一昨日、
突然に発表された
アメリカ政府の方針転換。
新型コロナウイルスワクチンの供給促進を目的に特許権保護の一時停止を
認める声明発表について。
さっそく
異論というか抗議の声が噴出しています。
まぁねぇ、
それまで
特許保護の急先鋒だったのが、
いきなりの手のひら返しで敵に回ったわけですから。
特許保護派からしたら
手ひどい裏切りを受けたわけで。
色々と爆発しますよね(笑
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面白いというか興味深い事に、
EU内の主要国の間で
今回の
痛烈なアメリカの手のひら返しに対して。
反応が真っ二つに割れています。
ワクチン開発、製造を手がけている
製薬企業を持っていない
フランスとイタリアは
即座に
今回のアメリカの手のひら返しに賛成コメントを発表。
一方、
ワクチン開発、製造を手がけている
大手製薬企業を持つ
ドイツは猛烈な反発、
アメリカの決定を非難する声明を出しています。
あと、
EU外になりますが、
ワクチン開発、製造を手がけて
すでに
ワクチン供給を始めている大手製薬企業を持つ
イギリスでも、
今回のアメリカの手のひら返しに
反対しています。
とまあ、
ワクチン生産手段を持っているのか否かで、
見事なまでに真っ二つ(笑
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これはまあ、
道理を考えれば
当然そうなりますよね。
ワクチン生産手段を持たない国の立場では、
特許解放によって
生産拠点が増えれば。
それだけ
ワクチンの入手が容易になるわけですから。
逆に、
ワクチン生産手段を持つ国にとっては、
特許解放によって
外部事業者の新規参入が増えるのはほぼ確実。
新規参入者が出れば出るほど、
その分だけ
自分たちの懐に入ってくる、
収益が目減りするのは避けられません。
とくに、
特許が解放された場合に、
中国やロシアが
その特許を使った
新型コロナワクチンの生産を始めて。
それらが
中国内で販売されたり、
東ヨーロッパやアフリカ諸国
などに対して供給されたりしたら。
ワクチン開発、製造を進めている
ヨーロッパの製薬大手にとっては大打撃。
ワクチン販売による増収を見込んで
先行投資して場合、
下手をすると、
死活問題になるかもしれません。
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とまあ、
株式市場では、
さっそく
その手のリスクを先取して。
新型コロナウイルスワクチンを開発、生産している
大手製薬企業ファイザーとモデルナの株価が急落したそうで。
ただ、
この件に関しては。
一方の当事者であるはずの、
大手製薬企業ファイザーとモデルナは
今回の
アメリカ政府の発表に関して
いまところ
公式声明を出していないんですよねぇ。
この騒動、
まだまだ波乱が続きそうですね。
いったいどういう決着になるのか。
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日本企業が
自前の工場で
ワクチン生産がで
きるようになるといいなぁ……と
密かに期待しています。
ワクチン特許保護の停止、ドイツは反対…EU首脳会議で対応協議へ
【ベルリン=石崎伸生】新型コロナウイルスワクチンの供給促進を目的に特許権保護の一時停止を認めるとした米国の方針を巡り、欧州連合(EU)内で賛否が割れている。ドイツは6日、反対を表明したが、フランスとイタリアは賛意を示した。EU加盟国は7~8日の首脳会議で対応を論じる見通しだ。
独DPA通信などによると、独政府報道官は6日の声明で、供給を制限しているのは「製造能力や品質基準であり、特許権ではない」と主張した。特許権など「知的財産の保護は技術革新の源泉だ」とも述べた。
特許権の停止は、インドや南アフリカなど途上国が提案しており、米通商代表部も5日、提案を認める方針を発表した。これに対し、製薬業界は「ワクチンへの投資を妨げる」などとし、逆効果を強調する。米製薬大手ファイザーとワクチンを共同開発した独製薬企業ビオンテックも6日、経験不足の業者によるワクチン製造は品質低下につながる可能性があるとして、反対を表明した。
一方、フランスのマクロン大統領は6日、特許権保護の停止を「強く支持する」とし、イタリアのルイジ・ディマイオ外相もフェイスブック上で賛意を示した。EUの執行機関、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長は6日、「米国の提案を議論する用意がある」と述べた。
ファイザー、モデルナ株価急落 ワクチン特許巡り懸念
6日の米株式市場で、新型コロナウイルスワクチンを開発する製薬のファイザーとモデルナの株価が急落した。米政権が支持を表明したワクチン特許権の適用除外問題を巡り、業績への影響を懸念した売りが相次いだ。
ファイザーは前日比0・39ドル(1・0%)安の39・19ドル、モデルナは2・34ドル(1・4%)安の160・50ドルで取引を終えた。下げ幅は一時、それぞれ4%、11%に達した。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は売り一巡後にプラス圏に浮上し、終値は0・67ドル高の167・74ドルだった。
ワクチンの実現には知的財産だけでなく、高度な製造技術なども不可欠として、ロイター通信は株価下落について「過剰反応」とするアナリストの見方も伝えた。