kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

まー、こういう話もあったり …… ――  新型コロナウイルス「生物兵器論」は本当なのか

いわゆる陰謀論、というヤツです。
これだけ
世界規模の派手な大騒動、危機になると。
出てきますよねぇ。
やっぱり。
最近、
世界を騒がせている新型肺炎
これについて、
ネットの一部界隈では、
『中国が作った生物兵器ではないのか』との噂が
繰り返し取り上げられています。
私は、
この見方については否定的。なのは。
すでにチョロッと書いた通り、なのですが……
その理由について、
もう少し詳細に述べますと。
『兵器』として考えた場合、
新型肺炎の持つ特性が、
あまりにも内容がお粗末すぎる……点が挙げられます。
まず、
致死率が低すぎます。
現状で明らかになっているデータでも明らかなのですが、
感染力は強い。
けれども、
重篤化する割合、毒性はかなり低い。
致死率で言えば、
インフルエンザ以下の様相を示しつつあります。
この結果を
『兵器』として考えた場合、
効率が悪すぎますよ。
感染力が強い、というのは、
対象を選べない。
誰彼構わず影響が広がってしまう。
ということであり。
それでいて、
毒性が低い。のでは
狙った対象に効果を上げる、
短期的な戦果は見込めません。



この手の
生物兵器を使用する場面は、
たいていが『暗殺』なんですよねぇ。
特定対象に罹患させて、
証拠を残さずに『病死』として殺害する。
道具。手段。
旧ソ連、ロシア系で使われていたりする、
とか考えられています。
でも、
世界的な流行を発生させてしまうような
内容では。
中国自身の首も絞ってしまいますから。
危なくて使えません、って。
今回の新型肺炎に関する
特性を検討した場合。
『兵器』としては欠陥が多すぎるのです。



ただ、
一方で。
バイオハザード』の可能性は、
あるかもしれないなぁ。
とは
思っています。
かつて
中国・香港を中心に流行して猛威を振るったSARS。
これは
未だにワクチンが開発されていない、
『未知の脅威』肺炎です。
世界で
ワクチンの研究開発を続けているうちに、
いつの間にか感染が終息して。
ウィルス自体が世の中から消えてしまいました。
で、
このSARSのワクチン開発を、
中国が今でもほそぼそと続けていた。
その可能性は、
十分にあり得るでしょうねぇ。
何かの拍子に、
SARSが中国内でもう一度発生、流行したら。
有効な治療法が確立されていないと
中国政府が大変困りますから。
当時
最大の被害国であった
中国が、
治療法確立のために、
SARSウィルス株をアレコレといじくって、
コツコツ研究していた。
と。
これは、
十分にあり得る内容です。
で。
この
研究用に作った、
SARSウィルスの扱いを間違えて、
外部に流出させてしまった。
たとえば
ウィルスに感染させた
実験用マウスが外部に逃げ出して。
それらの感染マウスを
周囲の野生動物が捕食。
そうして
ウィルスに感染してしまった
感染肉食動物を。
今度は
人間が捕食。
と。
こういうバイオハザードが中国内で起きた。
その可能性はあり得るだろうなぁ。
ちなみに、
武漢
中国政府のウィルス研究施設があるそうな。
それで、
地元・武漢では、
早くから、
今回の新型肺炎の発生地は、
市場ではなくて。
このウィルス研究施設が起こしたバイオハザードだ、
と噂されていたそうな。
当初、感染源と目されていた
「華南海鮮市場」
ここに全く出入りした覚えのない人が、
感染初期の患者の中に、
けっこうな数がいるそうで。
では、
その人達は、どこで感染したのか……
と推測すると。
武漢にあるウィルス研究所が怪しい。
という話になるのですねぇ。
ただ、
この場合でも。
研究所の中で作っていたウィルスが
そのまま人間に……
その間の繋がりの強さがどこまであるのか。
繋がりを問えるのか。
という問題があって。
これが、
なかなか難しい。
研究員がウィルス拡散させました、という自白があれば
分かりやすいのですけど。
研究員が無自覚で拡散したウィルスが
野生化して、
さらに変異して拡散した
可能性もありますし。
そうなると……
もう作った本人だって
何がなんだか、ってレベルでしょうねぇ。

 

 

 

 

toyokeizai.net

 

陰謀論者は科学を信じません。私は国の専門機関が調査を行い、私たちの潔白を証明してくれることを望んでいます」。中国科学院武漢ウイルス研究所の女性研究員である石正麗は、2月4日、財新記者の取材に返信してこう述べた。「私自身の言葉には説得力がありません。私は他人の考えや言論をコントロールすることはできないのです」
本記事は『財新』の提供記事です


石正麗は、中国科学院の新興および劇症ウイルスとバイオセーフティーの重点実験施設の主任や武漢ウイルス研究所新興感染症研究センターの主任、河北省科学技術庁「2019新型肺炎救急科学技術難関攻略研究プロジェクト」救急難関攻略専門家グループのグループ長を務めている。
新型コロナウイルス肺炎の感染拡大が厳しい状況を迎える中で、彼女の所属する実験施設が新型コロナウイルスの発生源ではないか、という「疑惑」の渦中へと巻き込まれた。
新型コロナウイルスは人間が造った生物化学兵器だ」「新型コロナウイルス武漢ウイルス研究所の実験施設から流出したものだ」……。新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、新型コロナウイルスと中国科学院が武漢に持つウイルス研究所との間に関連があるとソーシャルメディアで発信する人が後を絶たない。
公開されている資料によれば、中国科学院が武漢に持つウイルス研究所は中国で唯一のバイオセーフティーレベルP4の実験施設を有している。石正麗は当該実験施設の副主任であり、バイオセーフティーレベルP3の実験施設の主任だ。
P4とは国際基準で危険度が最も高い病原体を扱えるバイオセーフティーレベル(BSL)の最高防護レベルを表し、高度に危険な研究やいまなおワクチンや治療方法が知られていない病原体を専門的に扱う研究施設で用いられる。


噂は人々の心の中に疑惑を植え付け、想像をかき立てた。例えば、なぜ武漢に集中して新型ウイルスが拡散しているのか。なぜウイルスを人に伝えた病原体、つまり中間媒介に当たる宿主が見つからないのか。ウイルスのもともとの宿主はコウモリであり、そして石正麗の実験施設はまさにコウモリに関するウイルス研究における学術的な権威なのだ。
石正麗のチームはかつて2017年に、SARS重症急性呼吸器症候群)ウイルスがいくつかのコウモリを起源とする、SARSコロナウイルスが変異したものであることを突き止めた。新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大して以降、石正麗のチームは1月23日に、生物学論文のプレプリント・プラットフォーム(注:論文原稿を査読の前にいち早く公開するためのサーバー)であるbioRxivで、「新型コロナウイルスの発見とそれがコウモリを起源とする可能性について」という研究論文を発表した。
その研究の中で、新型コロナウイルスと2003年のSARSウイルス(SARS-CoV)のDNA配列の一致率は79.5%、雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスとの一致率は96%に達していることが明らかにされており、コウモリが新型コロナウイルスの起源である可能性が示されている。
この研究はすでに実験レベルにおいて新型コロナウイルスSARSウイルスの関連性を証明しており、またその起源がコウモリである可能性を示している。この論文は査読を終えた後の2月3日、国際的なトップレベルの学術ジャーナル誌『ネイチャー』で発表された。
外部からの疑惑と非難に直面した石正麗は、2月2日、微信(WeChat)のモーメンツで怒りに燃えて次のように反応した。「2019年の新型コロナウイルス大自然が人類の愚かな生活習慣に与えた罰だ。私、石正麗は自分の命をかけて保証する。実験施設とは関係がない。不良メディアのデマを信じて拡散する人、インドの科学者の信頼できないいわゆる学術的な分析を信じる人にご忠告申し上げる。お前たちの臭い口を閉じろ」と。
その後、石正麗は財新記者に対して、専門的な問題を専門家ではない人々とは議論したくないと説明し、「話が通じない」「無益で、時間の浪費だ」と語った。彼女はまた「私があなたに言えるのは、私たちが合法的にルールにのっとって実験活動を行ってきたということです」と述べた。


最も早く石正麗の実験施設と新型コロナウイルスとを関連づけた言説の1つは、1月下旬のものだ。中国中央電視台CCTV)で2018年に、武漢ウイルス研究所が主導する科学技術チームがコウモリに起源を持つ新型コロナウイルスの一種(SADS-CoV)を発見した、と報道されていたのをある人物が見つけ、新型コロナウイルス(2019-nCoV)との関連性があるのではないかと臆測した。
実際には、2018年に発見されたのは「豚急性下痢症コロナウイルス」で、新型コロナウイルスとは分類学上異なる種類のウイルスだ。二者のDNA配列の相似率は50%であり、そこには大きな隔たりがある。
それに続いて、別の人物が国際医学誌の『Nature Medicine』で2015年11月9日に発表された石正麗が関与している研究論文を見つけた。当該研究論文は中国馬蹄コウモリで見つかったSARSに似たコロナウイルスの一種(SHC014-CoV)が疾病を引き起こす可能性に関するもので、研究者はSARSの遺伝子をリバースジェネティクス(逆遺伝学)の手法を活用して一種のキメラ・ウイルスを生成ならびに同定した。
簡単に言えば、このキメラ・ウイルスはSHC014の表面タンパク質とSARSウイルスの骨格によって構成されている。キメラ・ウイルスは人体の呼吸器細胞に感染できたので、人体細胞のキーとなるレセプターと結合して感染するのに必要な仕組みを、SHC014の表面タンパク質が備えていることが証明された。
キメラ・ウイルスはネズミの疾病を引き起こしたが、死に至らしめることはなかった。研究論文では、コウモリの間で現在流行しているウイルスがSARS-CoVSARSウイルス)の感染拡大を再び引き起こす潜在的なリスクについて述べられている。
指摘する必要がある点は、この論文には全部で15名の執筆者がいることだ。執筆者たちはそれぞれアメリカのノースカロライナ大学、アーカンソー州やジェファーソン市の食品薬物管理局国家毒物学研究センターなどに所属しており、そのうちの2名が中国科学院武漢ウイルス研究所の研究者である葛行義と石正麗なのだ。
執筆者の中で、葛行義は偽型実験を担当し、石正麗はSHC014の棘突起タンパク質のDNA配列とプラスミドを提供している。実験の計画と実施はどちらもノースカロライナ大学チャペルヒル校の実験施設で進められた。


疑問を呈する人々はこの研究を根拠として、新型コロナウイルスが4年前の実験によって改変されたウイルスであり、実験施設から流出したという可能性について論じている。
彼らはまた、『ネイチャー』の経験豊富な記者デクラン・バトラー(Declan Butler)が2015年に書いた記事や、パスツール(Pasteur)研究所のウイルス学者ウェイン・ホブソン(Simon Wain-Hobson)がかつて述べた「もしウイルスが流出したなら、その拡散する経路は誰にも予測できないだろう」という言葉を引き合いに出している。
その後、この都合よく背景と前後の因果関係を切り取られた情報は、ソーシャルメディア上で広められた。石正麗と彼女のチームを「実名で通報」したり、直接顔を合わせて問いただしたりする人々さえいた。ここで述べておかなければならないのは、それらの疑惑を呈した人々はいずれもウイルス関連分野の専門家ではなかったということだ。
財新記者は『ネイチャー』のバトラー記者が書いた上記の記事を調べてみた。実際には、バトラー記者の記事は中立的な立場で、彼は異なる2つの見方を両方とも引用しており、「機能獲得性研究」が引き起こした議論について詳述している。
ウイルスの「機能獲得性研究」とは、実験施設の中で病原体が持つ毒性や拡散の容易性を増強するか、またはウイルスの宿主の範囲を拡大し、ウイルスの特性を研究し、新しい伝染病として評価する研究手法を指す。
バトラー記者の記事によれば、ある専門家はこの種の研究に反対している。例えば、ウェイン・ホブソンがそうした実験に反対する理由は、この種の研究には何ら有益な点がなく、コウモリの体内に潜む野生のSHC014ウイルスが人間にもたらすいかなるリスクをも明らかにするものではないと考えているからだ。
アメリカのラトガース大学に所属する分子生物学者であり、ワクスマン微生物研究所の実験施設主任でもあるリチャード・エブライト(Richard Ebright)は、「この種のプロジェクトのもたらす唯一の成果は、実験施設の中で新しい非自然的なリスクを作り出すことだ」と考えている。ウェイン・ホブソンとリチャード・エブライトは共に「機能獲得性研究」を長年にわたって批判している研究者だ。
報道によれば、アメリカの国立衛生研究所(NIH)は、2013年10月から、この種の研究に対するすべての援助を一時的に停止しているが、この実験が当該機関による審査期間中は継続されることを許した。この種のプロジェクトには研究を停止させるほどのリスクが認められないとNIHが結論を下したからだ。


だが、この種の研究には確かに有益な点があると考える学者もいる。例えば、研究組織「生体健康連盟」の総裁であるピーター・ダザック(Peter Daszak)は、この種の実験が取り急ぎその危険性を考慮しなければならない病原体を識別する助けになり、いっそうの関心を集めることができる、と考えている。彼は例を挙げて、もしこの研究が行われなかったなら、SHC014ウイルスは今でも脅威とは見なされていなかっただろうと述べている。
科学者たちはこれまで、分子の水平モデリングとそのほかの研究に基づいて、このウイルスが人には感染しないと考えていたが、実験によって初めてこのウイルスがすでに人のレセプターと結合できることが明らかにされたのだ。ピーター・ダザックはかつて石正麗のチームと一緒に協力して科学研究を行ったことがある。
国内の生物化学の専門家の1人が財新記者に解説してくれたところによると、バイオセーフティーを保証できるという前提のもとで、この種の病原体の機能獲得性研究は、ウイルスの作用や拡散の仕組み、特性をいっそう深く認識し、未知のウイルスをよりよく予防するのに役立つそうだ。
「細菌についての研究は相対的に進んでいますが、動物に由来するウイルスについてわかっていることはまだまだ多くありません。もしウイルスを研究するなら、獲得性の機能研究が確実に必要とされるでしょう。ただし、各種の流出を防止しなければなりません」と、その専門家は語っていた。「科学はもろ刃の剣なのです」と。
これまでに述べた石正麗とその実験施設について疑惑を呈した人々はみな非専門家だった。だがその後、インドの科学者がbioRxivで公表した論文(現在は撤回されている)が新たな議論を引き起こした。
1月31日、インドのデリー大学とインド理工学院に所属する研究者たちが、bioRxivで「2019新型コロナウイルス棘突起タンパク質に含まれる独特な挿入配列とエイズウイルスのHIV-1 dp120、Gagタンパク質との間で見られる奇妙な相似性」という研究論文を発表した。
簡単に言えば、彼らは新型コロナウイルスSARSウイルスの棘突起タンパク質の配列を比較し、SARSウイルスと比べると新型コロナウイルス棘突起タンパク質には4つの新しい挿入配列があることを発見したのだ。その後、彼らはこの4つの挿入配列をデータベース中の配列と比較した結果、4つの挿入配列がともにエイズウイルスのタンパク質配列の中にあることを見つけた。
この研究論文によれば、この種の特異な同一性/相似性が自然界の中で偶然に起こる現象とは考えられず、またこの4つの挿入配列は新型コロナウイルスに独特なもので、そのほかのコロナウイルスには存在しない、とされている。
このニュースがまたもやネットユーザーの想像と臆測――新型コロナウイルスは、SARSウイルスとエイズウイルスを人工的に合成したものなのではないか、という疑いを引き起こした。
しかし、その後、このインドの研究者たちは研究論文を撤回している。現在のところ、この研究論文のURLには論文のタイトルしか残っておらず、アブストラクト(要旨)には「当該論文は執筆者によって撤回されました。執筆者は同じ分野の研究者による該当論文の手法と結論、解釈に対するフィードバックに基づき修正を行うつもりです」という文章に置き換えられている。
研究論文の執筆者の1人がbioRxivにコメントを残しており、次のように述べている。
「これは初期段階の研究です。私たちには陰謀論にその議論の根拠を提供する意図はありません。私たちは同じ分野の研究者たちがbioRxivおよびその他の場所で行う批評と査読を尊重していますが、このストーリーはすでにソーシャルメディアとニュースメディアにおいて異なる仕方で解釈され、拡散してしまいました。
世界的な範囲でいっそうの誤解と混乱を引き起こす事態を避けるため、私たちは現在のプレプリント版を撤回し、さらなる分析を行ってから修正版を提出することに決定しました」
bioRxivも公式サイト上に黄色の「警告」テープを表示して、次のように述べている。「bioRxivは新型ウイルスと関係のあるたくさんの新しい研究論文を受け取っています。必ず以下の点にご注意ください。
これらの研究論文は同じ分野の研究者たちによる査読をまだ受けていません。決定的な結論を述べたものだと見なされるべきではありませんし、臨床試験や健康と関わる行為についての指針ともなりません。また、既成事実としてニュースメディア上で報道されるべきでもありません」。
実際に、インドの研究者たちによる研究論文の結論には、研究論文が撤回される前から多くの国際的な専門家たちにより疑問が呈されていた。アメリカのスタンフォード大学に所属する生物化学の助教授シルヴァーナ・コナーマン(Silvana Konermann)は、インドの研究者たちの研究論文を調べた結果、いわゆる相似性は偽物だったと発見したとTwitterで述べている。
「彼らは新型コロナウイルスSARSウイルスを比較して、4つの新しく挿入された遺伝子配列を発見しました。そのうち2つはすでにコウモリのコロナウイルスの中で発見されているものです。残りの2つの挿入配列のうち、1つはHIVウイルスの配列にいちばんよく似ていますが、非常に短く、偶然性が高いとはいえません。
もう1つの挿入配列とHIVウイルスを除く13種類のウイルスの配列はより似ていますが、これらの相似性も偶然性が高いというわけではありません(挿入部分の大きさとウイルスのタンパク質データベースの大きさから考えて)」
アメリカのワシントン大学 医学部とゲノム科学部の副教授であり、フレッド・ハッチンソン(Fred Hutchinson)がん研究センターに所属する生物情報学の専門家トレバー・ベッドフォード(Trevor Bedford)はTwitterで、「自ら比較を再現してみた結果、これらの短い挿入配列が確かに新型コロナウイルスに存在することを確認したが、これらの挿入配列は多くの種類の生物(の配列)とマッチングするもので、HIVウイルスの配列だと結論する理由はない」と、述べている。


アメリカのオハイオ州立大学・ウイルスと新興病原学センターの主任である劉善慮はオンライン学術メディア「知識分子」のインタビューを受けたときに次のように指摘している。
「科学とウイルス進化の角度から述べれば、コロナウイルスと逆転写ウイルスであるエイズウイルスの間には大きな違いがあります。相同性が低すぎるため、DNA間で組み換えが起こる可能性が低いのです。
さらに、経験からいえば、私たちが比較するすべての遺伝子配列の中ではいつも、数十個のヌクレオチドまたは数個のアミノ酸がいくつかのまったく関連のないものと完全に、または非常に似ていることが発見されています。でもそこには何ら生物学的な意義はありません」
多くの専門家が、新型コロナウイルスに存在しそのほかのコロナウイルスには存在しないこの挿入配列がHIVウイルスの中で発見された配列に類似していると考えている。だが、大切な点は、これらの遺伝子の暗号配列がそのほかのウイルスにも存在することだ。それらがすべてHIVウイルスから来たと信じる理由はない。
2020年1月21日、「中国科学:生命科学」英語版はオンラインで掲載した研究論文において、武漢コロナウイルスが人に感染する仕組みを明らかにした。武漢コロナウイルスは、S-タンパク質が人のACE2と相互に作用する分子の仕組みを通して、人の呼吸器官の表皮細胞に感染する。
研究論文を執筆した研究者の1人である中国科学院上海パスツール研究所の研究員 ?沛によると、「人体に作用する仕組みが一致しているところから見て、武漢コロナウイルスの感染能力はSARSウイルスと同程度であると考えられるが、感染能力はウイルスの拡散度合に影響する要素の1つにすぎない」という。さらにウイルスの複製、ウイルスが拡散する経路など、ウイルスの拡散度合に影響を及ぼす要素はほかにもある。
1月22日、北京大学、広西漢方薬大学、寧波大学および武漢生物エンジニアリング学院の研究者たちが連名で、「Journal of Medical Virology」のオンライン版で研究論文を発表した。その研究によれば、新型コロナウイルス2019-nCoVは、コウモリのコロナウイルスと起源が未知のコロナウイルスとの間で遺伝子が組み替えられることによって発生したウイルスであるらしい。
では、結局のところ、新型コロナウイルスが人工で製造された、遺伝子工学の産物である可能性はあるのだろうか? 財新記者は多くの専門家や研究者をインタビューしたが、彼らの一致した判断は、「不可能」だ。


トレバー・ベッドフォードは財新記者に、新型コロナウイルス遺伝子工学を起源とすることを示す証拠はないと語った。彼の解説によれば、コウモリの身体に見られるウイルス(RaTG13コロナウイルス)と相互に比較すると、新型コロナウイルスに存在する遺伝子の差異は自然進化によるものと一致する。
「もしゲノム編集(遺伝子編集)したウイルスであれば、大量の遺伝物質を置換する必要がありますが、今のところその種の痕跡は観察されていません。反対に、自然進化したと思われる、まばらで分散的な変異しか見られません」
トレバー・ベッドフォードオープンソースのウェブサイト(nextstrain.org)を開設し、各種の病原体の遺伝子配列についての分析と可視化を行えるようにした。
その中には以前から知られているコロナウイルスのファミリー(コウモリ、ハクビシンSARS)の遺伝子配列の系譜から、世界的なインフルエンザウイルスの共有データベースGISAID(Global Initiative on Sharing All Influenza Data)で共有されている新型コロナウイルス関連肺炎患者53人のウイルス遺伝子の全配列が含まれている。
ベッドフォードは、ウイルス間のヌクレオチドの差異とほかのコロナウイルスの仮定突然変異率の推計を結び合わせて、RaTG13コロナウイルス新型コロナウイルスという2種類のウイルスは「25~65年前に1つの共同の祖先から生まれた」としている。つまり、RaTG13ウイルスが新型コロナウイルスへと変異するには数十年の時間が必要だろうということだ。
ベッドフォードの分析によれば、RaTG13コロナウイルス新型コロナウイルスの間には1100個近いヌクレオチドの差異が認められる。これと比較できるのは、ハクビシンコロナウイルスと人のSARSウイルスとの間に認められる差異がたった10個のヌクレオチドにすぎないという点だ。


中国科学院の生物情報学分野の研究者の1人が財新記者に述べたところによれば、新型コロナウイルスは「どう見ても天然のもので、人工のものである可能性はない」。その根拠としては、新型コロナウイルスの全配列の分析によって、その遺伝子配列が雲南キクガシラコウモリに存在するRaTG13コロナウイルスと最もよく似ていることが明らかになっており、その一致率が96%に上ることが挙げられる。
ただし、この4%の遺伝子の差異は極めて大きい。人とマウスの遺伝子の相似度も90%に上るからだ。このような差異を人工的に補填することは決してできない。なぜなら、新型コロナウイルスは3万個近いヌクレオチドを持ち、4%といえば1200カ所の遺伝子変異に当たるからだ。「大自然だけがそのようなことを行えます。長年にわたる進化がこのようなウイルスを造り出したのです」と、この研究者は述べている。
そのほか、ウイルスが遺伝子断片を失うのはよくあることで、そうやって自己をスリム化し、ウイルスは各周期にゲノムを合成する。ウイルスにとっては機能がシンプルであるほど効率が高い。しかし実は、逆にウイルスが遺伝子断片を獲得して自己に挿入するのは難しいのだ。
「(陰謀論者は)人類の偉大さを買いかぶりすぎています。人が(これらの遺伝子断片の挿入を)実行できるとしても、どうして1200カ所もの遺伝子変異を作り出す必要があるのでしょうか? わずかな改変ではダメなのですか? なぜこんなに複雑なことを? 結果を自分でも制御できないのに?」
アメリカのペンシルバニア大学医学部の副研究員である李懿澤は財新記者に、新型コロナウイルスを実験施設で製造するのは不可能だ、と述べた。


「実験施設でウイルスを製造するには遺伝子のリバースジェネティクス(逆遺伝学)が必要です。そしてその核心は配列のつなぎ合わせですが、配列のつなぎ合わせには人工的に酵素の一種であるエンドヌクレアーゼを導入する必要があり、そうすると人工的に改変された痕跡が残ります。
配列の中に(エンドヌクレアーゼが)人工的に導入された箇所が見つかれば、基本的にはそのウイルスが人工的に製造されたものだと認められるでしょう。そのような痕跡を残さないことは不可能です。そして、新型コロナウイルスには人工的に導入されたエンドヌクレアーゼの痕跡がありません。ですから、実験施設で製造されたものである可能性はありません」
前述した「機能獲得性研究」の批判者であるリチャード・エブライトは、現在の時点におけるウイルスの遺伝子配列の分析に基づけば、ウイルスがゲノム編集されたということを証明する実質的な証拠はない、と財新記者に語った。
だが、彼は次のように注意を促している。ウイルスがゲノム編集されたかどうか(この種の可能性はすでに排除されている)とウイルスが実験施設での事故によって人々の間に広まったかどうか(現在のところその可能性は排除できない)は分けて考えなければならない。これは重要な点だ。
「今すぐ感染拡大に立ち向かうのが最も重要です。感染拡大が終結した後、法科学調査(forensic investigation)を行い、感染が爆発的に拡大した今回のウイルスの起源を確定する必要があるでしょう」と、彼は述べている。


アメリカのオハイオ州立大学 獣医予防学の終身教授である王秋紅も、最近「中国科学報」のインタビューを受けたときに政府の介入を呼びかけている。彼女は、感染拡大が発生して以来、とても多くのデマが出現したことを指摘した。
ある者はウイルスが中国科学院武漢ウイルス研究所によって製造されたものだと言い、またある者はノースカロライナ大学チャペルヒル校のラルフ・バリック(Ralph Baric)実験施設から流出したもので、バリック実験施設ではかつてSARSウイルスをマウスに感染させる実験を進めていたと言っている。
「国が専門家チームを設立してデマを打ち消すことを切に希望しています」と、彼女は述べている。「現在、遺伝子配列がすでに公表されています。この配列の分析から、ウイルスが人工的に製造されたことを示す箇所は見つかりません。実験施設から流出したものである可能性はないのです。完全に自然界のウイルスです」
1月31日に『ネイチャー』が掲載した記事によると、大多数の研究者が、ウイルスの遺伝子配列は、新型コロナウイルス武漢のウイルス研究所から来たものだという見方を否定している、と考えている。

かつて石正麗と協力して研究を行ったピーター・ダザックは『ネイチャー』に次のように語っている。「新しい疾病やウイルスが出現するたびに、いつも同じようなことが言われます。これは某機関が放出もしくは流出させたものだ、もしくはゲノム編集を施されたウイルスだ、といった具合です。残念なことです」。
確かに、重大な感染病の発生にはいつも似たような陰謀論がつきまとう。例えば、2003年にSARSが蔓延していた時期、「SARSは人工的に製造された兵器だ」というデマが一時期盛んに取り沙汰された。2014年、エボラが西アフリカのギニア共和国などで爆発的に感染を拡大したときにも、アメリカ人がエボラウイルスを製造したというデマがあった。
マサチューセッツ工科大学政治学部の教授であるヴィピン・ナラン(Vipin Narang)は、最近Twitterで次のような意見を表明した。今回の感染拡大が生物兵器によるものであることを示す証拠はない、故意にこの種のデマを拡散するのは「まったくもって無責任」なことだ、と。
「実際のところ、(もし仮にこれが生物兵器だったとしたら)本当にお粗末な生物兵器です。なぜなら、自分も害を被るリスクがあるからです。いい生物兵器は致死率が高く、感染力が低いものでなければなりません」と、彼は述べている。

 

それでもって、
昨日、民放のニュースで、
中国の習近平主席が、
バイオテクノロジー分野の
研究施設の管理強化、規則強化、研究体制の見直しを検討。
速やかに協議、
体制を改善アップグレードする。
とかなんとか、
声明をだした。
みたいなニュースが出ていたのですけど。
あれ、
何の機会でのコメントだったかなぁ。
ネット探したけど、
それらしい物が……みあたらないんだよなぁ。
その後の
ニュースでも
これに関する報道は一切、追加情報とかもなかったし。
そもそも、
元ソースが発見できない状況。困ってます……