この問題、
テレビのワイドショーネタにもなってましたね。
私的には……
空いた口が塞がらない、というか。
でもね、
こういう発言が飛び出すのもなんとなく分かるのですよ。
日本の空気がそれを許容してしまっている、というかさ。
いや、
この問題がニュースになったときに、
私は、まず真っ先に護憲派が反応して
『憲法違反だ!』と
声高に叫ぶと思ったのですよ。
……本当にそう、思ったんですよ。
少なくとも、
昭和時代の、
社会党が生きていた時代なら、
まず、そういう声が出ましたよ。間違いなく。
それがさ……
出ないのよ。
どこからも出ない。
『戦争なんてとんでもない。非常識極まりない』みたいな、
コメントしか出ないのよ。
NHKの夜9時のニュースで、
この問題を取り上げた時も、
MCがそんなコメントを出してましたね。
それを聞いて、
ガックリしました。
日本人はここまで。『日本国憲法』を忘れてしまったのか。と。
愕然としてしまいましたよ。
・
・
・
違うのよ。
これはそういう問題じゃないのよ。
なんというか『戦争』というワードが持つインパクトが強すぎて、
肝心な点をほとんどの人が理解してないのが、とても残念です。
NHKを筆頭にしたメディアもそうだし、
大臣クラスの発言も、まったく明後日の方向にむいたコメント出してますし。
今日になって、
ようやくメディアからはまともなコメントが出てきましたけど。
ネットでの意見を集めて、
事態の本質を理解したのですかね。
この
丸山議員の暴言における一番の問題は、
日本は、
国際紛争の解決手段としての武力の行使と、
国権の発動たる戦争を憲法で放棄しているのですよ。
憲法9条にしっかり明記してあるんです。
だから、
『戦争で島を取り返す』という選択肢はどうやっても存在しないのです。
『戦争』という選択肢は、
今の日本には存在しない。
それを選択肢として持ち出している、
日本国憲法の存在が無かったことになっている点です。
・
・
・
仮定でも……仮定で出すなら、
憲法改正を前提として提示した上で、この選択肢が出されるべきものなんですよ。
そこを全部すっとばして、国会議員がこのような発言する、というのは、
諸外国からみたら、
『日本人は憲法を遵守する気などサラサラない』と見られてしまうのです。
日本国憲法とはタダの空文だと日本人は考えている、と見なされるのですよ。
この問題では、
真っ先に諸外国に向けて、
丸山議員の発言は理解不能で、日本人は戦争という手段を憲法で放棄している。そんな選択肢はあり得ない。
と、はっきりアナウンスを出さなければならないのですよ。
まず、それが真っ先に成されるべきなんです。
ロシアとの友好とか、今後の北方領土返還協議の行方とか、
そんな物は些末な問題なんですよ。
ここをハッキリしておかないと、
『日本には憲法は存在してない』と見なされてしまうのですよ。
戦争という手段の是非を論じる以前に、
日本国には『戦争』という選択肢は存在していないのです。
この現実を忘れている人が多すぎます。
私はね、
上に書いたような日本国憲法の条文に基づいた批判が、
真っ先に野党から飛び出す、と思ってました。
少なくとも、
昭和の社会党が存在していた時代なら、
そういうコメントを真っ先に野党側が出して、
そんな議員を訪問団の一員にした、政府を攻撃してましたよ。
ニュースになったのとほぼ同時にね。
昭和の野党は、そのくらい『憲法』に敏感だった。それがさ……
与党も野党も、どうしようないほど鈍感でした。今の日本は。
本当に大丈夫なのかな。
日本維新の会は15日の国会議員団役員会で、北方領土返還に関連して戦争に言及し、除名処分とした丸山穂高衆院議員について、辞職勧告決議案の衆院への提出を与野党に呼びかける方針を決めた。与党内にも賛同する声が出ている。自民党が賛成に回る場合、決議案は可決される。
維新の松井一郎代表(大阪市長)は14日、丸山氏について「辞職するべきだ」と記者団に述べたが、丸山氏は自らのツイッターに「無所属にて活動する」と投稿、議員辞職はしない考えを示している。辞職勧告決議案は可決されても法的拘束力はない。
維新を除く立憲民主党など野党5党派の国会対策委員長は、維新の役員会に先立ち国会内で対応を協議。立憲の辻元清美国対委員長は会談後、「けじめをつけないといけない。単なる暴言とはちょっと意味が違う」と記者団に述べ、辞職勧告決議案の提出に意欲を示した。
丸山氏は11日、北方四島ビザなし交流の訪問団の一員として国後島を訪れた際、酒に酔った状態で団長の元島民に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」と質問。さらに「戦争しないと、どうしようもなくないですか」とも発言した。13日に都内で記者団に「謝罪し撤回する」と釈明し、14日に維新に離党届を出したが、受理されず除名処分を受けた。