kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

事実上の『医療崩壊』です ―― 残り21病床「一日感染者1万人まで対応可能」は判断ミス

病床の稼働率について
日本でもしばしば出てくる議論に
『なぜ100%稼働できないのか』というものがあります。
これついては、
統計の取り方にもよるのですけど
予備病床を使用病床に含めてカウントしない、
単純な使用稼働率の場合。
全くのミスリードなんですよね。
通常の治療ローテーションにおいて
何かの作業に使うための予備病床が
すべて空き病床としてカウントされてしまっていて。
現場の実情を無視した
『机上の空論』なんです。
暴論と言ってもいい。



ここで言及した
各種作業に使う予備病床というのは、
たとえば、
患者の病床が汚れて寝具から一式取り替えるとか
部屋を清掃消毒するとか。
軽症患者の場合、
その都度、別の場所へ移動して
部屋の必要な場所、ベッドを空けておいてください。
とか、
簡単な手続きで作業を進められますが。
重症患者だと、
そもそも
患者当人がベッドから起き上がることが出来ない。
自力で体を動かせない寝たきり状態ですから。
いったん別のベッドに移し替えて。
汚れたベッドと部屋の清掃をする。
という作業が必要になります。
一時的に
ストレッチャーみたいな簡易ベッドを使うこともありますけど。
ストレッチャーだと寝返り打てるような広さはありません。
長時間使用には向いていません。
作業用の空き病床ベッドがあるのとないのでは、
作業難度、負担がまったく変わってきてしまいます。
他にも、
新たな治療環境を構築する場合に、
今のベッドの側に、
今ある機材を全部取り出して、
次の機材を持ち込み配置し直すよりも。
まずは
別の部屋、病床の周りに
新たな治療器具、装置を配置した上で。
そこへ
病床ごと患者を運び込む、とか。
この手順で進めた方が、
非常に作業を効率化できます。
でも、
感染症の場合、
患者をレッドゾーンの外に出すことは出来ません。
なので、
レッドゾーンの中に、
治療を効率的に進めるための
作業用の空きスペース=空き病床が必要になるわけです。
この
『治療を効率的に進める』という要素が、
実は非常に重要で。
人間が働いている以上、
疲労がドンドン溜まっていくわけで。
その中で、
マンパワーを使い潰すような労働環境では、
長時間労働は絶対に無理なんですよ。
つまり、
作業用の空き病床を確保出来ず、
それを
現場の医者や看護士たちの
総意工夫と作業で補うことは出来ますが。
空き病床に代替する作業にマンパワーを割かなければ為らない場合、
必然的に
治療時間が短くなり
救える命が救えなくなる。って結果になるわけです。



今回は
韓国のニュース記事にブックマークを付けましたが。
同様の問題は
日本国内の
先の新型コロナ感染拡大第5波のときにも起きていて。
それで、
この問題について
日本のメディアも
かなりデタラメな解説を付けていました。
メディアは、
もっともっと
実際の治療とは具体的にどんな作業が行われているのか。
必要とされているのか。
その実情を伝えるべきです。
どうしても
感染症』の特異な部分ばかりに焦点が当たって。
治療作業に
基本的に必要とされる内容を
すっ飛ばしているので。
現場の実情が
ただしく理解されていないんですよね。

 

japanese.joins.com

「韓国ビッグ5病院」残り21病床…「一日感染者1万人まで対応可能」は判断ミス

「もう本当に飽和状態だ。これ以上は患者を受け入れる余裕がない」。
新型コロナ重症患者が612人に増えて過去最多となった25日、いわゆる「ビッグ5」と呼ばれるソウル上級総合病院から一斉に出てきた声だ。この日午後2時を基準にこれら病院の新型コロナ重症患者病床現況を見ると、患者でほぼ埋まっている状態だった。余力はソウル大病院が36床のうち4床、ソウル峨山(アサン)病院が41床のうち12床、サムスンソウル病院が31個のうち2床、ソウル聖母病院が20床のうち2床、セブランス病院が37床のうち1床だ。全体を合わせても21床しか残っていない。

◆「一日感染者1万人まで対応可能」と言ったが…4000人で病床逼迫
 全国基準で見ても病床状況は深刻だ。この日0時基準で全国重症患者病床の稼働率は71.5%。首都圏は83.9%、ソウルは85.5%にのぼる。医療界は「すぐに使用可能な病床はこうした数字より少ない」と指摘する。首都圏のある公共病院の関係者は「病床が1つ空いたからと言ってすぐに入ることができるのではなく、空いた病床を消毒して医療スタッフが再整備する時間が必要」とし「通常8、9割ならすべて埋まっていると考えるべき」と説明した。
政府は段階的日常回復(ウィズコロナ)施行初期、一日の感染者数5000-1万人を想定して対応していると明らかにしたが、施行4週目で危機を迎えた。5000人より少ない4000人前後の感染者でもすでに医療対応問題が続いている。前日、中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は「その間、1%半ばの重症患者発生率だったが、最近は2%半ばまで上がっている」とし「従来の想定なら一日の感染者5000人水準まで重症患者が増えている状況」と説明した。

◆コロナ患者も、一般重症患者も、病院を転々
 新型コロナの重症患者が急増し、当局は首都圏の患者を非首都圏に送っている。しかしこれも限界がある。24日17時基準で忠北の場合、重症患者病床の稼働率が59.4%(32床のうち19床)、忠南は78.9%(38床のうち30床)だ。慶北は100%(3床のうち3床)、大田は92%(25床のうち23床)、光州は82.8%(29床のうち24床)の稼働率となっている。匿名を求めた首都圏近隣地域の総合病院関係者は「首都圏から次々と患者が入ってきて、我々の病院も全体新型コロナ重症患者病床のうち半分以上が首都圏の患者」とし「道の指示で受け入れているが、この地域の患者が病床不足のため他の地域に行ったりもする」と伝えた。
非常事態を迎えたのは新型コロナ重症患者だけでない。新型コロナ患者が増え、一般重症患者のための病床が減っているからだ。この日、ソウルのある療養型病院にいた50代の食道がん患者は体内カルシウム数値が正常より5倍以上増える高カルシウム血症の症状が表れ、ソウル上級総合病院の救急室に移されたが、3時間以上も待たされた。この患者は救急車で待機しながらせん妄の症状も表れたが、病院側は「病床がないので待つしかない」と答えたという。23日には心臓疾患の70代の女性の症状が悪化したが、病床を待って自宅で待機しているところ心停止で死亡した。
韓国がん患者権益協議会のキム・ソンジュ会長は「がん患者の場合、他の病院は受け入れないので通っていた病院で待つしかない」と話した。続いて「新型コロナ患者のために確保される数ほど重症・救急患者の病床が消えることになるが、政府はこうした対策を全く準備していない」とし「患者の生命がかかわる問題だが、計量的・数値的に考えているのでこのような問題が発生している」と批判した。実際、ソウルのある上級総合病院の関係者は「救急室に新型コロナ患者が入ってくる場合、他の重症患者は進入できないので他の病院に行ったりする」と伝えた。

◆専門家「社会的距離の強化」vs「病床の効率化」
 専門家らすでに崖っぷちに追い込まれた状況だと指摘する。高麗大九老病院の金宇柱(キム・ウジュ)感染内科教授は「今は重症患者病床から救急室、隔離病室、さらに救急車まですべて待たなければいけない」とし「先週まで重症患者専門病院を別に設置すべきだと主張していたが、今はもうそういう話もできない」と述べた。また「今のように感染者・重症患者が増えれば、重症患者病院を設置してもすぐに埋まるはず」とし「今すぐ社会的距離を強化し、ブースターショット接種を加速しながら新規感染者を減らす方法以外に答えはない」と話した。
 翰林大聖心病院の鄭ギ碩(チョン・ギソク)呼吸器内科教授も「飲食店の利用者をワクチン接種完了者に制限するなどの防疫強化措置が先行されるべき」と指摘した。続いて、新型コロナ重症患者を受け入れるためには専門病院を用意する必要があると強調した。鄭教授は「一種のハブ病院を一つ指定し、重症患者を集中治療できるようにするべき」とし「医師人材の指摘があるが、医療従事者を順に派遣する形で運営すれば十分に可能なシナリオ」と説明した。
 ただ、防疫を強化するのは適切でないという主張もある。ソウル大医大予防医学教室のキム・ユン教授「いま重症患者が増加しているのは、療養型病院や施設、病院などで集団感染が発生しているため」とし「社会的距離を強化して飲食店の営業制限をしても感染はそれほど減らないだろう」と反論した。続いて「今は集中治療室にいる必要がない軽症患者を準重症患者室や入院病室に移して病床活用効率を高める一方、その間に重症患者のための病床と人員を増やして長期的に備えなければいけない」と助言した。