kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

日本人の外交オンチにはほとほと嫌になる――【首相靖国参拝】豪紙「日本のオウンゴール」

安倍首相の靖国参拝問題、賛否両論盛り上がっております。
で、保守派――とは呼べないなぁ。安倍首相の靖国参拝を支持する勢力、復古主義派、もしくは戦前回帰派とでも呼ぶべきでしょうか。
  ※私の認識だと、今の日本で保守派と呼ぶべき人たちは、「戦後55年体制」をベースにした国造りを、その時代に合わせて適応させていこう、
   とする人たちだと思うのですよ。
   「社会党」や「共産党」みたいにな、観念だけで現実を無視ししている人たちは、空想護憲主義、無政府派でしょうか。
   それで、戦前の日本を正当化する人たちは、復古主義とでも言うべきで。「右翼」「保守」とは違うと思うのですよねぇ。

これらの人たちは、このままの勢いで日本の戦前の行動が「侵略戦争」だという評価を引っ繰り返して、
「防衛戦争」として合法的な行動である、と主張するべきだ、とか息巻いている人もいるのですけど。
で、それは説明すれば周辺国に理解されるはずだ、と騒いでますけど。
理解されるわけありません。なんでそんな簡単なことが分からないかなぁ……

【首相靖国参拝】豪紙「日本のオウンゴール」 - MSN産経ニュース 【首相靖国参拝】豪紙「日本のオウンゴール」 - MSN産経ニュース

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2013.12.29 00:21 [歴史認識
安倍晋三首相の靖国神社参拝に対する海外からの批判が止まらない。28日には静観していたアジア太平洋諸国の有力メディアからも“火の手”が上がった。日米と安全保障協力を進めるオーストラリアの有力紙オーストラリアンは同日付の社説で「日本のオウンゴール」との表現で、自ら招いた外交的失点と指摘した。
同紙は安倍氏憲法改正など安保戦略の抜本的見直しを進めていることについて「日本の軍国主義に苦しんだ(フィリピンなどの)国々からも支持を取り付けている」とする一方、他国の反発を招くような行動を続ければ「支持を失いかねない」と苦言を呈した。
日本の友好国インドネシアの有力紙コンパスも28日付社説で、中国が東シナ海上空に設定した防空識別圏尖閣諸島問題で緊張が高まっている中、参拝が行われたことに言及し、「タイミングは適当ではなかった」と論評した。(共同)

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なんというか、単に「戦死者を慰霊するだけ」なら問題にはならないのですよね。
アメリカの特使……いや、公式には特使ではありませんけど。ケリー国務長官千鳥ヶ淵墓苑で献花して、靖国神社には行かなかった。
これは、「慰霊には靖国は使えない」というアメリカのメッセージ、それ以外にないですよ。

アメリカはきちんとメッセージを送ってきた。日本もきちんと応えなければならない――米国務長官らが千鳥ヶ淵墓苑で献花
http://d.hatena.ne.jp/kg_nogu/20131005#1380903730

では、なぜ「靖国」にいけないか、というと。今の「靖国」を認めることは、
戦前の日本の侵略戦争を肯定的に評価してしまう行動になるわけで、
自称、右翼か保守主義の人たちが、「日本の戦争は防衛戦争であって、侵略戦争ではなかった」とか言っている主張、
これらの主張を肯定するように見られてしまう、
アメリカにとってはこれは外交的に大きなマイナスなるし、
アジア各国とくに中国の周辺に位置して中国と領土問題で対立しているフィリピンとかベトナムとか、そのほかの国々にとっても、
それは現実の大きな外交的脅威になります。
というのも、
戦前の日本の行動は、そのまま現在の中国の行動にあてはまるわけで、
現代の政治家が、戦前の日本を肯定的に評価することは、
そのまま現在の中国の領土拡大外交というか、軍事的脅威を非難するべきロジックを失う事態に直結するわけですよ。
まだ、そういう論調を唱えるメディアは出てきてませんけど――というのも、安倍首相と日本政府が、「日本の戦争は侵略戦争だった」という評価を覆していませんから。
中国としては、次の手を打てないわけで。口をつぐんでいるだけで。
日本政府と国民が評価を覆したとたん、中国はあらゆるメディアを使って、
上記のロジックを使って、「戦前の日本を肯定的に評価することは、現在の中国の行動を首肯するものであって、アジアの外交的脅威を増すものだ」として、
日本を非難する情報戦を始めるはずです。
もちろん、中国が前面に出てしまうと自らの侵略戦争を認めてしまうことになるので、カゲに回って金を出すことになるでしょうけど。
この手で、
中国はアメリカ、ASEAN諸国と日本を分断することができるわけで、
日本をアジアで孤立させて、中国包囲網にどでかい風穴をあけて、無効化することができる、という寸法です。
  ※ざっくり分かりやすくというと、ある日突然沖縄県知事が独立を唱えて、
   その後ろ盾に中国を頼って、中国の軍隊が駐留することを認めた、としましょう。
   今の日本政府と日本国民が戦前の日本の侵略戦争を否定しておかないと、
   こういう事態が発生したときに中国の行動を非難するロジックがなくなってしまうわけです。
   これはアジア各国にとっても同様で、日本が中国の行動を肯定している、となれば、
   アジア各国は即座に日本を非難し、反対にまわりますよ。
   その意味で、
   私は、今日本のネット上で騒いでいる「右翼」「保守派」を自称する人たちの中には、中国の工作員がかなりの数まぎれている、
   と思っています。

つまり靖国問題は、中国にとって「とてつもなく美味しい外交的イシュー」に他ならず、「もっとやってくれ」と盛んに日本のエセ保守派を煽っている状況であるわけで。
その意味で今回の靖国参拝は「日本のオウンゴール」なわけですよ。
だから、日本としては「侵略戦争の評価」と「靖国参拝」を切り離すことは必須なわけでして。
そのために、最低でも「A級戦犯分祀」というパフォーマンスが必要なわけです。

日本政府は、当然こういうことはわかっているはずで。
だから、とりあえず国内と国外に向かって観測気球をあげる=今回の靖国参拝であったわけで。
この後の議論を誘導して、なにかしらの条件整備のアクションへ移る――それが政治なわけですけど。

動きませんねぇ……

追記:
上記のロジックを使った情報戦については、中国にとっても諸刃の剣なわけでして。
仮に、日本が「日中戦争、太平洋戦争は侵略戦争である」という評価を否定しないで、アジアから孤立しなかった場合には、
「中国の行動は侵略だ」という評価だけが残って、中国包囲網がますます強まる結果になってしまうので。
このロジックを使って日本非難を始める場合には、
日本が「太平洋戦争は防衛戦争だ」という評価を民意として、何があろうと評価を翻すことはなくなり、アジアからの孤立が決定的になった時点で、
一度だけしか使えないわけです。
日本がアジアで孤立するなら、
孤立した日本を取り込んで中国としては太平洋への出口として、アメリカとの立場を逆転することができるわけで。
現在の中国は、その日に向けて10年単位での工作を進めている段階、でしょうね。
私は、「靖国参拝は国内問題」としきりにネットで声高に叫ぶ、正体のしれないノイジーな人たちは、
中国のロビイスト工作員ではないか、と思っています。