kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

体罰は禁止――では「どうするのか」を、なぜ真剣に議論しないのか?

今日の気になるニュース。もう一つは、


桜宮高校:女子部員にも体罰− 毎日jp(毎日新聞) 桜宮高校:女子部員にも体罰− 毎日jp(毎日新聞)

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毎日新聞 2013年01月26日 15時00分(最終更新 01月26日 19時12分)

大阪市立桜宮(さくらのみや)高校2年の男子生徒(当時17歳)がバスケットボール部顧問の男性教諭(47)から体罰を受けた翌日に自殺した問題で、顧問が女子部員にも日常的に体罰を加えていたことが分かった。複数のOBが目撃し、現役部員の保護者も証言した。女子部員への体罰の実態が明らかになるのは初めて。大阪府警などは学校関係者から事情聴取を始めており、顧問の日常的な指導状況についても実態解明を急いでいる。
OBや保護者らによると、同校のバスケ部には約30人の女子部員が在籍し、顧問が指導していた。練習試合などで消極的なプレーやミスをした女子部員に対し、他の部員の前で顔を数回にわたり平手打ちしたり、頭をこづいていた。男子部員の場合と異なり、練習中に手を上げることは少なかったという。少なくとも数年前から複数のOBらが目撃していた。
数年前に卒業したOBの一人は「男子に比べて手加減があり、頻度も少なかったが、自分が入部した当時から女子部員への体罰はあった」と証言した。
顧問は市教委の調査に対し、「強いチームにするためには体罰は必要。体罰が常習化していた」と話している。全国大会への出場を何度も果たした手腕からチームで絶対的な存在となり、一部の保護者らは体罰を黙認していた。【石戸諭、武内彩】

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今や、「日本一の愚連隊高校」の代名詞になってきた、大阪市立桜宮高校の体罰問題。
内容があまりもショッキングだったためか。それともマスコミや一部の政治家が騒ぎすぎたためか。騒動が全国に飛び火し始めました。


駅伝名門高の体罰監督、女子部員にも平手打ち : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) 駅伝名門高の体罰監督、女子部員にも平手打ち : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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高校駅伝の強豪校で知られる愛知県立豊川工業高校(豊川市)は26日、同校陸上部監督を務める男性教諭(50)が複数の部員に平手打ちなどの体罰を繰り返していたと発表した。
一部生徒が負傷し、転校や退学をしたケースまであったが、学校は県教委に報告していなかった。男性教諭は県教委の指示により、26日から指導を自粛している。
発表によると、男性教諭は昨夏の合宿中、男子部員の顔を両手で平手打ちし、鼓膜が傷ついた部員は9月に転校。10月には女子部員に2、3回平手打ちし、部員は12月に退学した。この2件について学校側は把握していたが、「保護者から表沙汰にしてほしくないという要請があった」などの理由で県教委には報告しなかった。このほか、平手打ちしたり、蹴ったりするなどの10件の体罰が行われていた。

(2013年1月27日14時08分 読売新聞)

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ネットにあがる意見には、「いまさら体罰? そんなの昔からあるじゃない。何言ってるんだよ」みたいな冷めた反応もありますけど。
でも、「じゃあ、スルーして何も変えなくて良いのか? 死んだヤツは死に損か?」と、思うわけですよ。
体罰で生徒が死ななければならない社会がおかしいよ」と声をあげる。「どう変えたらいいんだろう?」はその次の話で。
まず、「今の価値観はおかしい」とみんなが共通の認識を持つ、そのために声をあげることは、それだけで十分に意味がある。
だって、民主主義ってそういうことじゃないですか。
一人一人が声をあげることから始まるシステムこそが、民主主義じゃないですか。議員制や選挙制度は、あくまでそれを具体化した「制度」であって。
根幹は個人の意見の発露が根本のはずです。
……なんか、話がそれたな。
だから、何がいいたいのかというと「昔からある習慣なのに、何をいまさら」というのは、民主主義の放棄だと思うのですよ。


で、本題。
今回の体罰事件、以前にも似たような事件がありましたね……「戸塚ヨットスクール事件」とか。このときは生徒の自殺ではなく、指導側の過失で生徒が死亡したのでしたけど(裁判では傷害致死と判決)。
他にも、似たような事例は山ほどありますし。今もあるでしょう。
教育学の中でも、「永遠の命題」と言っていいテーマだと思います。それだけ非常に複雑で難しい問題です。
正直、教育者にとって唯一無二の回答はないのではないか。というのが私の率直な感想です。
というのも、
以前は、親権つまり親の躾の中で「体罰」ということは、社会的に許容されていた……今でも許容されている、のですけど。「お尻をたたく」とかね。
でも、その一方で、この親の躾も度が過ぎると「児童虐待」として処罰されるわけです。
子供の教育において、絶対的な存在である肉親でさえ、一つ間違えたら「犯罪者」になる世の中……別にそういう世の中が悪い、と言っているのではなくて。
社会一般の教育に対する認識は、子供の権利に関する認識は、時代とともに変遷している、という現実。がある。
それにあわせて、「体罰」の内容についても、なぜ行使したらいけないのか。についても、
その時代の意識に合わせて、議論を深めていかなければならない。「ずっと同じまま、変わらない」ということは、絶対にありえないのですよ。


いま、にわかに騒がしくなった「体罰」議論を聞いていると。そういう視点が欠けているので、かつて先生を目指していた者としては「危ういなぁ」と思ったりするのです。

追記:
ここまで書いたので、体罰に関して私見をまとめておくと。
法律で明文化されているように、「原則禁止」しかないように思います。
結局、「体罰は、『教育指導』なのか『暴力』なのか」それを決めることができるのは、受けた当人である生徒だけなんですよね。
今回問題になった桜宮高校生徒の自殺の件だって。生徒が自殺して「これは指導です」と許容することが、誰も目から見ても無理になったから。事件化したのであって。
仮に生徒が生きていて、「これは指導です」と言わされ続ける環境にあったら。問題は表面化しなかったでしょう。
当該高校の体育科は、何の問題もなく今なお活動を続けていたはずです。
生徒を保護するためには、一般社会で『暴力』『傷害』となる手法は、一律禁止するしかないと思います。
こういう風に書くと、「実力行使できない教師では、生徒に必要な指導(だいたいは親の躾にあたる代替行為、監督)をすることは不可能」だ。
と力説する人もいますけど。
私は、学校教師はそういう指導を出来なくて、よいと思っています。
一歩間違えたら『傷害事件』にもなるリスクを教師に背負わせて指導しろ、というのは、
どう見ても得られる報酬と釣り合っていません。
学校教師にそこまでの成果を求めるのなら、毎日危険手当を加算してあげるべきではないでしょうか。
……うーん、書いていて現実的では無いなぁ。
暴力を使わない手法を、全国から集めて集中検討、研究を進めるしかないのかなぁ。