今朝のW杯ロシア大会、決勝トーナメント日本代表の初戦、
日本対ベルギーの一戦をテレビ中継で見てました。
うーん、
感想は色々とありますけど。
まず、
関係者の方々、大変お疲れ様でした。
結果は残念な物になりましたが、
一日本国民としてとても愉しませていただきました。
その点は大変感謝しております。
でもなぁ……
ここからは愚痴になりますけど。
この試合に限って言えば、
勝敗を分けたのは『ベンチワーク』でしたね。
日本とベルギーの差は、試合をしていた選手ではなくて、
それをマネジメントしていた監督の差でした。
それは明らかに結果として表れています。
日本とベルギー、
ともに選手交代で2名を入れ替えているのですけど。
ベルギーはそれで2得点をあげて、試合の流れを変え、
日本はそれで得点をあげられず、試合の流れも変えられず、ベルギーに押し切られました。
明らかに監督采配で、
日本とベルギーの間には大きな差がありました。
これが直接の敗因でしょう。
2点、日本が先制するところまでは、
日本のマネジメントが完璧に試合をコントロールしていたのですけど。
そこから先のプランが……
なんというか。
『まだ行ける、もう1点取れる』という欲目で曇ってしまって、
冷静に試合を見れなくなっていましたね。
前半からのハードワークで選手は
同じように走れなくなってますし、
どんどん動けなくなっています。
小さなミスも起き始めます。
それを『前半と同じようにイケる』と考えていたマネジメントのミスですねぇ。
ただ、
これまで決勝Tは得点出来ていなかった日本が、まぐれだろう何だろうか、
得点出来たのは
大きな前進ですね。
徹底した分析で試合に挑めば、日本の実力でもそれなりの形になることを証明した。
これは大きな収穫です。
何はともあれお疲れ様でした。
追伸:
乾選手のシュート、あれはテレビで見てて度肝を抜かれました。
なんというか、得点したこともそうですけど。
あんなスーパーシュートを日本人が撃ったところは見たことがありません。
【ロストフナドヌー=小川寛太】サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会は2日(日本時間3日)、ロストフナドヌーで決勝トーナメント1回戦を行い、1次リーグH組2位の日本はG組1位のベルギーに2−3で逆転負けを喫し、初の8強入りを逃した。1次リーグを突破した2002年日韓大会、10年南アフリカ大会もいずれも16強にとどまっており、3度目の挑戦でも決勝トーナメントでの勝利はならなかった。
アジア勢で唯一勝ち残り、2大会ぶりに16強入りした国際サッカー連盟(FIFA)ランキング61位の日本は、6人を入れ替えた1次リーグ最終戦から第1、2戦と同じ先発メンバーに戻し、香川真司(ドルトムント)、原口元気(ハノーバー)ら休養十分の選手たちを送り出した。
日本は前半、同3位で優勝候補の一角と目されたベルギーに攻め込まれる場面が目立ったが、落ち着いて対応し、前半を0−0で折り返した。
後半3分、日本は乾貴士(ベティス)のボール奪取からカウンターを仕掛け、右サイドを駆け上がった柴崎岳(ヘタフェ)からのスルーパスを原口が落ち着いて決め先制した。
同7分に乾が右足を振り抜き加点したが、24分、29分と続けて失点し追いつかれた。その後はGK川島永嗣(メッス)が好セーブを連発。延長戦に突入かと思われたアディショナルタイムにカウンターから決勝点を奪われ、力尽きた。
日本を下したベルギーは6日午後9時(日本時間7日午前3時)開始の準々決勝で、メキシコを2−0で破って8強入りした優勝5回でFIFAランキング2位のブラジルと対戦する。
「ロシアW杯・1回戦、ベルギー3−2日本」(2日、ロストフナドヌー)
サッカー日本代表は2点を先制しながら追いつかれ、最後は後半ロスタイムに決勝ゴールを決められた。3度目の挑戦だった初のベスト8はならなかった。以下、西野朗監督の試合後会見。
−W杯の戦いが終わった。2−3のこの結果を受けて、何を思ったか。
「善戦することだけではなくて、勝ちきらなければいけない。勝ちきりたい。ある程度、今のチーム力であればかなりベルギーには抵抗できるのではないかと。最高の流れを自分たちでつかんだ。自分の中でこういうプランはあった。最後にこういう形になるゲームの形は組み立てていませんでした。2−0になり、メンバーもそのまま。3点目という気持ちが強くなり、チャンスもあった。ある程度、ボールもゲームもコントロールする時間帯もあった。ただ、そこで本気になってしまったベルギーが。今日のミーティングでも、本気にさせたベルギーと戦いたいと。そのためには、自分たちにはフルパワーで戦うと。まさに最後の30分は本気のベルギーだった。最後、アドバンテージを持って勝ちきるプランはあったが、あそこまで覆させられるとは思っていなかった。まあW杯なのかなと。ベルギーの強さ…、っていう気持ちでしたかね、終わった瞬間は」
−延長は考えられなかったか。
「あの時間帯のFK、CKの流れがあった。少なくとも決めたい気持ちもありましたし、延長ももちろんその時間帯に考えてた。まったくああいうスーパーカウンターを受けるとは予測していなかった。数秒後に自陣のゴール前に運ばれるという。本当に紙一重の勝負どころなのかなと。もちろん延長は、持久的にはボールも動かせる延長を想像していたので、決められなくても延長勝負と思っていました」
−ロッカールームにどんな声をかけたのか。選手たちへの思いは。
「すぐ、シャワー浴びろって。呆然とみんな、裸のままいたので。そういう声かけがまず。まあホテルに帰ってから声かけはしたいなと思います」
−大会を通じてコンディションが良かった。
「走れることは、選手は走る。持久戦もスプリントもベースにはしっかりと持っている。それをゲームフィジカルとして出せるか出せないかは、単にコンディションが良いかというより戦術的なものや、どうボールを動かしていくかということに伴ってくるゲームフィジカルなので。今日も、1〜3戦もそうだが、しっかりと自分たちでボールを動かせる。有効に動かして無駄な動きをしていない。単純に無駄な動きが防げている。全員が連動した中でのパフォーマンスができているので、そう感じているところ。総走行距離はそこまで多くはないんですよね。100キロから110キロくらい。感じ方が多い。ボールを動かしせている、ムービングフットボールが実現できているところが、フィジカルのコンディションが良く見えたことかなと」
−選手のパフォーマンス、結果について。
「結果については残念の一言。追いつきましたが勝ちきれない。わずかなのか、わずかではないのかもしれないが、ゲームの中ではわずかに感じていました。それが采配によるものなのか。まだまだ、本気にさせたベルギーに及ばなかったのか。選手は今シリーズ、今までにないようなというか、前向きで。対ベルギーでも自信を持っている選手がいたので。今日もある程度、チャレンジするパフォーマンスを出してくれた。選手は100パーセント以上のパフォーマンスを発揮してくれた。されど、このわずかというのはまたサッカー界で埋めていかないといけない」
−今大会、番狂わせが多い、0−2からの逆転負けはどんな気分でしたか。
「ゴール決められた時に、どういう気持ちだったかというのは…。まず自分のゲームコントロールについてどうかと問いたい。2−0のアドバンテージをもらっていながら負けるのは、選手に非はなくベンチワーク、私のところ。自分の采配について問うところでございます。このW杯に関しては、選手が非常に過去の、4年前のブラジル大会でベスト16に入れなかった思いが。選手、スタッフ、日本サッカー全体が、コロンビアに負けた時の思いは計り知れない。そこから4年間積み上げてきた選手、日本サッカー界。今大会への思いは、ましてや初戦の相手がコロンビア。リベンジをというのは強く感じた。今日に関しては、8年前、ラウンド16で延長、そしてPKで落としたという過去もあり、何としてもという思いがチームにはあった。グループステージの戦い方、今日のラウンド16の戦い方は、自分としても今日の戦いを、チーム力を万全にしながら戦いたかった。今までのラウンド16とは違う感覚で選手には臨ませたかった。そういう大会でのプランというのはしっかりとれていたと思う。やはり、また力が足りないと見せつけられた」
−ハリルがやってきたものを良い部分で残しながらやっていると思うが、どうなのか。
「ハリルホジッチ監督がずっと積み上げてこられたスタイル、チームにもたらしたものは大きいと思う。私自身も継承するところはしないといけない。ある程度選手に染みついているところもある。ただ、その中で自分のオリジナリティーとまではいないですが、1カ月なので。何かアクセントになるものはチームに、選手に与えてきたと思います。それは当然、ハリルホジッチ監督が伝えてきたコンタクトの強さ、縦への強さというのは間違いなく必要なものです。それは選手も感じています。それに対する自分なりの変化。それを選手たちが理解してこの1カ月、取り組んでくれた結果だと思います」
−今日、負けたことは日本サッカーの悲劇か。
「なかなか認めたくはないゲームでもあったかなと。そういう感覚は強くありますが、やはり敗戦はしっかりと認めないといけない事実があるので。強い失望はあります」
−何人かの選手は8強入りが目標と話していた。残念ながら届かなかったがエキサイティングなパフォーマンスだった。この大会は8強にいけなかったが成功か。
「選手もすべて力を出し切ったゲームと、おそらく思っているでしょうし。良いサッカーは表現できたと思いますが、やはり、目標としていたこの試合を突破できなかったという結果に対しては成功ともちろん言えることはないですし。今W杯の戦いを、次につなげていけるかどうかというのが、サッカー界での意義なので。それを持って、4年後に本大会でのチャレンジが成功と言えるようなサッカー界にしてほしいなと思います」
−日本サッカー界全体として、勝ちきる弱さ、高さ対策などが次のステップアップへの鍵になるという感想は。
「その通りだと思います。攻撃に関しても、もっともっとステップアップできる部分はたくさんありますし、この1カ月のポジショニングにしても、選手のスピード、ポジショニング、コンビネーションが高まっていけばチャンスは広がる。攻撃のオプションというのは、精度が高まっていくと思います。守備も1対1で対応するのではなく、今日もベルギーの両サイドをどう消して攻撃していくかということになる。じゃあ、長友、酒井(宏)が対応してということではなく、グループでの守備力で個の力を消していく。それができましたけど、最後はやはり…。数センチ、0コンマ何秒の違いをもってやられてしまう。繰り返してしまうことだが、グループで人に行くのか、ボールに守備をするのか。そういうところで対抗、対応していく必要があると思います」
−セットプレーからの課題は、日本サッカーずっとの課題。これについてどう対策していく。
「ポーランド戦でFKから取られて。しかもFKを頭ではなく、足で取られたというのは相当なマーキングのミスなのか、無抵抗なのか。これは今遠征ずっと続いているので、もう分析はやめようと。出足、オフサイドトラップなどで対策も考えているが、フィジカルではないものがそこには。あらゆる策を対応しているが、最終的に圧力をかけられて、DFのポジショニングが川島の5メートル、10メートル前でやると勝てない。分かっていても勝てない、そこで勝負させられるW杯がそこにはある。下のカテゴリーでもそういうことがあるわけで。対策をしていても、相手の心拍数が高まっていないところでやられる悔しさはない。さらに対応策を考えていかないといけないと思います。FK、CKでやられる度に選手は。されど1点ですから。対応を考えたいと思います」
さらに追記:
ところで、
西野監督は、インタビューで勝ちきる弱さ、に対する返答で『最後はやはり……』と答えているのですけど。
それが、間違いだと思うのですよね。
ハードワークを繰り返した選手が疲労から、
足が止まる。視野が狭くなる。プレイ精度が落ちる。ミスが多くなる。
これ、人間なら当たりまえのことです。
日本の戦術について言えば、選手が一切疲労を感じず無尽蔵に動けるのなら、
最後まで互角に戦っていられた、と思います。
でも現実はそうならなかった。
その当たり前の前提を無視して、机上の空論を立てているから、
試合が進むにつれて戦術が崩壊するんですよ。
疲労が溜まってパフォーマンスが落ちた後半、
どうやって相手に対抗していくのか。
フレッシュな選手に入れ替えられるのはわずか3人。
残りの8人はくたくたなままなわけで。
それでも闘わなければならないのだけど、
それならそれで、パフォーマンスが落ちた状態をどのくらいと捉えて、それでも敵と互角に戦うにはどういう策があるのか。
ラインをコンパクトに中央にまとめて、ガチガチに固める、とか。
ボール回しに時間をかけて、
とにかく時間を潰すのか。
とかとか、
今の日本はハードワークのその先の策がまったく用意されていないから負けてるんじゃないのですかね。
この先の日本に必要なのは、
ハードワークの先で、
試合を成立させ、互角に闘うための戦術ではないでしょうかね。