なんというか、一瞬、『東海村』の事故が頭をよぎったニュースでした。
……と言っても、今の若い人は知らないですよねぇ。
あれからもう、17年? 18年?
日本国内で初めて、放射線の被爆によって死者が出た事故です。
悲惨な事故でした。
『フクシマ』の事故みたいに、
甲状腺がどうだとか、癌がどうだとか、追跡調査がどうだとか、
そんな悠長な話ではなくて、
本当にアッという間に病状というか、容態が急変して、
被害に遭われた方が無くなってしまいました。
病状的には、
重度の放射線被曝をした作業員が3人いたのですけども、
そのうちの最も症状が重い人は、
細胞が片っ端から崩壊して機能不全になっていく、とか。
そういう処置なしの状況だったみたいです。
意識が無くなって、
出血が止まらなくなって、
ICUの無菌室で集中治療、輸血をドンドン入れて、
新しい細胞を作るために必要な骨髄移植の手術もして、
手術は成功したのですけども、
それでも、
最終的に容態が好転することはなく……
一時期、というか一瞬は回復したのですけども。すぐに悪化してね、
そのまま……
重篤だった3人のウチ、一人だけは移植手術が成功したあと、
細胞が再生されるようになって助かりました。
詳しいことは、
『東海村JCO臨界事故』で検索すれば、いろいろと情報が出てきます。
不思議なことに、
日本の原発史上、
商業原発『フクシマ』の事故より、
実験炉の方が局所的にクリティカルな事故を起こしているのですよね。
『東海村』もそうですし、
『もんじゅ』もそうですし、
そして今回の『大洗』も……
実働時間などを加味したリスクで言えば、
商業原発の方が遙かにリスクが高いように思えるのですけども……
いったい、どうしてこういうことが起きるのか。
原因究明と対策をしっかりとクリアにしてほしいですね。
私的には、
『加計学園』問題をギャンギャン騒ぐよりも、
この原子力機構での事故について、大きく取り上げて、原因究明と責任追及をしてほしいところです。
『加計学園』問題で、国民が死ぬことはありませんけども、
こっちの「原子力」問題では、ヘタしたら「死人」が出るかもしれない、リスクがありますもの。
それに、
日本国内で、これから原子力発電所の廃炉作業を進めていく方針なら、
今回の事故の原因となった『放射性廃棄物』の取り扱いが、
ごくごく当たり前に、頻繁に扱われるような世の中になるわけです。
その意味でも、
今回の事故は、
単なる『局地的なエラー』として片付けてしまって済む問題はない、と。
感じるのですよ。
ここでしっかりとエラーの原因を洗い出して、対策を立てておかないと、
数年後の重大事故に繋がるような、そんな予感があるのです。
茨城の原子力機構施設で作業員5人に放射性物質付着 - 産経ニュース
6日午前11時15分ごろ、日本原子力研究開発機構の「大洗研究開発センター」(茨城県大洗町)燃料研究棟で、核燃料物質貯蔵容器の点検中に放射性物質を包んだビニールバッグが破裂し、作業員5人が防護服の手足などに放射性物質を浴びた。うち3人は鼻腔からアルファ線を出す核種で3〜24ベクレルの放射線が検出された。内部被曝(ひばく)の恐れがあり、今後時間をかけて調べる。機構は外部への影響はないとしている。
機構によると、放射線が検出された3人は機構職員2人と派遣社員1人。燃料は新型炉で実験済みのプルトニウム酸化物とウラン酸化物で、粉末状のものが飛び散ったという。容器は金属の円筒状で、ビニールバッグは二重になっていた。
原子力規制庁は「今後、保安検査官が再発防止などの処置状況を確認する。被曝量などの報告を待って法令に基づくトラブル事象かどうか判断したい」としている。
燃料研究棟は高速炉用の新型燃料などを研究する施設で、機構はすでに廃止する方針を決めており、現在は研究で使った核物質などの管理をしている。
50代男性の肺から2万2千ベクレル検出 大洗の放射性物質事故 - 産経ニュース
日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)燃料研究棟で6日、作業員5人が放射性物質を浴びた事故で、機構は7日、50代男性の肺から2万2千ベクレルのプルトニウム239が検出されたと発表した。男性は体調不良を訴えていないが、機構によると、最初の1年間で1.2シーベルトの体内被曝(ひばく)になる計算という。機構は放射性物質の排出をうながすキレート剤を5人に投与、放射線医学総合研究所(千葉市)に搬送し、今後の対応を検討する。
機構によると、男性からはアメリシウム241も220ベクレル検出。法律で報告が義務づけられた5ミリシーベルト以上の被曝は確実とみられる。残りの4人はプルトニウムは検出されなかったが、うち2人からアメリシウム241が130ベクレル、12ベクレルがそれぞれ検出された。
同日開かれた原子力規制委員会の会合で、伴信彦委員は「軽微なものではない。作業手順が妥当だったか、半面マスクをしていたのになぜ被曝したのかなど確認が必要だ」と指摘した。
この事故では核燃料物質貯蔵容器の点検中、放射性物質を包んだビニールバッグが破裂し、5人が手足などに放射性物質を浴びた。