さて、今日の気になるニュースは、久々に原発の話です。
ニュースといっても、産経新聞のコラムですけど。
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120722/biz12072208260001-n1.htm
政府のエネルギー・環境会議が示した、２０３０（平成４２）年の原発比率を軸に３つの選択肢。
（１）ゼロ（２）１５％（３）２０〜２５％−という３つのシナリオについて、原発依存度が低すぎ、脱原発について偏りすぎじゃないか。
というようなことを、経済の不合理を例示して、主張していますけど。
……うーん、マスコミはまだこんなレベルの記事を書くのですね。
原発が停止した場合の不利益をずらずらと並べていますが、原発が事故を起こした場合の不利益は書いてないのですよね。
原発にシビアアクシデントが発生した場合には、
電力会社は倒産に追い込まれて、賠償と廃炉などの後始末の費用は全部国民につけ回して。
その金額については書いてないのですよね〜。
でも、国民には、もうそのツケが回ってきてるのですよ。
いよいよ東京電力の電気代は上がりますし……でも、これだけでは賠償費用の捻出には全然足りませんから。来年以降、賠償の支払いが本格的になったら、
全国的に電気料金が上がっていくのでしょうね。
そういう現実を前にしたら、こんな記事なんて紙くずですよ。なんの意味もありませんよ。
こんな空虚な記事を、現実はとっくに超えていってしまっていることに、記者は気がついてないのでしょうかね。
もっと現実に根ざした、地に足をつけた内容を盛り込んでほしいものです。
追記：
どうも、政府とかマスコミは、脱原発に対する国民の動きを、「放射脳」のヒステリー、と見たいようですが。
現実に、そんな人たちは一部で、
大部分は原発事故によって生活の中で具体的に不利益を被っている人たちが、
「次はない」と声を上げている事実だということを、いい加減きちんと認めないと。
目の前の現実から目を背けたって、追い詰められていくだけなのに。
それがわかってないのですかね。
それとも、日本という国を自殺させたいのですかね。
たとえば、
活断層のリスクがない原子力発電所をピックアップして、
そこに集中的に資金を投下して、
地震と津波、そして事故に対する備えを短期間で整えたら、
再稼働に対する非難の声もぐっと減って、
なんとか動かすこともできると思うのですけどね。
感情的にヒステリーを起こす人は、ゼロにできませんが。
理性で判断して、再稼働を容認する人が世論の過半数を超えることだって、不可能ではないとおもうのですよ。
（前提として、福島原発の事故で被害を受けた人の補償について、明らかな道筋がつけられていることと、
福島原発事故原因の特定、過程の詳細の解明が、必須ですけど）
手間がかかるかもしれませんけど。
その手間から逃げている限り、世論は変わらない、ということがわからないのでしょうかね。
