以前から気になって追いかけていた、
『水虫薬睡眠成分混入』事件。
今から2ヶ月ほど前に、
突然ニュースになったかと思うと。
製薬会社『小林化工』が
違法な手段で
不正薬剤の製造を続けていた 事実が次々と明るみになって。
あれよあれよという間に
前代未聞の大事件へと発展。
昨年の暮れには
行政による立ち入り検査が
が行われて。
昨日、
ついに判決とも言える、
『116日間の業務停止命令』が下されました。
これは
企業に対する業務停止命令としては過去最長だそうです。
・
・
・
しかし、
なんといいますか。
これは、
前代未聞の大事件になるなぁ、と感じて。
私的に
この事件をずっと追いかけてきましたけど。
正直に言って、
私の想像を遙かに超えていました。
・
・
・
業務停止命令処分の発表に伴って、
これまでの調査結果が一緒に公表されているのですけど。
それが、
とにかくまあ酷い内容です(呆
たぶん、
調査を担当した役人も、
ここまで酷い実態だったとは予想していなかった、というか
想像できなかった、のではないでしょうか。
だって、
法令を無視して
違法な手段で薬を製造していたのが、
15年以上も前から今まで続けていた。
とか、
会社幹部は違法製造の事実を把握しながら、
放置していた……というよりも、
不正な原材料の調達、使用を、
会社側で把握しながら
問題ナシとして通していたわけですから。
会社ぐるみで違法製造を許可してした、
という状況。
メディアなどを通じて公表されている情報は
全容のほんの一部に限られているのですが。
そんな限られた範囲の情報公開でも、
これだけの異常な事実が並んでいて。
どう見てもヤバいです。ヤバすぎますよ。
まともな神経では、
理解不能な実態です。軽くホラーです(怖
・
・
・
メディアの報道では、
今回の事件の背景として。
ジェネリック医薬品の値段、
安価に提供されている市場動向があって。
これは、
私も病院通いをしていて、よく分かるのですけど。
ジェネリックだと、
大手メーカーの薬剤と比べて。
薬価が
数分の一から、
物によっては十分の一以下になることもあります。
安価な物は、
それこそ
インドとか中国とか人件費とか法規制とか、
日本と比べて低コストで済む国で大量生産された物が
混じっていたりしますから。
もちろん、
それらも日本国内で
きちんと審査を受けて安全が確認されているのですけど。
これだけ、
薬価に差が付くとか、
日本国内で薬を作っている
製薬会社にかかるプレッシャーは
並大抵の物ではなかったでしょう。
そういう理屈は
素人の私でも十分以上に理解出来ますが……
だからといって。
『安かろう悪かろう』で。
成分デタラメでも
とにかく作ればいいんだ、とか。
そういう考えは許されませんよねぇ。
・
・
・
というか、
こんなムチャクチャな操業実態で、
デタラメな成分の薬を製造していたら。
いつかは摘発される、と
誰でも
簡単に想像つくだろうに。
最初はすぐにバレると思っていたのが、
何事もなく
進んで。
収拾つかなくなってしまったのかな。
だからって、
許される話ではないですけど……
水虫治療薬に睡眠導入剤混入 小林化工に116日間の業務停止命令
福井県の医薬品メーカーが製造した水虫などの治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題で、福井県は、法令順守の意識が欠如し、品質管理の体制に重大な問題があるとして、過去最長となる116日間の業務停止命令を出しました。
福井県あわら市の「小林化工」が製造・販売する水虫などの真菌症の治療薬に睡眠導入剤の成分が混入した問題では、処方を受けた人の7割近い239人から健康被害が報告されています。
厚生労働省によりますと、因果関係は分かっていないものの服用した2人が死亡しているということです。
福井県と厚生労働省は、去年12月に合同で立ち入り調査を行うなどして混入の原因や品質管理の実態について調べてきました。
その結果、製造工程で原薬を継ぎ足そうとして、睡眠導入剤の成分と取り違えていたことが確認されたということです。
原薬を継ぎ足すことは国が承認しておらず、本来、2人で行う原薬の取り出し作業も、人員が不足していたために1人に任せていたということです。
さらに一部の品質試験を行わずに結果をねつ造し、県の立ち入り検査に備えて虚偽の記録も作成していたうえ、品質試験で異常が見つかっても原因を調査しないまま出荷していたとしています。
また、ほかの医薬品全般でも少なくとも平成17年から虚偽の記録の作成や、行政上の手続きをしないまま製造方法の変更などが行われ、経営陣や製造管理者も黙認していたということです。福井県は、小林化工に対し、法令順守の意識が欠如し、品質管理の体制に重大な問題があるとして、9日付けで過去最長となる116日間の業務停止命令を出しました。
合わせて役職員の教育や品質管理の体制の見直しなどを命じる業務改善命令も出し、改善が確認されるまで製品の出荷の再開を認めないとしています。
9日午後3時から福井県庁で県健康福祉部の窪田裕行部長が小林化工の小林広幸社長に業務停止命令の命令書を手渡しました。
この中で窪田部長は「健康被害を受けた人や医薬品製造全体に対する信頼、さらに地域全体に与えた影響を踏まえると116日間は決して短い期間ではない。全社をあげて再発防止に全力を尽くしてほしい」と述べました。
命令書を受け取った小林社長は、報道各社の取材に対し「甚大な健康被害を起こした被害者のかたに対して心から深くおわびします。また福井県民の皆様にも多大なる迷惑をかけたことを深くおわびします」と述べ、陳謝しました。小林化工は、9日午後5時半すぎから本社で会見を開きました。
この中で小林社長は、県が116日間の業務停止命令を出したことについて「本来含まれるべきでない睡眠剤の成分が混入し甚大な健康被害が発生したこと、また多数の製品の出荷停止と自主回収によって患者や医療関係者に多大なるご迷惑をおかけしました」と陳謝しました。
そのうえで「経営者としての責任は極めて重く、しかるべきタイミングで職を辞する」と述べ、今後、問題の責任を取って社長を辞任する考えを示しました。
また小林社長は、一連の問題の原因について「経営層が問題を認識しながら医薬品の安定供給を理由に問題の是正を後回しにしてきた結果にあると認識している。このような事態を二度と起こさぬよう、法令順守と信頼回復に努めていく」と述べました。さらに、小林社長は「2005年から3年間、製造現場の最高責任者だった。当時、国からの通知に基づいて製造実態の確認を行ったが、相当な数の製品で簡単に解決できないような違った添加物を加えるなど、重大なそごがあった」と述べ、16年前の2005年ごろから違法行為があったことを認識していたことを明らかにしました。
そのうえで「その時点で薬を回収すべきだったし、製造販売を中止する判断をすべきだったと思うが、販路拡大を、私自身が積極的に行っていたので、一度にこれだけの品目をやめるわけにはいかないという認識はあった。私の、その時の判断が問題だった」と述べました。NHKが入手した、会社が関係者への説明の際に使用した写真からは、今回の薬の主成分が入った円筒型の容器と睡眠導入剤の成分が入った直方体の容器は同じ棚の下と上の至近距離で保管されていた状況がわかります。
小林化工の違反の実態をまとめた県の資料によりますと、今回の混入は現場の担当者が工程の途中で原料を継ぎ足す際、この2つの容器に入った成分を取り違えたことで起きたということです。
しかし、原料を途中で継ぎ足すという作業自体がそもそも国の承認を受けていない製造工程だったうえ、薬の原料を取り出す作業は2人で行うことになっていましたが人員不足のため1人で行っていたということです。
また、国の承認を受けていない製造工程を指示した独自の「手順書」を作成していたほか、定期的に行われる県の立ち入り検査に備えて虚偽の記録を記した「二重帳簿」を作成していたということです。
さらに、出荷前に行われる品質試験では一部の試験を実施しないまま試験記録をねつ造していたほか、異常が見つかっても原因を調査しないまま出荷していたということです。
同様の製造工程や品質検査での問題は混入が起きた薬以外の医薬品でも確認されたということです。
そのうえで県は今回の違反について、医薬品事業を統括する責任者が社内の監督を適切に行わないといった「法令順守への意識の欠如」が主な原因で、品質管理部門が製造部門に対して適切な確認を行わないなど品質確保の体制整備も不十分だったとしています。
そのうえで「経営層がこれら法令違反を把握していながら改善策を講じなかった点が最大の問題である」と指摘しています。睡眠導入剤の成分が混入した薬で健康被害を受けたのは、処方を受けた344人の69%余りにあたる全国27都道府県の239人に上っています。
このうち岐阜県の50代の女性は去年11月中旬、車を運転中に意識を失い、交差点で事故を起こしました。
女性にけがはありませんでしたが、ドライブレコーダーには女性の車が交差点脇の車止めに向かって直進し、衝突する瞬間の映像が残されています。
女性は当時、睡眠導入剤の混入を知らなかったため、その後も1週間程度、問題の薬の服用を続けながら事故を起こした自分を責め続けたということです。
女性は「自分の中では事故は自分の責任で、眠いのは疲れているからだと思っていた。睡眠導入剤が入っていたと聞いた時は驚き、ショックでした」と話していました。
また別の30代の女性は去年12月上旬、自宅で薬を2錠飲んだ30分後に突然ふらつき体を思うように動かせなくなりました。
その後記憶が途切れ、目を覚ました時には診療所のベッドの上にいたということです。
駆けつけた母親が女性をかかりつけの診療所へ運び緊急入院したと説明を受けましたが、その日の医師との会話など目覚めるまでの記憶は一切ありませんでした。
状況を把握しようとスマートフォンを見ると見覚えのないメッセージの送信履歴があり、宛先は仕事の客でした。
文面は「ごわん、!!また、険しく説明するけど。わかし今から病院行かなきゃいけなくなりました」。
ことばを間違えているうえ、顧客を相手に敬語を使えていないことが信じられなかったといいます。
この出来事から2か月がたった先週、女性はNHKの取材に対して「今も当時の恐怖が消えず薬を飲むことができません。そのため持病の治療は塗り薬で続けていますが、なかなか治りません。会社の社員が直接謝罪に来たものの混入の原因について詳しい説明がなく不信感が募っています」と話していました。
そのうえで「同じようなことが二度と起こらないように会社にはすべて正直に説明してもらいたい」と話していました。