kg_noguの愚痴日記

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けっこう参考になる朝鮮日報のインタビュー記事――「米中による新秩序構築、韓国も参入すべき」

慰安婦問題では、かなり参考になった朝鮮日報のインタビュー記事。
今度は米中関係を基軸にした東アジアの政治的展望について取り上げた物です。

Chosun Online | 朝鮮日報「米中による新秩序構築、韓国も参入すべき」 Chosun Online | 朝鮮日報

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「米中による新秩序構築、韓国も参入すべき」
1カ月を超える日中対立、北東アジアの荒波の中で…
河英善・東アジア研究院理事長

「中国は今、日本は自分たちの相手ではないと考え、米国と、東アジアの新秩序を話し合っている。このような状況で、日本政府が尖閣諸島(中国名:釣魚島)の国有化を決めると、中国は精巧に計算されたやり方で事態を緊迫させ、日本を屈服させた。中国は、米国と正面衝突する直前の段階まで今回の事態を緊迫させるという戦略を持っていたといえるだろう」
河英善(ハ・ヨンソン)東アジア研究院(EAI)理事長は9月23日、尖閣諸島をめぐって激化している日中間の対立について、米中間で「東アジア新秩序」が構築される複合的側面から理解すべきだと語った。
河理事長は「現在、東アジア新秩序は再構築の段階にある。米国と中国を中心にして関係各国・地域が国際的な新秩序をつくり上げているが、韓国は“肘鉄”をくらってでもこれに参入しなければならない」と述べ、韓国が積極的に乗り出すべきだと語った。
――尖閣諸島をめぐる日中の対立が1カ月以上も続いているが、どのように評価するか。
「米国と中国が東アジア新秩序の再構築について話し合う過程で起こった、という点で注目しなければならない。各国の国内政治でのリーダーシップの変化による混乱が原因、と見ることもできる」
――米中関係を念頭に置いた中国の対日戦略とは何か。
「米中間には、初歩的なものだが、ゲームの原則が作られている。こうした原則の下で小さなグループが競り合うゲームが、まさに領土紛争だ。中国は現在の状況を米中間のゲームと見ており、日中間のゲームとは見ていない。尖閣諸島は中国の核心的利益だが、米国と全面的に対立するとはみていなかった」
――「東アジア新秩序」という概念は、なじみのないものに感じられる。
「韓国が注目すべきなのは、米中が共有している部分はかなり多い、という点だ。ヒラリー・クリントン国務長官は今年7月、“既成の権力(Established Power)”と“台頭する権力(Rising Power)”が出合うケースでは常に対立と衝突があったが、米中間では新たな実験ができる、というニュアンスの発言をした。また、今年5月の米中戦略・経済対話で中国の胡錦濤国家主席は、両国間の“新たな大国関係”の形成が新秩序の核心だと語った」
――中国が日本に強硬に対応する背景は何か。
「中国の核心的利益を刺激したと考えているからだ。中国の3大核心利益は、重要性の順位で見ると(1)国内安全保障(2)国際安全保障(領土・韓半島朝鮮半島〉など)(3)国内の社会・経済発展のための安定−となる。この三つの核心的利益を阻害するものは、増強された国力を通じ解決していくという姿勢が、今回の尖閣諸島をめぐる事態で明らかになった」
――中国は、東アジア戦略に関してどのような計画を持っているか。
「10月に確定する習近平体制の基本原則は“先経済(経済優先)”にならざるを得ない。中国は、このままあと10年もすれば、国内総生産GDP)が米国に並ぶだろう。そのときまでは経済優先政策を展開し、どうしても必要なことはやるという“有所作為”の姿勢で臨むということだ」
――日本は今回完敗したという評価がある。
「1894年の日清戦争では、台頭してきた日本が大国の清に勝利したが、今回は違う。日本は急速に変化する現実に適応すべきだ、という評価が多い。長期的には、日本は得るものより失うものの方が多いだろう」
――日本はどういう面でミスを犯したのか。
「現在は、東アジアの中心は米中へと変化している。日本は、ここで新たに自分の立場を設定しなければならないという、極めて難しい状況に置かれている。なのに、こうした状況で日本が現在取っている政策は、余りにも単純だ」
――こうした状況での米国の立場はどのようなものか。
「同盟国との良好な関係を維持しながらも、主権問題には関与しないというものだ。米国は、東アジアで中国と繰り広げるゲームを“ノン・ゼロサム(相手の出方によっては全員が利益を得たり、全員が不利益を被ったりするという概念)”なものと考えている。これは、韓国の11月の大統領選で誰が勝利しても変わらない。米国は、中国を市場経済スタイルに変化させることで、新たな局面をつくろうとしている」
――今回の日中の対立が韓国に与える意味は。
「韓国は日本よりさらに規模が小さい。だからといって、一方的に屈服することはできない。中国の核心的利益に関係する部分では、韓国は全面衝突を避けた方が有利になる」
――文正仁(ムン・ジョンイン)延世大学教授は「中国が甲で韓国が乙」という事実を認めるべきだと語った。
「韓中関係を甲と乙という観点から見るのは、19世紀的な視点だ。韓中間の甲乙ゲームを脱し “丙”という第三の道を進むべきだ。東アジアで生きていく道を、韓国の目で探さなければならない。中国と競争する場合、19世紀のやり方では突破不可能だ。中国はまだ21世紀的な複合国力を養うことができていない、というところに着目すべきだ」
――日中の衝突が韓国に飛び火しないようにするためには、どのような戦略が必要か。
「中国にとっては、チベット問題の方が北朝鮮よりも重要だ。チベット問題は、中国の国内安全保障にかかわる事案と考えられ、中国にとっては最優先の核心的価値にならざるを得ない。韓国が最も重要だと考える北朝鮮の核や統一の問題は、中国にとってはチベットより順位が低いということを理解すべきだ」
――北東アジアでは今後、難しい状況が展開されるようだが。
「こうした状況をうまく回避できなければならない。臥薪嘗胆(がしんしょうたん=将来の成功を期して苦労に耐えること)して軍事力を養うことだけが解法ではない。21世紀には、これよりもっと複雑なモデルでいくべきだ。巨人の肩の上に乗るための戦略が必要ということだ」
――どのような戦略が韓国にとって重要か。
「経済力と軍事力の強化は、韓国が基本的に取り組むべき分野だ。19世紀には、経済力と軍事力は、必要条件にして十分条件の役割を果たした。しかし21世紀には、それだけでは生き残れない。韓国の規模を考えると、複合国力を養うことが重要だ」
――複合国力の概念をどう理解すべきか。
「日中両国を超えるためには、情報と知識を基盤にしなければならない(“多宝塔型複合国力”の図を参照)。その基盤の上で、文化・エネルギー・環境はもちろん安全保障を強化して初めて、国内的国外的にきちんとした政治を推進することができる」
――独島(日本名:竹島)問題に対する具体的な実行戦略は。
「独島は、政治問題化しない方がよい。韓国が既に確保(実効支配)している状況では、“独島は韓国領”と叫び続けるのではなく、これ以上議論にならないよう、友好的な状況をつくり出すべきだ。21世紀には、はるかに複雑な力を掌握していく側が勝利する」
――若手の研究者たちが最近出版した『まだ民族主義なのか』という書籍は「民族主義なき愛国心」を強調しているが。
「そうした主張は、まだ危険だと思う。相手が民族主義を掲げている状況で、民族主義を排除するのは困難だ。今の東アジアには、荒々しい民族主義の対立が存在しており、これを完全に放棄する場合、全てを失う危険に直面しかねない」
――こうした状況で東アジア共同体は可能か。
「東アジアは、アイデンティティーを共有できればそれだけ対立が減っていく。韓中日の3カ国が19世紀のような形で共に生きる場合、掛かる費用は極めて大きい。中長期的に複合ネットワークが構築されなければならない。何よりも、東アジアの諸問題をできるだけ政治化しない方向に持っていくことが必要だ」
――韓中日はそれぞれ何をすべきか。
「3カ国は、特定の事案を政治化すべきでない。これがさらに国内政治によって触発されると厄介だ。多様なアクター(行為者)のネットワークを構築しなければならない」
――大統領選挙まで90日を切ったが、外交・安全保障問題は話題にも上らない。
「今回の選挙は、ひたすら経済民主化、福祉などの国内問題が議論の的となっている。しかし朴槿恵(パク・クンヘ)、文在寅ムン・ジェイン)、安哲秀(アン・チョルス)の各氏のうち一人が大統領になった瞬間、経済民主化のほかにも南北問題や東アジアの新秩序構築が、ほぼ同じ比重で韓国人の暮らしに影響を及ぼすだろう。韓国国民は大統領を経済中心で選ぶが、実際の大統領は南北関係や東アジア新秩序問題にも直ちに対応しなければならない、という状況が懸念される」
――来年政権を取る政治勢力は、何を準備すべきか。
「南北関係や東アジア新秩序問題は、にわかに韓国人の目前に迫ってきたテーマだ。外では大きな戦いが繰り広げられているにもかかわらず、韓国人は経済民主化問題ばかりを議論している。米中関係が新たな新秩序を構築するとき、米中が青写真を描くときには、韓国も作業に参入しなければならない。それには肘鉄をくらう覚悟が必要だ」
――次の政権が取るべきでない政策についてアドバイスするなら。
李明博(イ・ミョンバク)政権ではかなり米国寄りになったため、今回は中国寄りになるべき、という主張はよくない。李明博政権の政策は全て排除するという政策は取らない方がよい」


■河英善EAI理事長とは
今年8月にソウル大学外交学科を定年退任した、韓国の国際政治学会の重鎮。9・11米国同時多発テロ以降の国際社会を「複合変換の世紀」と定義付け、これに対する複合ネットワーク政策の整備を主張してきた。最近は『東アジア共同体』などの著書の中で、韓中日3カ国と米国の問題を集中的に研究してきた。米国ワシントン大学で博士号を取得し、ソウル大学国際問題研究所長、米国学研究所長、韓国平和学会会長などを歴任した。著書および編著書として『21世紀の新同盟:冷戦から複合へ』『国際化と世界化』『韓半島戦争と平和』などがある。

李河遠(イ・ハウォン)記者
朝鮮日報朝鮮日報日本語版

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さて、今度は韓国内のことではないので。
どのくらい、当たるかなぁ。