世間様といいますかマスコミは『森友の文書書き換え問題』一色なのですけど。
この問題、未だに新たな文書が発見されたり、
証言の虚偽が明らかになったり、と、
底が見えないというか、
今世間に公開されている情報すら、この後ひっくり返ってしまう可能性もあるので、
現時点で、あれこれ語ることに意味はないと思うのですよねぇ……
まず、
徹底的な調査をしろ、と。
未だに、
第三者委員会とかではなくて、財務省とか政府が調査している状況ですし。
泥棒が手下を調べているようなもので、
これじゃあダメだろ、と思うのですけど。
まあ、そういうわけで、
なんかちょっとまとめておきたい気がしたのは、
このニュースです。
うーん、
多分NHKのチェックが甘かったんだろうなぁ……、
というか、この問題けっこう簡単に見えて、
なかなか難しいんですよ。
際どい、というか。際どいけど『アウト』って感じで。
たぶん『一線を越えちゃった』認識がNHK側にはなかったのだろうなぁ。と思います。
つまり、
デーモン風メイクのパロディキャラってのは、
これは他のマンガとかでもたまに使われたりしていて、
それで訴訟になった、というか。
訴えられた……ってのは聞かないので、
それで『セーフ』だと思ったのだと。たぶんそんな感じじゃないですか?
現場の感覚として。
まず、メイクだけ似せたキャラクターってのは問題ないわけですよ。
デーモン閣下のメイクはけっこう特徴的ですけど。
このメイクが『商標』とか『意匠』になっているわけではないので。
白塗りメイク、ってのは他の人でも使ってますし。
その上に描いている『隈取り』部分の色も形もかならずしも固定されていないので。
大まかな形は決まっていますけど、時々違う色のバリエーションとかも存在してますし。
髪型も違うバージョンとかあったりしますので。
こうなってくると、
この部分だけで特定、ってのは難しくなってきます。
つぎに『デーモン風』についてですが、
これも『悪魔』風です。と弁解すると、
『悪魔風のメイク』が似てるというだけで、
デーモン閣下の肖像権と結びつけるのは、ちょっと難しいです。
まだ切り抜けることが出来ます。
ところが、
今回はこれに『シンガー』という設定を重ねて、歌手というキャラクターとして出してしまいました。
こうなると、
かなり話が変わってきます。
どういうことか、
歌手で、白塗りに特徴的な隈取りメイクと髪型、それで『デーモン』を名乗っている……こうなると人物が特定されてしまいます。
それで『デーモン風』と名乗ってしまったのだから、
歌手としてデーモン閣下を真似た、という解釈が成立して、
『これはデーモン閣下の真似ですね』と言う事態になって、
『肖像権の侵害だ』となってしまうのですね。
たった一つ、条件が新たに加わっただけで、それも『歌手』を名乗って真似ただけ。
それがあるか無いかなのですけど。
ここが、『特定されるか否か』について、
けっこう大きな分かれ目だったりします。
たぶん、コレが『歌手』ではなくて、ただの侍キャラクターが『悪魔メイク』をしてただけなら、
こういう話にはなってないと思います。
デーモン閣下もここまでソックリのパロディを出されて黙っていたら、
『ソックリさん』の活動にお墨付きを与えたことになってしまうので、
つまり、モノ真似営業し放題を本人が認めた、って受け取られかねないですから、
当然『物言い』を付けざる得ないわけでして。
けっこう細かいのですけど。
条件を重ねすぎてしまうと、法律に触れることもあるわけです。
ただ、
これでも法律に持ち込んで『アウト』となるかどうか、その点は5分5分というところでしょうか。
……多分、
裁判官で判断が分かれる案件ではないですかね。
こう聞くと、
『まだまだ大丈夫』と考える人もいますけど、
ここまできたら『グレーゾーン』で
『相当ヤバい』リスクを背負っている、と受け取るのが普通です。
とくに、
後で、法律違反、賠償問題となった場合には、
今回放映した回は再放送禁止、破棄(DVDなどの記録媒体で配布とかネットでの配信とかも禁止)ってことになりますので。
なんで、
そんなリスクに手を出しちゃったんだろうなぁ。
普通は、
シナリオチェックの段階で、
相手に連絡を入れて許諾を貰うなり、ネタを差し替えるなりするはずなんですけどねぇ。
「言い逃れ不可能!悪意は無いのかも知れないが、無断で使用された事実にかわりはない。不快である。心身の損害を被っている」
デーモン閣下が、“お怒り”だ。NHKのアニメ番組で自身の肖像を無断使用されたとして、「組織としての誠実な対応」を求めているのだ。
閣下が3月15日に更新したブログによると、先月28日に放送された「ねこねこ日本史」(NHK Eテレ)の第64話「破天荒シンガー、高杉晋作!〜破天荒度MAX編〜」に登場したキャラクター「デーモン風高杉」が「『風』ではなく『吾輩』そのもの」だったという。閣下は「名前も含めて明らかに『吾輩の姿の無断使用』である」と指摘している。
そして閣下は、「番組制作の若僧どもに言いたい」と切り込んだ。
「何で当たり前の『許諾確認の段取り』が踏めなかったのかね?公共放送の看板の下、ためらいなくWeb上に画像を公開している思考回路も全く理解できない」
続けて、同じクリエイターとして進言した。
「そんな姿勢で『もの作り』に臨んでいるのであれば、どうせ大成などしない。とっととやめちまえ」
Twitterでは閣下の“お怒り”への賛同とともに、NHKの「ずさん」なシステムに疑問を投げかける声が上がっている。
《相撲中継でのお付き合いに関わらず、ちゃんと物申す閣下の姿勢は素晴らしいと思う》
《受信料は取るけど、著作権料は払わないってか》
《最低限の礼儀でマナー。ビジネスでなくても相手の同意確認を得るのは最初にやる手順》
また文中には「どこかの官庁の役人の様に『言わなければバレない』とでも思ったのかね?」「いくら勉強が出来ても、やるべきことが果たせなければ(または、やってはいけないことをやってしまうのであれば)優秀とは言えないのだ」とある。そうした言葉を受けて、《NHKというか「日本」に怒ってるような……》という声もあるが――。NHKの“対応”を待ちたい。