これは事実関係が把握できた、ということか――歴代市場長ら１０人以上を懲戒処分へ

『信賞必罰』は分かるのですけども。
つい先日の説明では、
「誰がそれを指示したのかはわからない」「なにかフワッとした空気の中で、流れのようなものにのっかって起きた」
みたいな事を言っていたのですけど。
それでも、
「処分する」ということは、
それだけの事実が把握できた、ということでしょうか。
それぞれの部署において、
いま起きている豊洲新市場の「盛り土問題」に端を発した各種の不具合について、
積極的・消極的、どちらにせよ明確な関与が認められる、と。そういう歴代担当者の行動事実が把握できた、と。
それなら、
処分される対象の人達が、
いったい何をしたのか、まずその事実関係を明らかにして公表してほしいのですが。

　築地市場（東京都中央区）の移転先となる豊洲市場（江東区）の主要施設下に盛り土がなかった問題で、都が歴代の担当部局トップの中央卸売市場長や管理部長経験者ら少なくとも１０人以上の幹部の懲戒処分を行う方針であることが５日、分かった。小池百合子知事は同日の都議会の一般質問で「退職者も含めて懲戒処分などのしかるべき対応を取っていく」と述べた。
　退職者が処分相当であることが決まった場合、本人に告知し、給与の自主返納を促す可能性もある。
　中央卸売市場長を経験した幹部で処分対象になる可能性があるのは、岡田至氏（平成２１年７月〜２３年７月・現東京都歴史文化財団副理事長）▽中西充氏（同月〜２４年６月・現副知事）▽塚本直之氏（同年７月〜２６年７月・現東京動物園協会理事長）▽岸本良一氏（同月〜）。
　現職は中西氏と岸本氏の２人で、塚本氏だけが地下空間の存在と盛り土がないことを把握していた。また、市場長に次ぐ役職の管理部長や、豊洲市場の施設整備の責任者である施設整備担当部長経験者らも含まれ、対象者は少なくとも１０人以上に上るとみられる。
　この日、盛り土問題の解決に向けた決意を問われた小池氏は、「中央卸売市場の体制を刷新したい。新しい目で専門家会議などとともに安全性の確保を検討する」と答弁。さらに「歴代の中央卸売市場長の責任の所在を明確にする」と関与した幹部職員の特定を進める考えを示していた。

うーん、
どうもリスクマネジメント、私も詳しいわけではないですけども。
企業のリコール対応などを見てきた経験からすると、
東京都というか小池都知事の対応は、
ズレているように思います。
まず、
一番大事なのは、
豊洲の現状の公開、事実の公表でしょう。
おそらく、これは今プロジェクトチームを編成して行っている、と思いますけども。
途中経過でもいいので、
今分かっている問題を順次、詳らかにして、その都度、「都民の期待を裏切って申し訳ございません」と、
公の場で繰り返し頭をさげるべきです。
現状の問題点の公表と謝罪、これが先にくるべきで、
処分については、これは組織内部の問題なので、
一番最後でいいはずです。
車のリコールを公表するときに組織人事の処分をその場で発表する会社はありません。
そんな内部の話は、
ユーザーにとってはどうでもいい話、乱暴な言い方をするなら完全な内輪の話で、
リコール内容とは別個の問題なのです。
小池都知事の対応を見ていると、
新しい情報がないので、
場つなぎとして、
今回の処分対応を公表している様に見えてしまうのですが……
これだと、
全貌を把握してないウチから処分していた場合、
さらに、後から新しい事実が出てきたら、処分を追加ということになり、
二度手間、三度手間、
その都度、
東京都の信頼は失墜することになって、
迷走するだけのように思います。