この人は……
何をした人なのか、と問われると。
ちょっと
答えに詰まってしまう。
業績よりも、
本人の特徴的な風貌と、
バラエティータレントとしての、
ある種の奇矯な、独特な
活躍当時、
いまから10年も20年以上も前の時代の
その当時、
世間が抱いていた
『オタク』イメージを体現した言動で。
一躍
一世を風靡した芸人。
というのが、
もっとも的確な
この方の業績に対する評価、
だと。
私は、
そのように評価しています。
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『オタクマーケット』と言われていた、
サブカル市場が、
膨張し続けた結果。
アングラでは収まらず、
表に出て広がりメジャー化した。
その過程で、
初めてサブカルチャーに接して理解出来ない
一般人に対して。
分かりやすい
ステレオタイプの『オタク像』を演じて。
『オタク文化』と呼ばれていた
サブカルチャーを世間一般に啓蒙し、
誤解をとくきっかけを作った人。
と言うべきなのかな。
この方が演じた『オタク像』は、
今でも
ステレオタイプとして用いられて。
脈々と受け継がれていますから。
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その意味では、
まぎれもなく
一時代を築いた
『時代の寵児』であるのですよねぇ。
なので
もっと高い評価を受けて良いはずなのですけど。
ただ、
彼が演じていた『オタク像』のイメージが、
あまりにも
強烈に負の方向に特化していたので。
その影響で
正当な評価を得にくい、得られないまま、
表舞台から
消えてしまった。
という感じですねぇ。
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当時を知る人間として
とても残念です。
「おたく評論家」宅八郎氏が死去、57歳
評論家の宅八郎(たくはちろう)氏(本名・矢野守啓やのもりひろ)が8月11日、小脳出血で死去した。57歳だった。告別式は近親者で行った。
浜松市出身。「おたく評論家」の肩書で知られ、テレビや雑誌などで活躍。主な著書に「イカす!おたく天国」「処刑宣告」など。
宅八郎さん死去 森高フィギュア&紙袋…オタク開拓
「おたく評論家」としてテレビ番組などに出演したコラムニスト宅八郎(たく・はちろう)さん(本名矢野守啓=やの・もりひろ)が8月11日に、小脳出血のため東京・府中市の病院で死去していたことが4日、分かった。57歳。葬儀・告別式は近親者で行った。
90年代にオタク文化の盛り上がりとともにブレーク。長髪のめがね姿で、森高千里のフィギュアや紙袋を持つ姿で異彩を放った。日本テレビ系「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」や「とんねるずの生でダラダラいかせて!!」などに出演するなど活躍。「イカす!おたく天国」「処刑宣告」などの著書も出版した。
また07年には東京・渋谷区長選に出馬。第一声では、トレードマークだったマジックハンドを手に「『渋谷系』といわれた時代は何だったのでしょうか。あのころのきらめきを今、取り戻そうではありませんか。渋谷を『萌える街』にしたい」と訴えた。落選したが「こういう機会が与えられることがあれば、チャレンジしたい」と話していた。
宅さんと交流のあった作曲家の片岡宏介氏はツイッターで「一時期は一緒にバンドもやり、アイドルのリミックスも一緒にやってCD出したり、ホントに毎日のように連絡とって仲良くしてました。ここ10年くらいは疎遠になっていましたが、突然の連絡で本当に驚いています」とつづった。精神科医の香山リカ氏や、劇作家のケラリーノ・サンドロヴィッチ氏らも追悼した。