韓国一の企業「サムスン」も、対応を間違えたら会社が傾いてしまう。
ごくごく当たり前の話。
というか昨今、日本でもアメリカでも、先進国ならこの手のリコールはごく当たり前の事件ですね。
一部で陰謀論を唱えている人もいるみたいですけど、
単なる企業不祥事ですよ。こんなの。
陰謀の影なんてどこにもありゃしない。
私は、
この事件の第一報に接したときに、
サムスンの対応を見ていて、「このままだとタカタの二の舞になるなぁ」と危惧してたら、
まさにその通りの展開になってきましたね。
日本人なら『タカタ』の『エアバッグ』。
よぉ〜く記憶に残っているのですけども。韓国人はそうでもなかったみたいです。
グローバル企業は、
一消費者のクレームなど相手にしないことが、たまにあるのですけども。
SNSが発達した現代社会では、
それが次の事故情報とどんどんリンクされて、
しまいには社会問題と化してしまうのですよね。
一個人の問題として放置されず、公の問題として取り上げられてしまうのです。
なんと言えばいいのか、
現代社会は「忘れられる権利」が極端に制限されてしまった社会、だと表現すればいいのでしょうか。
その中で、
「サムスン」も対応を誤って自分で自分のクビを絞めてしまいました。
日本人としては、
他山の石としたいところですけども。
なかなかどうして……
日本企業も似たようなことして、会社潰しているところが幾つもあるからなぁ。
あまり、
笑ってばかりもいられませんね。
件の「タカダ」は「米破算方申請決定」とか一部報道で取り上げられてしまってますし。
慌てて火消しにやっきですけども。
「新たな出資を募ることを含め検討が行われ、今後関係者との話し合いに入る」とか
会社側がコメントだしているので、
相当経営が苦しいのは間違いありません。
さて、
「サムスン」はどうなることやら。
スマホ爆発:サムスン内部から批判噴出「起こるべくして起きた」-Chosun online 朝鮮日報
開発期間の短さ、アップルよりも速くという強迫観念が原因」
「スピードと革新にこだわり品質がおろそかに」
サムスン電子が発火事故の相次いだ新型スマートフォン(スマホ)「ギャラクシーノート7」の販売打ち切りを決めた翌日の12日午前7時。ソウル・瑞草の同社社屋に権五鉉(クォン・オヒョン)同社副会長をはじめとするサムスングループ主力系列会社の社長らが定例会議のため姿を現したが、その表情は一様に暗かった。早朝から集まっていた報道陣が質問を浴びせかけたが、ほとんどは口を固く結んだままだった。スマホを中心とするIT(情報技術)&モバイル部門トップの申宗均(シン・ジョンギュン)同社社長、スマホ事業を担当する高東真(コ・ドンジン)同社無線事業部長(社長)、ノート7にバッテリーを供給したサムスンSDIの趙南成(チョ・ナムソン)社長は姿を見せなかった。
さらに、サムスン電子はこの日午後、7−9月期連結決算の速報値を下方修正し、営業利益が5兆2000億ウォン(約4800億円)と前年同期比で約30%減になったと発表した。7日に発表した速報値に比べ、実に2兆6000億ウォン(約2400億円)少ない。売上高は当初発表より2兆ウォン(約1900億円)少ない47兆ウォン(約4兆3600億円)に修正した。
一日中、瑞草の社屋を包み込んでいた「重い沈黙」は、ノート7の販売中止によるサムスン電子の危機感を如実に示している。米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に挑むための野心作だったノート7が、欠陥問題で発売からわずか50日ほどで市場から退場することになり、「品質のサムスン」という信頼が低下する危機に直面した。
「世界最高の製造企業」という自負心が揺らぐ事態となり、内部ではサムスン特有の組織文化に対する自省の声が噴出している。社員の間からは「最高の品質というサムスンの名声が色あせているようだ」「サムスンはもはや入りたい会社1位でもない」といった声が聞かれる。
サムスンのある役員も「良質な製品をより速く作り、迅速に市場に供給して消費者に選んでもらうべきだという、革新を急ぐ雰囲気があったのは事実」だと打ち明ける。国立大学・韓国科学技術院(KAIST)のパク・ヒョンウク副総長は「サムスンはスマホの後発メーカーとして出発し、業界をリードするメーカーになったが、これまできちんと進んでいるのかを点検する機会さえなかった」と指摘。「今回の一件を機に全般的なシステムと進むべき方向を見直し、ファースト・ムーバー(先導者)に成長すべきだ」と助言した。
■内部批判が噴出「起こるべくして起きた」
11日にノート7の販売打ち切りが正式に発表されると、会社員の匿名コミュニケーションアプリ「ブラインド」のサムスンの掲示板には、内部の組織文化を批判する書き込みが殺到した。ある社員は「ノート7の事故は短すぎる新製品の準備期間、アップルよりも無条件で速くなければいけないという強迫観念が原因。条件は考えず、まずスケジュールから決める組織文化が問題だ」とし、今回の一件は「起こるべくして起きた」と指摘した。別の社員は「ノート7に新技術は全部組み込みたい、アップル(の製品)より先に出したい」という会社の思惑があり、結局、検証せずに発売したため問題が起きたと批判した。
「スピード」と「革新」にこだわるあまり、肝心の「品質」がおろそかになったとの指摘もある。サムスン電子のある幹部は「『量より質』という李健熙(イ・ゴンヒ)会長の製品哲学を忘れ、(上層部が)『とにかく速く作れ』とプレッシャーをかけたため、品質テストをきちんとできなかった」と明かした。
問題を起こしたバッテリーをめぐっても、無理なプレッシャーと性急さが製品の欠陥を招いたとの指摘が内部で出ている。サムスン電子はサムスンSDIと香港アンプレックステクノロジー(ATL)にノート7用のバッテリーを注文した際「スマホ使用時間の長いユーザーが充電なしで1日中使えるくらいにしてほしい」と無理な要求をしたとされる。前作のノート5よりも薄く、小さく、それでいて長持ちするバッテリーを作るよう求めたというのだ。サムスンの関係者は「前々から技術的限界を超える無理な要求でバッテリーメーカーにプレッシャーをかけた面がある」と認めた。
垂直的な組織文化への批判も依然ある。米紙ニューヨーク・タイムズはこの日、サムスン元社員の言葉を引用し、サムスン電子は「技術がどう適用されるのか分からない上層部から指示が下りてくるトップダウン式の組織」などと批判した。
■品質よりも収益性、色あせた「品質第1主義」
サムスン電子の内部や周辺では「これまで守ってきた品質1位の神話が消え失せている」との声も聞かれる。かつて李健熙会長は何よりも品質を重視し、2010年に最初のギャラクシースマホ「ギャラクシーS」を発売したときも品質を最優先に考えていたが、今は品質よりも収益性強化の方が重要な経営目標になっているとの指摘だ。同社の関係者は「アップルの新製品が出るまでの1カ月間、ノート7をできるだけたくさん売って利益を出すべきだという収益至上主義がはびこっていた」と打ち明ける。
サムスン電子を中心とする「選択と集中」戦略も、グループ全体の競争力を弱めたと批判される。世界的な競争力を備えたサムスン電子を主軸に系列会社を再編したため、同社のステータスは高まる一方、サムスンSDIやサムスン電機など系列部品メーカーの競争力は落ちているということだ。
サムスン系列会社のある役員は「系列会社が新製品を開発しようとすると、すぐにサムスン電子から『そんな事業に投資してどれだけ稼げるのか。指示することをうまくやれ』とこちらをあざ笑うかのような反応が返ってきたこともあった」と明かす。サムスンのある社員は「カネにならない系列会社はすべて売却しているなか、信じていたスマホ事業までもがかつてない困難に直面し、社員の喪失感は一層大きいようだ」と話している。