昨日は、
臨時国会の最終日。
これで
今年の国会会期はすべて終了、
ということで。
今年の
国会活動総括、と同時に。
新生岸田政権の総括を兼ねる形で、
岸田首相が
記者会見を行いました。
ということで、
全文文字起こしでニュース記事化されていたので
ブックマークを付けました。
・
・
・
で、
私はこの会見をネット動画での生中継で見て。
その後、
解説を色々探したのですが……
なんというか、
どの解説も
今回の記者会見、
今年の国会についての解説よりも、
来年の、
次の、
年明け通常国会の話になるんですよねぇ。
まあ、
新年年明け、
正月が終わったら
通常国会開催ですから。
その日まで
すでに
3週間を切っていますからね。
話題になるのは判るのですが、
その話ばかりになるのは……
岸田首相記者会見詳報
岸田文雄首相は21日夜、臨時国会閉会を受けて記者会見した。詳報は以下の通り。
◇ ◇昨日、令和3年度補正予算及び関連の政府提出法案が無事、成立し、第207回国会が閉会いたしました。同僚議員をはじめ、すべての関係の皆さまの協力に対し、心より感謝を申し上げます。
今国会では、できる限り私の考えを丁寧に説明させていただきました。自治体や現場の皆さんの意見に耳を澄ませながら、国会論戦の中でいただいたご意見も踏まえ、国民感覚に沿うように方針変更すべきと感じたことは、政治として思い切って舵をきりました。
大切なことは国民の思いをしっかり受け止めることです。
例えば、子育て世帯への給付金です。厳しい年末を迎える中、ご家庭においても厳しい状況の中におられる方も多いかと思います。支援を迅速にお届けすることが何よりも大事であると考えています。年末年始、国、地方の現場の皆さんにはご負担もおかけいたしますが、国民のためと思ってご協力をいただけるよう、心からお願いしたいと思っています。
コロナ禍という前例のない、先が見通せない状況の中で、国民の皆さんが少しでも安心して仕事に励み、日々の暮らしが送れるよう、政府として全力を尽くしてまいります。そのために、まず思い切った内容の大型経済対策を、年内に国民の皆さんにお届けいたします。同時に、ウイルス変異株などの新しい状況に対して慎重な上にも慎重を期し、先手先手で対策を打ってまいります。
総選挙後の第2次岸田内閣発足以来40日余り、こうした方針のもと、スピード感を何よりも重視して政府与党の先頭に立ってまいりました。昨日の補正予算成立により、事業規模78・9兆円のコロナ克服と新時代開拓のための経済対策が、いよいよ実行段階に入ります。
未知のリスクである新型コロナに対し、全世界の政府、医療機関、国民が、手探りで戦うことを強いられています。そうした中、私は新型コロナとの戦いにおいて、丁寧な説明、迅速な行動との方針を徹底しています。政府の方針や考え方の全体像を丁寧に説明し、迅速に実行していくことで、関係者の協力を効率的に進め、公共心の高さ、団結の強さという日本社会の強みを最大限生かして新型コロナとの戦いに臨んでいきたいと考えています。皆さんお一人お一人の協力をいただきながら、国民の命と健康を守り抜くため、力を尽くしてまいります。
未知のリスクである新型コロナへの対応は、毎日が試行錯誤の連続です。国民のためにより良いと思えば、経緯にとらわれず、迅速に対応を改めていくことも政治の役割です。新型コロナの感染が拡大し始めたばかりの昨年の春は、未知のウイルスへの不安の中、多くの国民の皆さんがマスクが全く手に入らずお困りでした。政府が布製マスクを全国民に配布するとしたことで、その後、マスクの製造、流通が回復し、今ではマスクの不足に対する心配は、完全に払しょくされるなど、所期の目的は達成されました。
その後、政府は5億枚を超える高性能マスクの備蓄を保有しており、いざという事態に十分、対応できる状況になりました。財政資金効率化の観点から、布製マスクの政府の在庫について、ご希望の方に配布し、有効活用を図ったうえで年度内をめどに廃棄を行うよう指示いたしました。
12月6日の所信表明演説において、コロナ対策、経済対策、外交・安全保障、憲法改正など、内閣が直面する諸課題について考え方を詳しく申し上げました。本日の会見では、私が所信表明を行った後に、政策の方針や実行面で進展があった7項目について、簡潔に説明をいたします。
「第1に水際対策です。外国人の新規入国停止などの水際対策を11月29日より、1カ月を目途として講じてきましたが、オミクロン株の感染力、重症化リスクなどに関する科学的な評価がいまだ確立してはおりません。このため、年末年始の状況を見極めつつ、当面の間、水際対策を延長することといたしました。関連情報の収集に全力をあげつつ、ワクチンの3回目接種や飲める治療薬の普及など、国内対応体制の準備を加速化いたします。
第2に、国内における感染封じ込め対策の強化です。すべての国内感染者について、オミクロン株の検査を行うことで、早期探知を徹底いたします。これに加え、オミクロン株の濃厚接触者には、自宅待機要請ではなく14日間の宿泊施設での待機を要請するなど、感染封じ込め対策を強化してまいります。
第3に予防検査、早期治療のための包括強化策です。ポイントのみ申し上げます。包括強化策の第1の柱は、ワクチン接種の前倒しです。医療従事者と重症化のリスクが高い65歳以上の高齢者約3100万人の方々を対象に3回目のワクチン接種を前倒しで行います。第2の柱は飲める治療薬の提供開始です。薬事承認を得次第、160万回分確保した(米製薬大手)メルク社の治療薬を年内から医療現場にお届けいたします。(同)ファイザー社の治療薬200万回分については、来年早い時期から医療現場にお届けできるよう準備を進めます。今夏の感染拡大時には新規陽性者が累積で90万人程度発生し、うち、重症化リスクの保有者は専門家によると20万人程度とされました。メルク社の治療薬160万回分というのは感染力が今夏の2倍になり、かつ、中期的な感染拡大が続いた場合でも、軽症者を含め重症化リスクを有する方すべてに対応するのに十分な量であります。
第3の柱は無料検査体制の抜本強化です。まずはワクチン接種を受け入れられない方を対象に、年内から予約不要の無料検査をすべての都道府県で開始いたします。これから年末年始を迎え、人との接触機会が増えることが想定されます。3密の回避やマスク着用、手洗いのはじめ、基本的な感染対策へのご協力を改めてお願いいたします。海外の専門家の中には、オミクロン株への対策として、風邪の初期症状が見られる方は外出を極力控えるよう呼びかけるべきとの意見もあります。わが国では市中感染が生じている状況ではありませんが、念には念を入れた対応をお願いいたします。
第4に新型コロナでお困りの方への支援です。年末を控え、生活が苦しく年越しに不安を抱える方の声に応えるため、私から補正予算の早期執行を関係大臣に指示いたしました。経済的に困難な学生に対する10万円の給付、住民税非課税世帯に対する10万円の給付などの支援を重層的に講じ、順次、年内から幅広く新型コロナでお困りの方を支援してまいります。12月28日には孤独孤立対策の重点計画を取りまとめます。官民NPOが連携し、生活困窮者支援、自殺防止、子供の貧困などの問題に取り組んでまいります。何かお悩みの方が、お悩みのある方はお一人で抱え込まず、ぜひ、国や自治体、あるいはNPOの相談窓口に、ご連絡頂きたいと思っています。
新型コロナによる直接的な影響以外にも、ガソリン価格の高騰、軽石や赤潮による被害、米価下落などが国民生活に大きな影響を与えています。政府はこうした問題にもきめ細かく対応してまいります。足下では、生乳の需要減少が大きな問題になっています。生乳の大量廃棄を防ぐため、特に需要が減少する年末年始に牛乳をいつもより一杯多く飲んでいただく。料理に乳製品を活用いただくなど、国民の皆さんのご協力をお願いいたします。
第5に新しい資本主義です。デジタルやカーボンをキーワードとして大きく変化するこの経済社会において、新たな価値を生み出すためのカギである人への投資を強化して参ります。国だけでメニューを作って支援を行うというこれまでの手法は明らかに限界に来ています。政策の企画立案段階から民間の発想を取り入れることといたします。非正規の方を含め、約100万人の方の能力開発や再就職、転職によるステップアップを支援する際に、働く従業員の方、企業経営に携わる方など、多くの国民の皆さんの声をうかがった上で、制度設計を行う新たなやり方にチャレンジをしてまいります。近日中に皆さんのご意見の募集を開始いたします。ぜひ積極的なご提案をお寄せください。
新しい資本主義の大きな特徴は分配を成長への道筋としてど真ん中に位置付けるということです。分配を行うことで成長を支える新たな需要を創出し、次の成長につなげます。分配政策の重要な柱の一つは企業による賃上げです。あらゆる手段を講じて企業が賃上げをしようと思える雰囲気を醸成することが重要です。そのためにも国が率先して公的価格の引き上げを行います。介護、保育、幼児教育などの現場で働く方の給与を来年2月から恒久的に3%引き上げます。看護は来年2月から1%、10月から恒久的に3%引き上げます。加えて中小企業が賃上げをした場合に、その分を適切に価格転嫁できるよ私から産業界に広く協力を要請するとともにそのための施策パッケージを12月27日に取りまとめます。
来年1月から、3月を集中取り組み期間とし、政府を挙げて取り組みます。公正取引委員会と中小企業庁が事業所管官庁と連携し、問題となる事例を幅広く把握するための仕組みを作ってまいります。問題が多い業界に対しては立ち入り調査や要請を行い、価格転嫁を行いやすくしてまいります。多くの中小企業が直面する急速な原材料費と、エネルギーコストの上昇についても同様に価格転嫁対策を進めてまいります。賃上げを通じた分配はコストではなく、未来への投資です。きちんと賃金を支払うことは企業の持続的な価値創造の基盤になります。この点を企業の株主にも理解してもらうことが必要です。
人の価値を企業開示の中で可視化するため、来年度、非財務情報の見える化のルールを策定いたします。デジタル田園都市国家構想についての議論もどんどん進んでいます。デジタル臨調において行政が遵守すべきデジタル原則を策定し、その原則に合うように4万件の法律、政省令、通知などの一括見直しを行います。来春には制度の一括改正のプランを取りまとめます。例えば、制度改革により道路やプラントなどインフラメンテナンスの規制や自動車の定期点検、介護施設における人材配置規制などの合理化を進めてまいります。
デジタルインフラについては来年3月までに整備計画をお示しいたします。日本全国どこにいても自動走行などの高速、大容量のデジタルサービスを低遅延で使えるよう、10数カ所の地方データセンター拠点を5年程度で整備いたします。5G(第5世代移動通信システム)は、現在3割程度の人口カバー率を2023年度に9割に引き上げるとともに、光ファイバーは、30年までに99・9%の世帯をカバーすべく取り組みます。誰1人取り残されず、すべての人がデジタル化のメリットを享受できる社会の実現を目指してまいります。高齢者をはじめ、デジタルに不慣れな方などをサポートするために、1万人以上のデジタル推進委員を全国津々浦々で展開します。
先日、車座対話の一環として訪問した会津では、自治体、企業、住民、大学が連携し、まさにデジタル田園都市と呼ぶべき新たな時代の地域づくりを進めていました。住民と協力しながら、デジタルの社会実装を進め、新しい時代の地域づくりを推進するハブとなれる経営人材を国内100地域に展開いたします。
気候変動問題について、30年度に46%の削減、50年カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の目標、これはもちろん堅持いたします。私は気候変動問題は新しい資本主義の中心に位置する問題であると捉えています。エネルギー基本計画といった供給側目線での目標を出すだけではなく、経済社会や産業全体が直面する、数世代に一度の変革をわが国がどう成し遂げるか。経済社会変革の全体像と合わせて道筋を丁寧に示すことが重要です。年明けには、新しい資本主義は実現会議の議論と気候変動問題に関する議論をどのように連携させていくかお示ししたいと思っています。
第6に外交安全保障です。来年は積極的に首脳外交を推し進める1年にしたいと思っています。先般、オンラインで開催された民主主義サミットに参加いたしました。自由、民主主義、人権、法の支配といった、われわれが大切にする基本的価値を損なう行動に対し、同志国が一致してワンボイスで望んで参ります。日程は調整中ですが、バイデン米大統領とと早期に会談を行い、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化していくとともに、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を新たなレベルに引き上げてまいります。
経済面では、私が掲げる新しい資本主義の考え方を説明し、ビルドバックベターを掲げるバイデン氏との連携を深め、グローバルな議論をリードしてまいります。私が目指す核兵器のない世界の礎石というべきNPT(核拡散防止条約)の運用検討会議が、7年ぶりに年明け1月4日からニューヨークにおいて開催されます。極めて重要なこの会議を成功させるために、わが国として全力を尽くしてまいります。先般のアフガニスタンにおける経験を踏まえ、海外で邦人が危機にさらされた際の輸送に万全を期すため、自衛隊法の改善について検討を指示いたしました。
第7に憲法改正です。今国会では、私が首相になってから初めての憲法審査会が開催されました。国会において憲法改正についての議論が始まったことを歓迎いたします。通常国会では、さらに議論が深まることを心から期待いたします。合わせて自民党総裁として、党改革を進めてまいります。年明けから地方の意見も聞きながら、さらに議論を加速させていきます。
この国会中には、統計の信頼性や公文書のあり方に関し、さまざまなご指摘をいただきました。私はいずれも国民の皆さんから、政治への信頼を得るために大変重要なものであると考えています。法曹界の専門家にも参画してもらった上で、統計の二重計上問題についての厳正な事実究明や公文書に関する裁判手続きに沿った中立、真摯、丁寧な対応を行うことが、国民の信頼回復のためには不可欠です。関係省庁がこうした対応をしっかり行うよう、厳しく監督指導してまいります。
今年も残すところあとわずか10日となりました。年内に予算を編成すべく、引き続き手綱を緩めず取り組んでまいります。年が明ければすぐに通常国会です。令和4年度予算案、そして税制関連法案の早期成立や新型コロナ対応、新しい資本主義の実現などに向けた重要法案の成立に向け、力の限りを尽くしてまいります。今年より来年が良くなる。未来に対する希望を持てる日本を作るため、来年も挑戦し続けます。国民の皆さんのご協力を心からお願いを申し上げます。■■
18歳以下の10万円の給付は地方や現場は混乱した。もっと早く首相の「聞く力」を発揮することはできなかったのか。今後「聞く力」による政策変更のリスクにはどう対処するか□□
ご指摘の給付などの政策については、衆院選が終わって、年末までにどうしてもさまざまな支援を国民の皆さんに届けなければならない。そういった思いでさまざまな政策、対策を用意させていただきました。そして、自治体の皆さんの意見、そして国会での議論。これをできる限り幅広く受け止めた上で、変更すべきと感じたことについては、政治として思い切って判断をした。こういったことであります。大切なことは、要は国民の利益になるようにするためにはどうしたらいいか。国民の利益になるように、常に制度の見直しを行っていく。こういった姿勢であると思っています。
新型コロナという危機の最中にあって、危機を管理し、そして克服していく。このことを最優先にしていかなければと思っていますが、その際に、スピード感、これを最優先にした機動的な対応を図っていきたいと存じます。これからもこういった姿勢は大事にしながら政治を進めていく。これが結果として国民の皆さんのためになると信じて努力を続けていきたいと思っています。■■
オミクロン株をめぐる現在の水際対策はどの程度まで延長するか。北京冬季五輪について、日本政府としての対応は□□
まずは水際対策ですが、この外国人の新規入国停止などの水際対策。11月29日から1カ月をめどにということで対策を講じてきましたが、今現在、オミクロン株の感染力ですとか、重症化リスク。こうした科学的な評価。確立しているとはいえないと思っています。こうした状況ですので、年末年始の状況をしっかり見極めた上で、当面の判断をしなければいけない。ですから、まず年末年始の状況を見極めつつ、当面水際対策延長することといたしました。
引き続きまずは情報収集に全力を挙げるわけですが、あわせて国内において、ワクチンの3回目の接種。あるいは経口治療薬の普及。こうした国内対応体制の準備、これを加速化していきたいと思っています。そして、国内についてはすべての国内感染者についてオミクロン株の検査を行うことで、早期感知を徹底していきたいと思っています。オミクロン株の濃厚接触者に対しては、自宅待機要請ではなく14日間の宿泊施設への待機要請をするなど、感染封じ込めを強化していきたいと思っています。
そして北京オリンピックへの対応ですが、日本政府の対応としては、適切な時期にオリンピック・パラリンピックの趣旨や精神、あるいはわが国の外交の観点、さまざまな点を勘案してわが国の国益に照らして判断をしていく。こうした方針で臨んでいきたいと思っています。今しばらく、しっかりと諸般の事情を総合的に勘案して判断していきたい。このように思っています。■■
世論にバラマキ批判や財政規律の緩みを懸念する声が増え始めている。国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)は今年度中に令和7年度の黒字化目標を再確認するというが、余程のことがない限り、この目標年度を確認するために検証作業するということか。□□
財政についてですが、まず今は新型コロナという危機の最中にあり、必要な財政支出は躊躇なく行い、万全を期さなければいけない。こうした段階にあると思います。そういった思いで大規模な経済対策を用意したということであります。そして、経済あっての財政であり、順番を間違えてはならない。こういったことは再三申し上げております。
他方、足元で新型コロナ対策あるいは経済対策を行うということ。これは中長期的に財政健全化に取り組むことと決して矛盾はしないと考えています。まずは新型コロナの危機を乗り越え、そして日本の経済をしっかり立て直す。そして、その上で財政健全化についても考えていく。こうした順番で取り組んでいくというのが基本方針であります。
こうした考え方、先日自民党において総裁直属の財政健全化推進本部を創設し、私自身第1回の役員会に出席いたしましたが、今申し上げた基本的な考え方は、申し上げさせていただいたところであります。そして、プライマリーバランスの黒字化目標。骨太方針2021に書いてあるように、本年度内に目標年度を再確認するという方針でありますが、余程のことがないと伸ばさないのかというご質問であったと思いますが、これはもうここに書いてある通りでありまして、目標年度を本年度内にしっかり議論をして、そしてこの必要な検証を行い、この目標年度について再確認をする。こうした取り組みを進めていきたいと考えております。ここに書いてある通り。これ以上でもこれ以下でもありません。以上です。■■
(自殺した)近畿財務局職員の遺族が起こした損害賠償訴訟について、国は一転して賠償責任を認めた。真相究明を求めていた遺族から落胆の声があがっている。首相は自ら対応するつもりはないか。第三者委員会の立ち上げなどを行うか。□□
ご指摘の点については、今回の訴訟、財務省において裁判所の訴訟指揮に従って訴訟を進め、そして損害賠償の賠償請求。これを全面的に認めたというものでありました。14日の日に、私自身財務省から報告を受け、損害賠償責任を認めるということを承知したということであります。森友学園問題については、私自身首相に就任して以来、財務省には裁判所の訴訟指揮に従って丁寧に対応するよう指示し、そして、今回の報告に当たっても、今回どういったこれまでどういった取り組みをしてきたのか。いわゆる『赤木ファイル』の提出をはじめですね、財務省のこうした説明努力について、今一度確認した上で2つ指示を渡しました。
1つは今回の損害賠償に関する訴訟とは別に、情報公開に関する訴訟が行われています。もう別の訴訟が継続中でありますので、別途の訴訟について引き続き丁寧に対応すること。そしてあわせてさまざまな場において、今後とも真摯に説明を尽くしていく。こうしたことを指示した次第です。私自身も今後ともこの問題に真摯に向き合っていく、説明責任を果たしていくべく努力をしていかなければならないと思っています。以上です。■■
訪米日程がなかなか決まらない理由は。来年1月召集の通常国会までに決まらない場合、他国への外遊も考えるか。□□
まず、日米同盟はわが国の外交安全保障の基軸であり、米国のトップ、バイデン大統領と早期に対面でお会いし、さまざまな課題について思いを共有する。あるいは個人的な信頼関係を醸成していく。これは極めて重要な課題であると認識しています。そういったことから、すでにCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)の際にお会いした際に、できるだけ早期に訪米して、首脳会談を持ちたいということを申し上げているわけです。
そしてその後、調整は続いていますが、米国の国内における政治のさまざまな動き。さらに米国においては、今新規感染者の7割がオミクロン株であるということが報じられている。変異株の状況は大変深刻な状況にあるようであります。こうしたさまざまな状況の中で、調整が引き続き続いているということであります。引き続き、この調整を続けて、いずれにせよ、できるだけ早く、日米首脳会談は実現したいと思っています。
それ以外の国について考えているのかというご質問ではありましたが、まずは日米首脳会談、実現に向けて全力を尽くした上で、考えることであると思います。まずは日米に向けて最大限努力をしていきたいと思っています。■■
自国通貨を創造できる国家には歳出の予算制約はない、高いインフレでない限りは財政赤字自体には何の問題もないという、財政論理は正しいと思うか。□□
財政についてはいろいろな考え方があり、いろんな議論があると承知しています。私自身の考え方としては、これはもう従来から申し上げているように、財政は国の信頼の礎あり、中長期的に財政健全化に取り組む必要があると考えています。
そして、いろんな議論がある中で、この自国通貨建ての国債を発行する国の政府はいくらでも国債を発行することが、発行して支出することができる。こういった意見の方もおられると承知をしてはおりますが、ただ、政府としてはこうした考え方はとってはおりません。先ほども申し上げましたが、ぜひ、この順番を間違えてはならない。新型コロナウイルス禍を乗り越えて経済を再生し、そして財政健全化を考えていく。こういった道筋をしっかりと大事にしながら、財政健全化についても考えていきたいと思っています。■■
広島原爆による「黒い雨」被害者救済についてはどのような考えか。被爆者が望んでいる核兵器禁止条約の締約国会議へのオブザーバー参加についての考えは。□□
まず、この黒い雨訴訟に関する判決に関することですが、今後の被爆者健康手帳の認定の方針について、これまで広島県、広島市、長崎県、長崎市、そして厚生労働省、こうした関係者での協議、2回行われたと承知をしています。そして、12月8日の協議において厚生労働省から基本的な考え方をお示しし、参加した広島市などからさまざまな意見をいただいたと聞いております。そして、次回の協議において、国としての方針を示すことになっていると承知をしています。この件につきましては、被爆者が高齢化していることを踏まえて早急に次回協議を実施し、遅くとも令和4年度当初には可能な限り多くの方の救済を開始できるよう、スピード感を持って取り組んでいかなければならないと認識をしております。
それから2問目の核禁条約オブザーバー参加の話でありますが、この私の考え方は先日の予算委員会の審議の中でも申し上げた通りであります。核禁条約、これは核兵器のない世界を目指す上で、出口に当たる大切な条約だと思いますが、残念ながら、この核兵器国は一国も参加していない、こういった状況にあります。外相を4年8カ月経験する中で、核兵器のない世界に向けて現実を動かしていくためには、現実に核を持ってる国、これが変わらなければ何も現実は変わらないという思いを強く持っておりました。よって、わが国としては唯一の同盟国である米国、世界最大の核兵器国である米国、これを動かしていく。こうした努力をしていくことが唯一の戦争被爆国の責任として重要であると認識をしています。
そして、まずは米国との信頼関係をしっかり核兵器のない世界に向けて築いた上で、さまざまな活動を考えていくべきであるということを申し上げています。だから、それができる前にオブザーバー参加ということについては、わが国としては慎重でなければならないというのが私の考え方であります。
そして先日、米国からオブザーバー参加しないようにという要請を受けたというご指摘がありましたが、この日米の間でどういったやりとりをしているのか。これについては、結論についてはしっかりと、その外交上の国民の皆さんに説明するというのが常識ですが、それまでのやりとりとか経緯について何か申し上げるのは控えなければならない、これが相手国との関係、外交の常識であると認識をしています。よって、具体的なやりとりについては申し上げませんが、この米国との間において緊密に意思疎通を図って信頼関係を作っていく。これはトップの間だけではなくして、あらゆるレベルでこうした意思疎通を図っていく。こうしたことは大事なんではないかと考えます。以上です。■■
来年は日中国交正常化から50周年の節目。習近平国家主席との会談や日中関係は今後どう進めるか。□□
日中関係についてですが、まず結論からいって首脳会談などは今は何もまだ決まっていない。予定はないということであります。ただ日中関係。これはわが国にとりまして大変、重要な2国間関係である。これはいうまでもないわけです。中国に対して自由や民主主義、法の支配、人権といった普遍的な価値に基づいて、いうべきことはしっかりいう。さらには、東シナ海をはじめ、わが国の国益に関わる課題については、しっかりものをいっていく。これは重要なことだと思います。
こうしたいうべきことはしっかりいいながら、日中関係。この大切な2国間関係をいかにコントロールしていくのか、これがわが国の国益として大変重要であると思っています。ぜひ、この日中関係において言うべきことは言いながら、安定的な関係を実現すべく努力を続けていく、こういった姿勢は大切であると思っています。こういった基本姿勢に従って、来年、日中国交正常化50年。こうした年に向けてどうあるべきなのか、しっかり外交を考えていきたいと思っています。以上です。■■
デジタルや気候変動対策などを日本の成長力の底上げにどのようにつなげていくのか。名目国内総生産(GDP)600兆円を目指す政府目標はどう考えるか。□□
まず成長については、これまで安倍晋三政権においても、菅義偉政権においても、さまざまな政策努力を続けてきました。過去10年ということで振り返ってもコーポレートガバナンス改革、規制改革、労働市場改革、エネルギー市場改革、社会保障改革など、政権の総力を挙げて政策努力してきたところです。
そして、今申し上げている成長と分配の好循環。これを本格的に回すためにも成長は不可欠であり、私の内閣においても成長のための施策、総力を挙げて取り組んでいきたいと思っています。そして、その際に、デジタル、あるいはグリーンなど世界的な経済社会全体の急速な変容、また人的投資やスタートアップ、あるいはイノベーション、こうした重要性が飛躍的に高まっている。こうした世界全体の大きな流れに沿ってわが国の成長力を底上げしていきたいと考えます。
そのためには市場機能だけに任せるのではなくして、官民が協働し、外部不経済の克服、あるいは無形資産の投資。こうしたものをしっかりと加速化する。こうしたことが鍵になると考えております。新しい資本主義実現会議において、こうした大きな絵をしっかり示していきたいと考えます。
そして、GDP600兆円についてご質問がありましたが、まずはわが国においては、このコロナ前の水準にわが国の経済をしっかり戻していく。建て直していく。これにしっかり専念しなければならないと思います。もちろん中身はコロナ前とは違うわけですが、少なくとも数字的にもコロナ前にしっかり戻していく。そして、さらなる高みを目指していく。そういったことではないかと私は考えています。■■
来年夏の参院選の勝敗ラインは。参院選と進退との関係をどう位置付けるか。□□
参院選についてご質問いただきましたが、参院選、来年の夏でありますんで、まだ半年以上先のことです。その半年以上先の選挙について、勝敗ラインとかですね、身の処し方を申し上げるというのは、ちょっと気が早すぎるのではないかとも感じています。
参院選に向けては、まずは今の政権に課せられた課題、コロナ対策ですとか、日本の経済の再起動ですとか、外交・安全保障。こうした重大な課題について、どう向き合ってどう結果を出していくのか。それをまず考えていくべきではないかと思います。その上で、しかるべき時期が来たら勝敗ラインですとか、身の処し方という話が出てくるのかと思います。
まずは今の政権においてやるべきことをしっかりやり、そして、より具体的に結果を出して、国民の皆さんから信頼や共感をいただけるような政治を進めていくことが大事ではないかと考えます。■■
本日、内閣府が日本海溝・千島海溝地震で最大19万人が亡くなるという被害想定を公表した。ただ、津波避難タワーを整備することで約8割の被害を抑えるとされているものの、現行の特別措置法ではタワーなどを整備する財源の裏づけがない。財源措置には特措法の改正が必要になると思うが、来年の通常国会で取り組む考えはあるか。□□
ご指摘の日本海溝・千島海溝で起きる巨大地震の被害については、今回公表された最大死者数約19万9000人という被害想定、これ最大クラスの地震が発生した場合における最悪のケースであると承知をしています。東日本大震災の教訓を踏まえ、何としても命を守ることを主眼として防災対策を検討するために推計したものであると承知をしています。
重要なことは巨大地震が発生した際に起こりうる事象を正しく恐れるということであり、防災教育、訓練の充実、避難路・避難施設の整備、この防災対策を徹底することによって被害を大幅に減らすことができる、こうしたことも今回のこの報告の中に含まれているということであります。
そして、(被害を)減らすために今、ご指摘があったようにさまざまなこの設備インフラが必要であるということで、財源が確保できるのかというご質問だったわけですが、人の命や暮らしを守る、これはもう政治にとって最も大切な課題であり、使命だと思っています。そのために必要なものがあるとしたならば、当然のことながら法改正をしてでも用意するということなんだと思います。実際、何が必要なのか、何が求められるのか、ここについては今一度しっかり確認をしたいと思いますが、一般論として申し上げるならば、今申し上げた通りではないかと思います。
今回発表された被害想定を踏まえて中央防災会議のもとに設置したワーキンググループにおいて最終報告をまとめ、防災・減災対策を着実に進められるよう、今後、速やかに必要な措置を講じていくとされておりますので、その過程の中で何が必要なのかしっかりと検討し、国民の皆さんの安心につなげていきたいと思います。以上です」■■
選挙関連だが、「一票の格差」を是正するいわゆる衆院選挙区の10増10減について、地方の声がより国政の場に届きにくくなるのではないかというような指摘がある。先日、自民党でも会合で3増3減という案も出たようだが、首相は10増10減の定数配分を予定通り次の衆院選に向けて進めるべきだと考えるか。地方選出の国会議員が減っていくことになれば、一段と過疎化が進んだり、都市と地方の偏在が進んだりする懸念もあるが、そういう危惧についてどのように考えるか。□□
おっしゃるように、定数についてはさまざまな議論があります。まさに自民党の憲法改正4項目のたたき台素案の一つは、この一票の格差の問題について問題提起したものであると思います。こうした議論はあるんだと思いますが、ただ政府の立場から言いますと、現行の法律をしっかりと履行し、対応していかなければならないと思います。
2016(平成28)年に議員立法で改正された衆院議員選挙区画定審議会設置法、これでは大規模な国勢調査が実施された場合の都道府県別定数配分の計算方式として、いわゆるアダムス方式が規定されている。そして、それを2020(令和2)年の国勢調査に当てはめた場合に、10増10減となって、そして来年6月までに関係審議会が区割り画定案を勧告する、こういったことになっていると承知をしています。
政府としては、その勧告に基づく区割り改定法案を粛々と国会に提出するというのが現行法に基づく対応であると認識をしております。2016年のこの設置法の改正案も議員立法でありますので、さまざまな議論があるのかもしれませんが、政府の立場から申し上げるならば今言った姿勢で、法律に基づいて取り組んでいくことを想定してるということであります。■■
なぜ核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加をすると、米国との信頼関係を構築できないのかわからない。ドイツができるのに日本の首相ができないはずはないと思う。
□□
ドイツはどういった形でオブザーバー参加し、そして米国と信頼関係を築くのか。それは承知しておりませんが、日本としてはバイデン米大統領との間。バイデン氏自身も自らの大統領選において、核兵器のない世界を目指すと明言された大統領ですので。そのバイデン氏との信頼関係を築くことによって、アメリカ自体も動かすことができるのではないか。日本もその信頼関係を作ることによって、しっかり役割を果たすことができるんではないか、こういったことを申し上げています。
オブザーバー参加についてはいろいろな意見があります。それについても、まずは信頼関係を作ってからオブザーバー参加ということについても考えるべきではないか。先ほどもあったように、私自身、対面での首脳会談をぜひ実現したいと模索しているところですので、今の課題も含めてまず信頼関係を作って、それから考えたいということを申し上げさせていただいております。■■
外交で普遍的価値を重視するのは大事だが、日本国内の人権状況はどうなるか。人権問題担当の首相補佐官も置いたが、どういう施策を重視するのか。□□
ご指摘は大変重要なことですし、だから人権担当の補佐官を設けた。これは別に外国に対して物をいうだけのための補佐官でなくして、人権問題は国の内外に関わる、それから各省庁の所管にまたがる大変幅広い課題でありますので。国内においても、そして海外においても省庁の縦割りを排してこの問題に取り組むために、首相の元に人権担当の補佐官を置いたということですので。問題意識は、今おっしゃったこと、私も共有をしています。
現実なかなかこの人権問題、大事であるがゆえに難しい課題がたくさん山積をしています。ただ、そういった問題に対する問題意識はしっかり掲げながら、できるだけ多くの方々の力をいただきながら、少しでも前進させるべく努力をしていきたい。このように思っています。一つ一つ、そういった課題に取り組んでいきたいと考えます。■■
人権問題担当の首相補佐官は国内問題も含めてということか。□□
だから省庁ってほとんど国内の省庁ですから、そういった課題はいろいろ持っています。こういった課題も含めてしっかり考えてもらいたいと思っています。■■
新型コロナの水際対策に伴い、外国人留学生は1年8カ月前からほとんど入国できない。なぜ厳しい条件を付けたうえで入国を認めないのか。□□
外国の方の入国については、もちろんいろんな対応が考えられると思いますが、それはオミクロン株という未知のリスクの実態。少なくとも今までの私たちの経験の中でどのぐらいのリスクがあるのか。これが確認できた上で考えていかなければならないと思います。現状はまだまだ科学的に確認できていない状況でありますので、この段階においては、慎重の上にも慎重でなければならないということで、G7(先進7カ国)の中でも最も厳しい水際対策を用意させていただいている。こういったことです。
今後、オミクロン株の実態が明らかになってくる。あるいは世界の感染状況が明らかになってくる。こういったことが確認されれば、科学的な見地から専門家の意見を聞きながら、具体的な対応ということを考えること。可能性はあるとは思いますが、まだ現状においては慎重の上にも慎重に、最悪の事態を想定して対応を考えていかなければならないと思っています。こういった対応をとりながら、情報収集、そして国内対策しっかり用意していきたいと思っています。現状はそういう方針を続けたいと考えています。