことであります。
 そしてこの後半の復興財源…じゃなかった。所得税の負担の問題ですが、先ほども申し上げましたが、まずこの復興特別所得税については、復興財源の総額を確実に確保する。これは言うまでもないことでありますが、その上で減税分に相当する税率1%の新たな付加税をお願いすることといたしました。そしてそのことがご質問のように、課税期間をトータルで見れば負担総額が増えるのではないか、ご指摘がありました。
 これはですね。こないだの記者会見でもそうですが、今回も説明の中で申し上げました。現下のこの厳しい経済環境の中で、所得税の負担が増えることはないようにしなければならない。こういったことを申し上げました。今回の措置によって当面、15年後の2037年までは所得税の負担は増加いたしません。
 しかし、その後、課税期間が延びることで2038年以降も付加税が続く。そうしますと負担が出てくるんではないか。こういった議論でありますが、これについては15年先まで経済成長と賃上げの好循環の実現。この経済政策として従来こうした好循環を実現し、持続可能性をしっかりと回復しなければいけない。こういったことを申し上げてきました。
 こうした経済全体の中で、この負担感を払拭できるように、政府として努力をしていく。こうしたことを合わせてやることにより、進めることによって、国民の皆さんの理解を得ていく努力をしていかなければならない。このように思っております。


■■
 国家安全保障戦略には安保を支えるために、経済財政基盤の強化が重要との指摘がある。製造業の国内回帰や海外からの投資呼び込みに向けてどのような方策をとっていくのか

□□
 過去、日本の企業の多くは、円高などによって海外に製造拠点を移転してきた。一方で今、足元では円安基調であり、状況が変わってきているということです。また、経済安保の重要性が認識をされ、サプライチェーン(供給網)の安定性が投資判断に大きな影響を持つようになる中で、安定的な投資先として日本の魅力。これは、ますます高まっていると思います。
 こうした投資環境を生かして、投資を引き出すための呼び水として、先日成立した令和4年度第2次補正予算において、7兆円規模かつ複数年にわたる戦略的な投資支援を盛り込みました。
 半導体、蓄電池、ワクチン、食料などの戦略的な物資の国内の製造拠点整備、これにつなげていきたいと思います。さらに海外からの投資を積極的に呼び込むために、対日直接投資の促進のため、促進に向けた新たなアクションプラン、これを春に取りまとめるとしております。
 先般、国内投資拡大のための官民フォーラムも開催いたしましたが、その際に経団連の十倉(雅和)会長から5年後には、バブル期に匹敵する過去最高水準である、毎年100兆円の投資という見通しが示されたように、日本経済に変革の兆しが見えていると感じています。
 既に日本企業においても製造拠点を日本に戻す動きが見られています。この機を逃さず、日本企業での国内での立地拡大、企業の国内回帰、そして海外企業においても、海外企業の投資拡大に政府として全力で取り組んでいきたいと考えています。


■■
 自民党役員会で首相が防衛費増額の財源確保について「国民が自らの責任としてその重みを背負って対応すべきもの」と発言したと紹介され、上から目線だとの批判が出た。その後、「今を生きるわれわれが自らの責任として」と発言していたと訂正した。発言の真意はどこにあったのか

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 自民党役員会において国民の皆さまの平和で豊かな暮らしを守るために今を生きるわれわれが未来の世代に責任を果たすためにご協力をお願いしたい、このように申し上げました。これが事実であります。しかしその後、それがマスコミの皆さんに伝えられる中で、この批判を浴びるような文言に変わってしまっていた。こういったことであります。
 この発言の紹介の齟齬(そご)については、事務的なミスが原因であると思っています。今後はこのようなことがないよう、徹底をしていきたいと思っています。
 ぜひ私が実際、発言した発言は、どういう発言だったのか。これについてはしっかりと紹介させていただくとともに、その意味はまさにその文章そのものであります。ぜひ、私たちの世代が責任を果たしていくことの大切さを訴えた私の思いを国民の皆さんにもご理解をいただき、ご協力いただきたいと思っております。


■■
 法人増税は賃上げや設備投資などに水を差すという指摘もある。こうした懸念にどう答えるか

□□
 これもですね。度々申し上げておりますが、経済対策と防衛力の強化に対する考え方。これは整理をして論ずる必要があると思っています。私はあの一貫して経済あっての財政という立場を主張させていただいております。だからこそ、つい先日も多額の国債を発行して、39兆円の総合経済対策を講じ、足元の物価高、円安への対策、構造的賃上げに向けた支援、半導体など重点分野への7兆円の投資など、こうしたことを盛り込んだ経済対策をまとめたということであります。
 来年度の予算編成や税制改正においてもGX(グリーントランスフォーメーション)の先行投資ですとか、賃上げ支援、NISA(少額投資非課税制度)の抜本拡充などを進める。また、賃上げや設備投資を進めてまいります。このように賃上げや設備投資。岸田政権における経済運営政策の最重要課題であるこういった姿勢はこれからもしっかり維持をしてまいります。
 しかしながら、今議論しているのはこの国民の命、暮らし、事業を守るために、わが国の防衛能力を抜本強化する。こうした話であります。これについては、責任ある財源を考えるべきである。裏付けとなる安定財源は将来世代に先送りすることなく、今を生きるわれわれが対応すべきものである。このように考えております。先ほど申し上げた、その全体の6%ということ。これは決して、この過小評価しているわけではありません。
 こうした防衛力強化は、シーレーン海上交通路)の確保、あるいはサプライチェーン(供給網)の維持、抑止力の強化によるこの市場撹乱(かくらん)リスクの低減、これはこの経済界にとりましても、この円滑な経済活動に直接資する。こうした課題でもあるということをしっかりご理解いただき、余力のある方々にはできるだけご協力をいただきたい。こういった姿勢で丁寧に説明をさせていただいている。これからも説明していきたい。このように思っております。


■■
 反撃能力について、攻撃着手の確認時ではなく、相手からのミサイル攻撃がなされた場合と定義付けられているが、発射後に限られるということか

□□
 これは当然のことながら、具体的なわが国の安全保障の体制・システムをどう構築していくかということですから、今言ったご質問に答えることは控えなければならないと思いますが、これ、私も外相時代、ずいぶんと国際法について議論を行いました。特に安全保障関連法の議論、担当大臣でしたので、この議論を行いましたが、この国際法上、先制攻撃は国際法違反であります。よってこの着手というのは、論理上は大変重要でありますが、その着手の見極めというのは、いろんなこの説、学説がありますし、この国によってもいろいろな扱いがあります。この辺は大変難しい課題であります。
 しかしその中にあっても、日本は国際法はしっかり守ってまいりますということを申し上げているわけですが、その範囲内でその日本が対応できるような体制を具体的に作っていかなければならない。このように思っています。それ以上、具体的なこの対応について申し上げることは、まさに安全保障の機微に触れることでありますので、私の立場から控えなければならないと思っております。


■■
 防衛費の増強と科学技術がグレーゾーンになりつつある。どう考えるか


□□
 軍事、非軍事の境が曖昧になってきているというのが、国際社会の現実だと思います。その中にあって、各国は総合的な防衛力を考えなければいけない。伝統的な外交・安全保障だけではなくして、技術ですとか、経済も含めた総合的な安全保障を考えていかなければいけない。これが現実であると思います。
 日本としては、憲法国際法、国内法、そして専守防衛をはじめとする基本的な姿勢はこれからも堅持をしていきます。その中で、科学、さまざまな技術をどのように国民の命や暮らしを守るために活用していくのかを考えていく、これは政治の大きな責任だと思います。
 憲法をはじめとするさまざまな枠組みをしっかり守りながら、そうした技術についても考えていくことが、国民の皆さんの安心や理解にもつながると思います。政治としてしっかりと説明責任を果たしながら、必要とする技術などについても、ありようを考えていきたいと思います。それ以上、ちょっと具体的にどうこうは細かくは申し上げません。今、言ったような考え方に基づいて対応していきたい。このように思っています。

■■
 防衛費を今後5年間で43兆円確保する。平和を願う被爆地・広島から際限のない軍拡競争につながるのではないかとの懸念が出ている。「核兵器のない世界」を掲げる被爆地選出の首相としてどう答えるのか

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 改めて政府の考え方を丁寧に説明していかなければならないと感じています。新たに取りまとめる(安保)3文書と、それに基づく安全保障政策は、戦後の安保政策を大きく転換するものですが、先ほど来申し上げているように、平和国家としての日本の歩み、これは全く不変であります。日本国憲法をはじめとする法体系をしっかり守り、その範囲内で考えていくものであります。
 そして、わが国の抑止力・対処力を向上させることで、わが国への現実的な武力攻撃の可能性を低下させる。こうした考え方に基づいて対処力・抑止力を向上していくことが重要であると考えています。さらには、わが国にとって好ましい国際環境を実現するためには、何といってもまずは外交力であります。そして、外交力にはその裏付けが必要です。
 やはり、わが国がこの国民を守れるしっかりとした体制を持っていることが、外交力の裏付けとなる。外交交渉を行う際においても、外交における説得力にもつながる、こうしたものだと考えて、わが国としてこうした防衛力の整備を行っている。このことを国民の皆さんのみならず国際社会にも丁寧に説明をすることによって、わが国が防衛力を強化するというのはどういう意味なのか、何を目指しているのか理解していただく、こういった努力をこれからもしていかなければならないと考えています。
 ご指摘のような懸念に対しても、ぜひ丁寧な説明を行うことによって、なぜ今、私たちは防衛政策について考えなければいけないのか、防衛力を強化していかなければいけないのか、こういったことについての理解につながるよう政府としても努力をしていきたい。このように思っています。