kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

なんというか、『普通』の結果を認めない日本人 ―― 米朝会談は、結局のところ「成功」か「失敗」か

12日に、米朝首脳会談があったのですよね。
会談自体は、『拡大会談』という形でアメリカと北朝鮮の首脳以外に、
両国にそれぞれ数人のオブザーバーが付く形で
つつがなく終了したわけですけど……
まあ、
それから日本国内のメディアは一斉に、会談叩きというか、
会談の失敗を喧伝して
日本政府叩きを始めるわけですよ。
なんかもう、
頭のネジ全部抜け落ちてるんじゃないのか、っていうくらい、
お粗末な論調で。
私的には、
なぜこんな阿呆なコメントばかり垂れ流すのかな、
と言うところで、
そろそろ
嗤って見ているのもしんどくなってきたので。
ほとんどテレビは見ないようにしているのですけど。
その中で、
比較的まともな解説を見つけたので、
ブックマークを貼っておこうと思った次第です。

客観的に見て、
この会談をどのように評価するべきかと言えば、
現時点ではそれなりに成功、と言うべきでしょう。
当面の『戦争』を回避することをアメリカと北朝鮮が確認し合って、
そのための条件について北朝鮮が承服し書面としてサインしたわけだから。
最低限の成果はあった。わけで。
そこから、
これからどうるのか、
日本はどうしたいのか、
何を『手に入れ』て何を『諦める』のか。
コンセンサスを作るための議論があってしかるべきなのですけど。
日本国内のメディアはそうならないんですよねぇ。
なんというか、
重度の『安倍ガー病』とでも言えばいいのでしょうか。
日本国内で何の義務も果たしていないのに、
『完璧に成功した会談』を望んで、
揚げ足取りばかりに終始する解説者とかコメンテーターとか、
そんなのばかりなのには、本当に辟易します。
拉致被害者のご家族とか、
直接の利害関係を持つ人達が、
今回の会談の結果について非常に高く評価しているのは、
対照的で。
あと、
北朝鮮問題を長年かけて追いかけている『辺』氏とかも、
当たり障りのないごくごくまっとうな評価を出してますけども。
こういう方たちは、
現場で関係者と繋がっていたりするので、
ごくごく当たり前の評価に落ち着くのですかね。

そういう現場とのパイプもない人達は、
所詮は他人事なので、
自分の気にくわない結果は全否定する、という
日本メディアが持つ『幼稚』な精神性が垣間見えて
ますますメディア不信が募るわけですけども。
まあ、
それは今に始まった事ではないので。
しようがないのかな。
歴史的に見ても、
日本外交って、同じ事の繰り返しを嫌って、博打的な行動に出ることが多いんですよね。
『朝鮮併合』とか『シベリア出兵』とか『満州建国』とか『日米開戦』とか。
現状の打破を目指して進むのはいいんですけど。
成功する確信があったわけではなくて、
どちらかと言えばその場の勢い、という感じで。
とんでもない方向へ進む、というか。他国に負けるな、今風に言えば『バスに乗り遅れるな』的な強迫観念にも似た衝動に突き動かされて。
勝算度外視で突き進んで。その結果、墓穴を掘って抜き差しならなくなる、という。
最近のテレビを見ていると、
どうしてそうなるのか、なんとなく分かった気がします。
後先考えずに、
大言壮語を吐きまくれば、そうなるよなぁ。


ドナルド・トランプ米大統領金正恩北朝鮮労働党委員長との会談は、最終段階まで世界中の人をハラハラさせたが、予定通り6月12日、シンガポールセントーサ島で開催された。
今回の会談の最大の注目点は、北朝鮮の「完全な非核化」である。両首脳の共同声明はその具体的な内容に踏み込むことはなかった。そのため、会談は「成功」したとは言い切れないが、だからといって「失敗」とみるべきではない。
米朝両国の首脳が初めて会談し、今後米朝間で新しい関係を築いていくことと、朝鮮半島で永続的、かつ安定した平和の体制を構築していくために米朝両国が協力していくことに合意したのだから、きわめて大きな成果である。


この合意により、1950年以来の南北朝鮮およびそれぞれの背後にある米国と共産主義勢力の激しい対立は解消され、永続的な平和を実現する道が開かれた。今後両国は「完全な非核化」という最終目標に向かってこの道を歩んでいくことになる。
また、米朝首脳会談が開催されるに至る過程で、朝鮮半島をめぐる緊張が緩和されたことも見逃せない。昨年までの異常で危険な状態と比べると状況はすでによくなっている。今後、米朝両国がこの道を進むにつれ、さらなる緊張緩和が期待できる。
最大の懸案である「完全な非核化」の具体的詰めは今後の協議にゆだねられた。非核化は複雑なプロセスであり、詰めきれなかったことは、やむを得ない。ここで米国側が譲れないのは、「核兵器廃棄の期限を明確にすること」と「効果的な検証の仕組みを作ること」。ただし、それをいきなり一方的に強く主張してしまえば、会談を友好的なムードのままで終えることはできなかっただろう。
核兵器廃棄の期限」については、廃棄にはどうしても一定の時間がかかる。そのことを理解した上で、無制限に時間をかけることは認められないので、期限を設けることが必要になる。また、期限はできるだけ近い時点に設定しなければならない。具体的にいつを期限とするかは、今後の交渉次第である。
もう一つの「効果的な検証システム」を構築するのはきわめて技術的、専門的なことなので、ある意味廃棄の期限設定よりもっと厄介な面がある。しかし、重要な点は、「いつでも、どこでも」査察ができるようにすることである。「軍事施設」を理由に査察を拒否することや、隠ぺいの危険があるからだ。
さらに、北朝鮮の核不拡散条約(NPT)への復帰も必要だ。これが実現すると、北朝鮮は査察を受けることが法的な義務となる。


具体的な内容が明確でない「非核化」への言及としては、いわゆる6者協議の2005年9月の共同声明があった。この合意は、北朝鮮の非核化について国際社会がこれまで到達した最高点であったが、「北朝鮮は、すべての核兵器及び既存の核計画を放棄する」と謳っただけであった。また、検証については、「核兵器不拡散条約及びIAEA保障措置に早期に復帰する」とだけ記載していた。
この共同声明が失敗であったことは周知のとおりである。だから、トランプ・金両氏は前述した二点を含め、共同声明以上の具体的な内容について合意しなければならない。今後の協議において、「核兵器の廃棄」と「検証可能」の具体的内容について合意できなければ、会談は失敗であったとみなされ、「大山鳴動、鼠ゼロ匹」と批判されるだろう。
よく、「完全な非核化」のためにはCVID、すなわち、「完全な、検証可能な、不可逆的な非核化」が必要だという。ポンペオ国務長官もそのような説明をしているが、実は、CVIDも、それだけでは、共同声明と同様具体的内容に欠けるのだ。CVIDはいらないというのではない。必要条件だが、十分条件ではないのである。
一方、米国が北朝鮮に与えるのは「国家承認」である。朝鮮戦争の休戦協定を「平和条約」に転換することとか、「不可侵協定」、「攻撃しないとの保証」などで表現されることもある。
東洋経済オンラインを含む日本のメディアでは、「体制保証」という表現を使っているが、「保証」は与える側が責任を持つことを意味する。北朝鮮の「体制」については、金一家体制であれ、共産主義体制であれ、あるいはその他の体制であれ、米国が「保証」することはあり得ないので、正確な翻訳ではない。


米国政府が使っているのは「regime guarantee(体制保証)」ではなく、「security guarantee」であり、これは「安全の保証」と訳すべきだ。1994年の枠組み合意や前述の2005年共同声明で用いたのは「米国が北朝鮮を攻撃しない」という具体的な表現であり、今回の合意で用いられたのは「security guarantee」であった。なお、トランプ大統領は「security protection」と表現したこともある。
ともかく、トランプ・金会談では、前述した「今後、米朝間で新しい関係を築いていく」との合意で承認問題の方向性が示されたとみられる。
普通に考えれば、米国が北朝鮮を承認する時期は、核兵器の廃棄が完了した時点とすべきであろう。つまり、「北朝鮮による核兵器の廃棄」と「米国による北朝鮮の承認」の2つを最終的なゴールとするべきである。
さらに、トランプ・金会談では、米朝双方の共同作業として、朝鮮戦争終結宣言を行うとの観測も流れたが、これは行われなかった。これだけを取り出すべきでなく、平和条約締結の中で処理されるべきだと考えられたのだろう。
韓国は休戦協定に署名しなかったので、北朝鮮、米国および中国とは違った立場にあるが、平和協定を必要としている点では韓国を別に扱う理由はない。要するに、正式の平和条約は南北朝鮮、米国および中国の4者の間であらためて締結する必要がある。
米国は国連軍を代表していたことや、中国は義勇軍であったことなどの問題もあるが、朝鮮戦争を法的に終結させるためには、この4カ国が当事者となるとみなしてよいだろう。


米国が求める非核化と北朝鮮が求める国家承認はきわめて複雑な問題であり、その詰めのためポンペオ国務長官以下が北朝鮮のカウンターパートと協議を継続することとなった。
トランプ氏と金正恩氏が再度会談する可能性も高い。トランプ氏は記者の質問に対してそのことを肯定していた。70年間こじれたままになっていた関係を正常化するのは簡単なことでない。今回の会談後も協議を継続させるのは、むしろ自然だ。
拉致問題については、トランプ大統領は今回の会談で金委員長に提起したが、結論は得られなかったようだ。これも今後の協議の中でさらに話し合われることとなった。
米朝首脳会談に先立つ7日、安倍首相はトランプ大統領との会談後の記者会見で「拉致問題を早期に解決するため、私は北朝鮮と直接向き合い、話し合いたい。あらゆる手段を尽くしていく決意だ」と発言した。いままで「圧力」一辺倒であったが、情勢の変化に合わせてこのような姿勢を打ち出したことは評価できる。
日本政府は拉致問題の解決のため、トランプ大統領に助力を要請したのは現実的な方策であったが、自ら努力することも絶対的に必要だ。今後、日本政府は安倍首相の発言通り、金正恩委員長と直接話し合うことによって、早急に解決を図るべきだ。
北朝鮮は、「拉致問題は解決済み」と主張しており、ストックホルムで合意された特別調査はすでに完了したとの立場である。一方、日本政府は、調査が続けられるものとの認識である。この認識の違いを解消することがまず必要になるだろう。