週刊朝日と橋下の対決に思うこと――週刊朝日が連載打ち切り　「不適切な記述が複数あった」

今日,
気になる記事。
２、３日前から世間を騒がせている、橋下大阪市長と朝日新聞記者、週刊朝日の対決。
その行方が、朝日側の事実上の敗北宣言で幕を下ろす方向へ進んでいることについて。

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「週刊朝日」１０月２６日号に掲載した「ハシシタ　奴の本性」に関する、河畠大四・週刊朝日編集長のコメントは次の通りです。

記事中で、同和地区を特定するような表現など、不適切な記述が複数ありました。橋下徹・大阪市長をはじめ、多くのみなさまにご不快な思いをさせ、ご迷惑をおかけしたことを深くおわびします。私どもは差別を是認したり、助長したりする意図は毛頭ありませんが、不適切な記述をしたことについて、深刻に受け止めています。弊誌の次号で「おわび」を掲載いたします。

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ずいぶんあっさり片がついた、というか……
朝日側は戦う前から負けていたというか……
もともと全然興味がなかったのですけど。朝日側が急遽連載の打ち切りを発表したことで、俄然興味がわいてきました。
第１話を掲載しただけで世間から非難を浴びて連載打ち切りになる記事って、どんなものなのか？
なんで、そんな記事を雑誌に掲載したのだろう？　と首をかしげることしきり。
それで、四方八方手を尽くして、くだんの記事を入手し読んでみましたよ。
と、そこで気になったことを書く前に。
橋下市長のツィートをまとめたお役立ちページをブックマーク。

朝日新聞は血脈主義、身分制度を前提にするのかどうかということ。これは優生思想、民族浄化思想にもつながる極めて危険な思想だ -　2012年10月18日のツイート（橋下徹） - BLOGOS（ブロゴ

意見:こんな週刊朝日や佐野氏と話し合いなどできるわけがない。まさに生きるか死ぬか、勝つか負けるかの勝負になる。 - 10月19日のツイート - BLOGOS（ブロゴス）

さて、橋下市長が今回の週刊朝日の記事について問題とした部分。
ツィートを切り貼りしてみると、
橋下市長は、自ら「育てられた記憶はない」と言っている実父の生き様が市長の人格に影響している、という主張を記事から読み込んで、
その視点で今回の週刊朝日の連載目的を肯定するなら「それはまさに血脈主義そのもの」という論理になって、
「朝日新聞の思想そのものの問題」となり、「個人を重視せず、血脈を重視して、政策論はどうでもよく、血脈を暴くことだけを目的」とする「血脈主義は身分制度の根幹であり、悪い血脈というものを肯定するなら、優生思想、民族浄化思想にも繋がる極めて危険な思想」であって、
「アメリカでの人種差別、ヨーロッパにおけるナチス思想に匹敵するくらいの危険な思想」だと思うけど、朝日新聞はその立場でこういう記事を書いているのか。
と詰問する形にまとまります。
それともう一点、記事内で部落差別のあった地域を特定して報道していることについて。これは部落差別報道になるのではないか。しかしこれは日本では認められていないのではないか？
と、記事がマスコミのタブーに触れたことを指摘します。

それで、朝日新聞と週刊朝日が出した回答は。
マスコミのタブーである、同和地区を特定するような表現を使っていたことは間違いでした。と謝罪コメントを出して。
連載打ち切り、となるのですが。

記事を読んだ感想、読んだ上で事の成り行きを考えると、「……うーん……」とますます首をひねりたくなります。
まず、連載打ち切りの決定打となったのが。同和地区を特定する表現を使ったこと。
これは、一読すればすぐに分かることで。なぜこれを見逃して雑誌を印刷・発売したのか。
だって指摘されて一発アウトのタブーなんでしょ？　これだけ堂々と書かれているのを見落とした、ということは考えられません。
記事がノーチェックだったか。もしくは地名を表記することが差別表現となる認識がなかったか、のどちらかではないか。
圧力団体に抗議されて「人権！」を意識する、というスタンスなのですかね？
そして次に、
橋下市長がこの記事をして「血脈主義そのもの」としていることについて。
結局、何を意図して週刊朝日はこんな記事を書いたのか？
同和地区の具体名を出したのも、橋下市長の実父の噂というか伝聞を書いたのも。それを今の橋下市長とどう繋げるつもりだったのか？
取材意図については何も回答しないまま。
同和問題について謝罪して、連載打ち切り、となってしまいました。
なんだかなぁ……
私としては、橋下市長が告発した「血脈主義だ」という断定のしかたも、どうかなぁ……と思うのですよ。
連載としては第１回目で、実父の話が出てきただけで。この後で実父と橋下市長の本人も知らなかった意外な関係、とかが出てきたり。
…………まあ、記事を書いた佐野氏の意図を最大限好意的に解釈して予想した場合ですけど。
そのヘンの説明も何も無く、とにかく謝罪、連載打ち切り、って。
そんな簡単に辞めてしまえる内容を、なぜわざわざ記事にして。雑誌に載せたのか。
まったく理解できません。

つい先週に起きた、森口教授のＩＰＳ細胞臨床疑惑の時もそうでしたが……
日本のマスコミは、「ジャーナリズム」について、もっとも重要かつ重大な部分がすっぽり抜け落ちているのではないでしょうか。
内容に責任が持てないというのなら、もうすべてフィクションにして、
全部の記事に、
「この記事はフィクションです。登場する団体・人物などの名称はすべて架空のものです。実在の人物及び団体とは一切関係ありません」
と掲載して、事実との関連は読者の判断に任せるのが、良心あるマスコミの対応ではなかろうか。と思ったりするのです。
――そんなマスコミにいったいどんな存在意義があるのか、はなはだ疑問ですけどね。
追記：
ここ最近、日本のマスコミが変じゃないかと思わせてくれた事件
＞マスコミがマスゴミであることを証明した――削除されてしまった記事　http://d.hatena.ne.jp/kg_nogu/20121017#1350403762
＞これはすべて森口教授だけの責任なのだろうか――嘘発見器がピーピー…山中教授に土下座しろ！　http://d.hatena.ne.jp/kg_nogu/20121015#1350258748
追記：
私は、今回の件は物凄く気にくわないのですよ。
何が気にくわないのかって。橋下市長が告発した「血脈主義」という主張。
それに対して朝日側が何も答えずに、「同和問題で騒がせて済みませんでした」と、臭い物に蓋をするように謝罪、連載打ち切りを決定したこと。
結局、この記事で何を伝えようとしたのか、それについては一切語られていない。
連載第１回目で打ち切り決定するほど問題なら。お詫びの記事を載せるだけではなくて。
なぜ、このような記事を掲載するに至ったのか、社内調査して問題点を検証し、公表するべきではないか、とも思うのですけどね。
――いや、魔女狩り裁判にしたくて煽るつもりはなくて。
ＢＰＯ（放送倫理・番組向上機構）などで、番組に問題有り、としたときには検証番組が報道されるのと同じ扱いくらいに。
今回の記事は悪質ではないかと思うのですよ。

でも、橋下市長の「血脈主義」主張が全面的にも正しい、とは思えないので。悶々とするのですけどね。

kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

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