kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

東京五輪2020エンブレムに関する個人的な感想まとめ――続きの続きのまとめ

まあ、色々と長々書いてきたのですが。
なんでこんな物を書こうとしたのか、と言えば。
今回の騒動で佐野氏のエンブレムデザインが選ばれた理由が、「展開力」だと知ったからです。
佐野氏が提示した展開例がありますけども。
正直に言って、「バカじゃないのか」と呆れました。

ロゴとかエンブレム、という物は特定のイメージを世間に浸透させるために用いるものだからです。
「たった一つのイメージ」を大衆に周知させるために、
シンプルで判りやすいグラフィックに起こして、
莫大な金を、それこそ数千万とかウン億円とかかけて、至る所に露出させて。
「たった一つのイメージ」を大衆の頭にたたき込む、刷り込む。
そのためのアイテムなんです。

それが、
佐野氏が示した展開例には、いったいどんなイメージが共有されるのか、
エンブレムが跡形もないほど、バラバラのパーツとして組み合わされてしまっています。
デザインの技法としては素晴らしいのでしょう。
でも、
これがロゴを発注する企業側からしたら、「何考えているの?」となります。
バラバラにしてイメージ壊して、何を伝えたいんだ。何が伝わるんだ。何のために金をかけるんだ。って。

TOKYO2020のメッセージが外れたパーツ群から受け手が得られるメッセージってなんですか?
って話です。

判りやすく例えるなら
「金、銀、銅メダルは飽きたから赤、青、黄色メダルにしよう」
「素晴らしい! 斬新なアイデアだ!」
と言っていることなんですよ。


それを1番に評価してしまう組織委員会、って何を考えているんだ。
そんな所に多額の税金使ってどうするんだ。と腹立つやら悲しいやらで、
何か書かずにいられなくなったわけです。

そこで、自分なりのエンブレムデザインをイメージするのに、
ストーリーマーケティングの手法を持ち出したのは、
エンブレムを見たときに誰もが納得出来るような、共感できるような、
そういうバックグラウンドストーリーが必要だろう。
そういうストーリーを押さえたデザインにならなければ、エンブレムのデザインは浸透せず、
この件は成功しない。と考えたからでした。
そこで、誰もが納得する東京オリンピック2020大会のバックグラウンドストーリーとは何か。
そもそも、
今回の東京オリンピック2020大会で、世界中の人が共有できるストーリーとはなんなのか、
東京オリンピック2020大会の核心とは何なのか、
それを探ると、
大会招致の最終プレゼンスピーチへ辿り着いた。と。

エンブレムに必要なイメージ、
東京オリンピック2020大会の核心、というのは。
漠然とした物では無くて、既に示されているんだぞ。
またちょっと付け足しますけども、
まだ何も形になっていない、東京オリンピック2020で世界の人が共有できるイメージって。
最終プレゼンの時の感動と興奮、これしかないですよ。
それ以外のどんなイメージを持ってきても、みんな納得いかないでしょう。
それ以外は、いっさい体験してないんだから。
今、招致エンブレムを再利用しよう、という動きがあるのも。そういうことです。
最終プレゼンの成功体験がそこからイメージできるからです。
つまり、
五輪エンブレムに必要なイメージ、制作作業は、
最終プレゼンスピーチの感動と興奮をどうやって具体的な視覚イメージに落とし込むのか、
その一点なんですよ。
材料はあるんだから、できるはずだろ。
という事を書いておきたくて。
一連の記事を起こした、というわけです。


追記:
佐野氏がプレゼン用に用意した動画、改めてもう一度見てみたのですが……ニコニコ動画にあがっているものを。
多分これで間違っていないと思いますが。
やはり、いまいち感が拭えません。
「動かす」なら3Dだろ……平面のデザインに囚われずに、奥行きまで考慮されたデザインを平面に落とし込みました。
でも、立体的に見せることも出来るんですよ。
となれば、「そりゃ凄い」となりますけども。
でも、それも、あくまで元々訴えたいイメージを強調するための演出手段として、ですけども。
ただ、その一方で、
2ヶ月の応募期間に、デザイン起こしてこのプレゼン用ムービーまで作成する、ってのは。
無茶なスケジュールだと思います。
そういう無茶ブリがなかったら、もう少しまともな選考になったのかもね。



追記の追記:
なんか「展開力」を一方的にけなして。
これも、ちょっと悪かったかなぁ。と思ってもう少し足しておきます。
正直、
「全然足りないです」
5年後には陳腐化してます。
おそらくユーザーを巻き込んでの、イメージを浸透させる計画だったのかなぁ、と予想しますけども。
「ユーザーをなめるな!」と言いたい。
SNSの状況なんかわかっていってるのか?
サービス、半年ぐらいで遅くても1年以内にテコ入れしないと、ユーザーはどんどん離れていきますよ。
つまり、半年ごとに目新しいイメージを追加して、つねに刺激を与えることが必要なんです。
それを五輪のエンブレムでやるんですか?
それなのに発表段階で、
「このエンブレムはどんどんイメージが変化していくエンブレム」なんです。って発表しなかったってことは、先の具体的な展開ロードマップがほとんどないんでしょう。
1年半くらいでコケます。
最初3ヶ月くらいは、目新しさで客が付きます。
そのあと、3ヶ月は、大量の企業の露出なんかで。客足がなんとか流入してきます。
……でも、そこまでですね。
そこから先、飽きてきた客を離さないようにするイベントを毎月投入していかないと。
惰性で入ってくる客足が全部消えるまで、1年くらいズルズル先細りに続いて終わりです。
2020年に五輪開始する頃には、「なんでこんなエンブレム作ったんだ」って後悔が残って終わりです。
だって、これ、
SNSゲームの、あの展開の速さを五輪エンブレムでやりましょう、って話です。
これから5年もユーザーを引きつけられるだけのコンテンツの魅力が必要とされるんです。
仮に、あのエンブレムにそれだけの魅力があるなら、
こんな「パクリ騒動」なんて跳ね除けてます。「パクリ」だろうがユーザーはエンブレムを支持して熱狂してますよ。
それが出ない時点で、既に失敗しているんです。計画と現実が激しく乖離しているんですよ。


「現場舐めるなよ!」


追記の追記の追記:
正直、今回の五輪エンブレムについて組織委員会がどんな「展開」を考えていたのか、知りたいところです。
見もしないものを一方的にけなすのも気が引けるので。
それをドワンゴの川上社長とか、堀江氏に見て判断してもらいたいところです。
ただ、大規模な、それこそ革新的な「展開」をするつもりだったらなら。
最低、向こう半年のロードマップが最初の発表で提示されていない時点で、
かなり成功は低いですね。
自信をもって発表できる計画がないのに、なにが「素晴らしい展開力」なんだろう、と首をかしげますよ。
だから、SNSとかはスタートの半年の具体的なロードマップたてて、
ユーザーの反応とか計算して検討して、反省して、
それで本当に「素晴らしい」と言える形に落とし込んで、そこで初めて「素晴らしい展開力」と胸を張って言えるわけです。
で、実際、その計画も3ヶ月くらいで早ければ1ヶ月目に大きくそれて。
軌道修正するわけですけども。


あと、アプリ的な物でユーザーに浸透させるのは。
正直、無理です。というか無茶です。
というのも、企業側が用意できるのは、枠組み・素材だけで。
それをポジティブに使うのか、ネガティブに使うのか、それはユーザーが決めることですから。
というか、ユーザーに決定権が与えられない仕組みは、はやりません。
そういう事もきちんとおさえての「展開力」なんですか。
本当に?

今回の五輪エンブレムの失敗は、明らかに大会組織委員会の能力不足です。
以下、私の推測ですけども、
五輪組織委員会がエンブレムの取り下げを最終的に決めたのは、
当初、佐野氏のエンブレム案に見ていた「展開力」が実はまったく存在しない「張り子の虎」だったことに気がついたからでしょう。
本当に、「展開力」に耐えうるだけの価値のある、その核心となるべき価値が佐野エンブレムには存在しない。ということに、
国民のパクリ吊り上げブームを見て、やっと理解したのですね……おそいよボケ、と言いたいところですが。
パクリ騒動が起きたときに初動が鈍かったのにも、
佐野エンブレム案の展開力を信じていたから。
まったく別物のデザインであることは、自明なんですけども。
それ以外に、
国民はエンブレムの展開力によって必ず味方に付くはずだ、
というか味方に付けることができるはずだ、と思って甘く見てたんじゃないですかね。