私的に
注目している
福島原発事故跡地の処理水放流に関して。
これまででまとめられた
事業計画というか。
この先の予定表について
簡潔にまとめた記事が掲載されていたので。
と言うても、
東京電力がお金を払って作らせた的な
広告記事なんですけどね。
それでも、
この案件を
きちんとまとめたニュースというか、
メディアが発信している情報が
最近では
これしか見当たらないので。
ブックマークを付けました。
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私的には、
国民から
税金に近い形で受信料を徴収しているNHKが。
国民に必要な情報を届ける義務があるのですから、
この手の
情報を
きちんと取材して。
放映するべきだと思うのですけど。
いちいち
批判する必要は無くて。
ただただ、
現状すすんでいる内容を説明、解説するだけの
ニュース解説番組とか。
ドキュメント風の説明特集とか。
福島第一原子力発電所の今とこれから
東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故からの復興に欠かせないのが、東京電力ホールディングスが取り組んでいる廃炉作業だ。放射性物質によるリスクを継続的に低減する廃炉作業を安全・着実に進めるにあたって重要な転換点となるALPS処理水の海洋放出に向けた準備が最終段階を迎えている。同発電所では、原子炉内部にあった燃料が溶けて固まった「燃料デブリ」の冷却などで発生した放射性物質を含む水を「多核種除去設備(ALPS)」で浄化処理した「ALPS処理水」が増え続けており、その水を保管する大型タンクが敷地を埋め尽くしている。今後本格化する廃炉作業を安全に進めるために必要な施設を設けるためには、ALPS処理水を処分しタンクを減らしていくことが不可欠となっている。廃炉に向けた取り組みが進む福島第一原子力発電所の今を取材した。
「燃料デブリ」取り出しまで続く冷却
2020年に全線復旧したJR常磐線の富岡駅(福島県富岡町)で下車し、車で福島第一原子力発電所に向かう。同町では今年4月に桜並木で有名な夜の森地区の避難指示が解除され、これで町の93%が居住可能となった。一部に帰還困難区域が残るものの、一歩ずつ復興が進んでいることがうかがえる。
発電所敷地内の様子も事故直後と大きく変わった。テロ対策のため入り口で厳格な身分証確認や持ち物チェックがあるものの、構内のほとんどのエリアは防護服などの特別な装備は不要。放射線量も低く、一見すると普通の工事現場と変わらない。敷地内の高台に立つと、廃炉作業が行われている1号機~4号機の原子炉建屋が見渡せる。
「廃炉を進めるにあたっては、1号機から3号機の原子炉の格納容器の底にたまっているとみられる燃料デブリを取り出すことが最大の課題」と、東電の広報担当者が説明する。燃料デブリが今どのような状態なのか、ロボットを活用した調査が進められている。燃料デブリ取り出し完了までにはまだ長い時間がかかり、それまでは冷却を続けなければならない。敷地を埋め尽くすタンク
東京電力によると、燃料デブリを冷やすには、1日当たり合計約200立方メートルの注水が必要だ。冷却に使われた水は燃料デブリと触れることで、高濃度の放射性物質を含む「汚染水」となる。汚染水は、建屋からくみ出し、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質を除去した後、再び冷却に使用し循環させている。
ただ、建屋には雨水や地下水が流入しており、その分、新たに汚染水が発生してしまう。東京電力では、建屋内に流入する地下水の量を減らすため、建屋の周囲1.5キロの地中に氷の壁である「陸側遮水壁」を設けるとともに、建屋近傍の井戸「サブドレン」で地下水をくみ上げる対策や雨水浸透防止のための敷地舗装等を行った。その結果、新たに発生する汚染水は、2014年5月の1日平均約540立方メートルから昨年度は平均約90 立方メートルまで減少した。
福島第一原子力発電所の敷地内に入り、まず目に入るのが、1基当たり約1000トンの水をためることができるという大型のタンクだ。タンクにためられているのは、建屋内にたまった放射性物質を含む水を浄化処理した水だ。タンクは、事故後に森を切り開いて確保した敷地を埋め尽くすようにずらりと並び、その数は1000基を超え、今も日々ALPS処理水が増え続けている。「使用済燃料プールからの燃料取り出しや燃料デブリの取り出しなど、今後本格化する廃炉作業を安全・着実に進めるためにも、敷地内のタンクを減らし、必要な施設の建設場所を確保することが不可欠」(同)。政府は、増え続ける処理水の処分方法について、6年以上にわたる専門家らによる議論を経て、2021年4月に海洋放出する方針を決定した。トリチウム濃度は飲料水基準の7分の1未満に
放出する「ALPS処理水」は、ALPSなどによって、トリチウム以外の放射性物質が国の規制基準値を確実に下回るまで浄化処理した水である。現在、稼働しているALPSは、薬液で放射性物質を沈殿させる前処理を経て、吸着フィルターを通し、そこに放射性物質を吸着させ除去する仕組みだ。
ただ、どうしても除去できない放射性物質がトリチウム(三重水素)だ。トリチウムは、水素の仲間で、酸素と結びつき、水とほぼ同じ性質の液体として存在しており、水の中から分離して取り出すことが非常に難しい。トリチウムは宇宙から降り注ぐ宇宙線によって生成され、自然界にも広く存在する。雨や飲料水にも含まれており、体内に入っても、蓄積されることはなく、水と一緒に排出され、人体への影響はほとんどないと考えられている。なお、国内外の原子力施設からも各国の規制基準を満たした上で、海洋や河川、大気中に放出されている。
海洋放出にあたっては、安全性と透明性の確保が重要となる。トリチウム以外の放射性物質については、東京電力と外部機関がそれぞれ、国の規制基準値を下回っているかを調べ、結果を公表する。トリチウムについては、ALPS処理水を大量の海水で希釈することにより、濃度を国の規制基準値(60,000ベクレル/リットル)の40分の1、世界保健機関(WHO)が定める「飲料水基準」(10,000ベクレル/リットル)の約7分の1、1500ベクレル/リットル未満にまで薄める。設備を見ると、海水を引き込むパイプの直径が約90センチなのに対し、処理水の配管は直径約10センチほどしかない。
さらに、年間のトリチウムの放出量は、事故前と同じ22兆ベクレルを超えないよう適切に管理する。トリチウムを含めた放射性物質の分析・測定について、国際原子力機関(IAEA)は5月31日に、「東京電力が正確で精密な分析能力を有している。処理水のサンプル採取や分析方法も適切だ」とする報告書を公表した。
放出にあたっては、さまざまな対策がとられている。放出する水は、海中に敷設された約1キロの放水用トンネルを通って漁業が行われていないエリアの海水中に放出される。発電所から約2~3キロ離れるとトリチウムの濃度は、周辺の海水の濃度とほぼ同じ水準になるという。設備や計器に不具合が生じた場合は、すぐに放出を止められる緊急遮断弁も2カ所に設けられている。親潮と黒潮がぶつかり合う福島県沖は、「常磐もの」と呼ばれる上質な魚介類が取れる日本有数の漁場だ。新たな風評を発生させないために、風評対策に取り組んでいるが、その取り組みの一つが海洋生物の飼育試験だ。東京電力では、発電所の構内に「海洋生物飼育試験施設」を設け、昨秋から、通常の海水が入った水槽と、1リットルあたり約1300ベクレルのトリチウムを含む海水が入った水槽で、ヒラメとアワビ、海藻を飼育している。 「地元の人から、『トリチウムを含む水の中で元気でいる魚の姿を見せてほしい』と言われたのがきっかけ。ヒラメは『常磐もの』の代表格。飼育試験を通して、生体内でトリチウムは濃縮されず、生育環境以上の濃度にならないことなどをお示ししたい。また、飼育している様子を実際に目に見える形でお示しし、少しでも風評の抑制に役立ちたい」と、東京電力の飼育を担当する責任者は話す。約9カ月が経過したが、2つの水槽のヒラメとアワビの生育状況などに大きな違いはみられない。トリチウムを含む水槽では、ヒラメ、アワビ、海藻のいずれも体内のトリチウム濃度は一定期間で平衡状態に達し、生育環境以上のトリチウム濃度にならず、通常の海水に戻すとトリチウム濃度が下がり、体外に排出されることが確認できた。
30~40年にわたる廃炉作業を着実に進めるには、ALPS処理水の海洋放出も含め、安全性と透明性を確保しつつ、安全を最優先に取り組むことが欠かせない。提供:東京電力ホールディングス株式会社