昨夜、
突然にメディアで訃報が発表されて。
大変驚いています。
昭和を代表する名俳優、
主役のようなキラキラした輝きはなくとも、
主役を輝かせる
好対照なバイプレイヤー、名脇役でした。
とくに、
昭和から平成にかけて20年近く続いた
名作ドラマ
『北の国から』での
父親役の印象がもっとも強くて。
何か機会があるごとに、
そのエピソードが語られるほどでした。
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ただ、
私的には
映画『学校』に出演したときの役、
イノさんのイメージが
もっとも強烈に記憶に残っています。
なんというのかな、
高倉健さんとは
方向性が違いつつも
まとっている空気とか根っこの部分が
同じというか。
いかにも
昭和時代の
『不器用な男』みたいな
そういうイメージ。
ひとつ間違えると、
単に
イモッぽい垢抜けていないだけの
粗野で感情表現が下手な
不快なキャラクターになってしまうのですけどね。
この人は、
それを
持ち前の愛嬌で
とても魅力的に見せてくれるんですよねぇ。
『不器用な男』を
器用に演じてみせる、という。
なかなか高度な技術を身につけていた
役者でしたねぇ。
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最近は、
この手の
『いぶし銀』みたいな役者さんがめっきり減ってしまって。
いまだに
健在な方は
西田敏行氏くらいでしょうか。
まぶしくて
目が痛いほどキラキラした役者さんは
山ほどいるのですけど。
野球で喩えるのなら、
4番バッターばかり
ズラリと並べられたチームを見ている、
そんな印象のドラマばかりで。
見ていて面白くないんですよねぇ。
味わいのある人は、
なぜか
みんなコメディアンだしなぁ。
出川哲朗氏とか、
内村光良氏とか。
やっぱり
キャラクターの特徴を生かした出番を求めると、
そういう途へ進んでいくのかなぁ。
『いぶし銀』って
生きるか沈むか、
シナリオ・脚本次第、って
ところがありますから。
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この方の、
愛嬌たっぷりな独特の演技を
新しく見られる機会が
永遠に無くなってしまったのだと思うと。
とても
残念です。
ご冥福をお祈りします。
俳優の田中邦衛さん死去、88歳…「北の国から」・「若大将」シリーズ
テレビドラマ「北の国から」や映画「若大将」シリーズなどで活躍した個性派俳優の田中邦衛(たなか・くにえ)さんが3月24日午前11時24分、老衰で亡くなった。88歳だった。告別式は近親者で済ませた。
岐阜県出身。1955年、俳優座養成所に3度目の挑戦で合格。57年の今井正監督の映画「純愛物語」でデビューした。61年に始まった加山雄三さん主演の「若大将」シリーズでは主人公のライバル「青大将」役で出演。アクは強いが失敗ばかりの憎めない役を好演、主人公に匹敵する人気を得た。
高倉健さん主演の「網走番外地」シリーズや、深作欣二監督「仁義なき戦い」シリーズのヤクザ役などでは独特の存在感を示した。
フジテレビ系で81年から2002年まで続いた倉本聰さん脚本の「北の国から」シリーズでは、父親・黒板五郎役を熱演。北海道・富良野の大自然の中で親子の絆きずなをはぐくみ、たくましく生きる姿が感動を呼んだ。
1993年の山田洋次監督「学校」などで、日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。99年には紫綬褒章、2006年に旭日小綬章を受章した。◇
田中さんの遺族が、「家族一同」の名でコメントを発表した。
「俳優・田中邦衛は、2021年3月24日午前11時24分、老衰のため、息を引き取りました。家族に見守られながら、安らかな旅立ちでした。88歳でした。
長年、応援してくださったファンの皆様をはじめ、多くの方々に支えられ、心に残る数々の作品に出会い、幸せな役者人生を歩むことが出来ました。ここに、生前のご厚誼こうぎを心より感謝いたしますとともに、謹んでお知らせ申し上げます。
故人は、最期の日まで、皆様からの励ましを支えに、前向きに生きる気力と、周囲への感謝を持ち続けていました。素晴らしい医療・介護チームのサポートのもと、私たち家族も、共にかけがえのない時を過ごすことができました。
葬儀につきましては、静かに見送ってほしいとの故人の希望により、過日、家族葬の形で執り行いました。ご香典、ご供花などは、お気持ちだけありがたく頂戴し、辞退させて頂きたく、お願い申し上げます。また、お別れ会・偲ぶ会などにつきましても、実施する予定はございません。これまでお世話になった皆様、お一人お一人にごあいさつ申し上げるべきところ、誠に勝手ながら、故人の遺志をご理解頂ければありがたいです。
出演させて頂いた作品を通し、故人を思い出して頂くことがあれば、幸甚に存じます。重ね重ね、どうもありがとうございました」