kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

たぶん、今の日本国内の持ち上げ方は迷惑千万なんだと思う ―― カンヌ最高賞で祝意を 是枝監督は面会に否定的

ちょっと周回遅れの話題ですけど。
まあ気になったので。
この監督の作品は、「誰も知らない」かな。見た事あるのは。DVDで。
なんというか、
今まで箸にも棒にも引っかからなかった存在だったのに。
パルムドールを受賞したとたんに、国会議員の一部がにわかに騒ぎ出して取り上げるとか、
あと、
作家とか院長が文句を言ってくるとか。
『お前ら、今更ウルセーよ?』
という気分なんじゃないですかね。
監督ご本人としては。


映画の中で扱っている内容とかを、
これまでと特に変えたつもりもないのでしょう。
それが、
たまたま国外で大きな賞を獲得したから、
いきなり持ち上げてすり寄ってきて、
アレコレ周りが勝手に騒ぎ出したわけで。
そういう人達に対して、
『お前ら今まで俺のこと何も見てなかったくせに。ウルセーよ』と
文句の一つも言いたいのではないですか。
そんなに騒ぐなら、
映画制作の費用、支援してくれよ。と。
今まで
『会ってもくれない』『企画の話を聞いてもくれない』『金出してくれない』
人達が手のひら返してすり寄ってくるのを見せられたら、
腸が煮えくりかえる思いじゃないですか。
まあ、
それはそれとして、
この映画、日本国内でちゃんと理解されてるのかな。
と、
私には気になるんですけど。
といっても私自身はまだ中身見てないんですけどね。
ただまあ、
レビューとか感想がネットにゴロゴロ転がっているので、
読みまくりまして。
『ヨーロッパ』のカンヌ国際映画賞で評価された理由がなんとなくわかりました。
この映画で扱われている題材って、
名画『自転車泥棒』などに代表される現実の不条理、なんですよね。
そこに、
政治色とかは一切無くて、現実とはそういうものだ、という。
だから極力悲惨に見せることもないし、
かといって、
万引きして生きている家族を肯定することもない。
断罪されて容赦なく引き裂かれてバラバラになるわけで。
『万引き』を選んだのは、
それがもっとも身近な『弱者』の犯罪だったから、じゃないでしょうか。
強盗みたいに、
誰かを倒して盗むのでは無くて、
詐欺のように誰かを騙すのでも無くて、
人間とは向き合わず、隠れて物を盗む。それだけ。
金額にしても、
毎日口に入れる物、程度で。
なんと言えばいいのですかね、
アウトロー』として法の外へ飛び出して生きる力もない、
かといって、
法の中で生きる力も無い。
どこにも行き場のない人達……そういう分かりやすい『弱者のデフォルメ』なんだと思います。

それで、
ヨーロッパ(カンヌ)でこれが受けたのは、
この一連の題材が悲劇として描かれていない点でしょう。
『犯罪』を映画の中心に持ってきていながら
『犯罪映画』ではなく、
『現実の不条理』を扱いながら、登場人物は淡々と生きている。
血のつながりのない人間が一緒に集まって共同生活し、
疑似家族のような姿を為しているのだけど。
単に利害の一致で協力しているのか、
それともそれ以外の何かがあるのか、
そういう解釈が可能な『世界』が存在しているところが面白い。
ヨーロッパ的には、
こういう題材って『自転車泥棒』の世界なわけですけど。
万引き家族』は
自転車泥棒』にもなれない
さらに下層な人達なわけです(家族を作れなかった半端者の集まり)。
それが『インド映画』とか『中国映画』とか『アジア映画』とか『南米映画』とかではなくて、
『日本映画』の中から出てきた。
それが、
評価された理由じゃないですかね。





 フランスで先月開かれた第71回カンヌ国際映画祭で、メガホンを取った「万引き家族」が最高賞「パルムドール」を受賞した是枝裕和監督に対し、林芳正文部科学相文科省に招いて祝意を伝える考えを示したところ、是枝監督が自身のホームページ(HP)に「公権力とは潔く距離を保つ」と記して辞退を表明した。
 林氏は7日の参院文教科学委員会で、立憲民主党の神本美恵子氏から「政府は是枝監督を祝福しないのか」と質問され、「パルムドールを受賞したことは誠に喜ばしく誇らしい。(文科省に)来てもらえるか分からないが、是枝監督への呼びかけを私からしたい」と述べた。今回の受賞を巡っては、仏紙「フィガロ」が安倍晋三首相から祝意が伝えられないことを「是枝監督が政治を批判してきたからだ」と報じていた。
 答弁を受け、是枝監督は同日、HPに「『祝意』に関して」と題した文章を掲載。今回の受賞を顕彰したいという自治体などからの申し出を全て断っていると明かした上で「映画がかつて『国益』や『国策』と一体化し、大きな不幸を招いた過去の反省に立つならば、公権力とは潔く距離を保つというのが正しい振る舞いなのではないか」とつづった。【伊澤拓也】