kg_noguの愚痴日記

アラfi親爺が日々の愚痴を綴るブログです。だいたい日韓関係とか。最近はコロナ情報がメイン

これは差別ではないよ…… ―― セブン―イレブンが車いすの人に「応募しないで」

ブックマークを付けていると、
たまに、
はてな社が用意しているはてなブックマークサイトに
並んでいる人気のブックマーク一覧の中に。
気になるのモノが並んでいて、
ついつい
釣られてブックマークを付けてしまいます。



ということで
今回は釣られましたw
東京新聞の記事ですけど、
他にも幾つかの地方紙が
この問題を取り上げていますね。
セブンイレブンのキャンペーン対応を『差別だ』と断じて。
スポーツ庁が対応してくれなかった、とご立腹の記事を配信しています。
が、
この記事にブックマークを付けてコメントを残している有志は、
状況を
東京新聞のような偏見の目で見ず、
ほぼ
客観的に受け止めていて。
コメントを読むのが非常に有意義なブックマークですね。



まず、
これは『抽選』なので、
一定の確率で当たる『景品』です。『商品』ではありません。
この景品……という部分が非常に重要でして。
売買ではありません。
欲しいものを金銭で交換する形ではありません。
私は、
これまで小さな企業で
ニッチな応募抽選キャンペーンを何度か企画運営した
経験がありますので。
今回は
それを基にして語りますけど。
並べた景品の中身を
抽選後に変更することは実質出来ません。
景品の数が不確定になるからです。
つまり、
車椅子席を用意する場合には、
セブン-イレブン側としてできる対応は、
当初の段階で、
『一般向け ●●席』
『車椅子対応●●席』
という形で景品を用意してキャンペーンを行うスタイルになります。
それが出来るなら、
そうすれば良かったではないか。
と、
車椅子席を求める側は主張するでしょうけど。
ここで
次の問題が発生します。
この抽選の賞品に対して、
『一般向け席』と『車椅子対応席』の応募条件に、
『車椅子対応席は一般の方は応募できません』という
条件を付けることは出来ません。
つまり、
一般の方も車椅子を必要とする方も、
区別なく応募出来るようにしなければなりません。
これは
応募数が問題でして。
『車椅子専用』の条件を付けた場合、
応募数に極端な差が付くと、
一般向けと車椅子対応席で
当選確率が大きく差が出てしまいます。
どちらかが有利になる。
その場合、
同じ応募資格なのに、
『一般』か『車椅子』で当選確率に極端な有為の差が付くのは差別だ。
と訴えられる可能性が出てきます。
というか、
訴えられる可能性が高いです。
実際、
当選確率に極端な差が付いたら法律的にもアウトです。
それを判っていて
この手の懸賞って、
ゴネて賞品を手に入れようとする輩が一定数、
確実に存在しますので。
今回のような
ある種の『プラチナチケット』の場合、
必要経費で数十万から百万円以上掛けても欲しい、
という人を代行して、
凸ってきたりします。
ガチで、
そういう事を商売にしている人達が
一定数いるんですよ。



その場合の企業側はどのように対応するのか、どうなるのか、
というと。
そういう問題が発生しないように
当選確率を同じにします。
つまり応募数が多い側の当選確率に合わせて、
応募数が少ない側の当選確率も
極端に低く設定します。
なので、
応募に車椅子利用での区別を設けた場合、
応募数が一般人向け並みに膨大に集まらないと、
車椅子対応側が
まず当たらない状況になりますね。
席は確保したけど誰も当選しない、という状況。
もしくは、
先に上記したように
車椅子対応席にも一般人が応募出来るという、
客観的に見て
『闇鍋』抽選……
応募者を全部まとめて抽選して、
結果はどれが当たるかはわからない、
どちらかが当たります、
という条件にします。
もしくは応募に車椅子利用での区別を設けて、
必要応募口数に差を付けます。
たとえば一般席ならシール100枚、
車椅子対応ならシール100枚の数百倍からそれ以上。
シール枚数で見た場合に
1枚あたりの当選確率が
だいたい同じ確率になるように
応募必要枚数の設定を調整します。
その結果どうなるのか、
というと。
景品として車椅子対応席を用意したけど、
当選する人が出てこないまま。
席が無駄になる。
という状況が生まれて、
席が空いているのなら、
企業は独占せず
それを必要とする人に譲れ、という非難を世間から受けてしまいます。



じゃあ、
こういう応募キャンペーンは
他の企業ではどのように対応しているのか、
と言いますと。
だいたい
一般席を用意して。席の変更は不可。
当選後の席内容について要望は
キャンペーン主催側では対応できかねるので、
必要とされる方は
当選者自身でイベント主催者にご相談ください。
という形に落ち着きます。
なので、
ブックマークを付けた記事中にある
文言、
『当事者からの問い合わせに「車いす席がないので応募しないでほしい」』
コレに関しては、
『その点に関しては
 弊社では対応出来かねますので、
 どうしても車椅子対応が必要な方は
 弊社では責任を負いかねますから……』
という前置きが意図的に省かれていると思われます。
省いたのが
回答者なのか。
それとも、
記者なのかは
この記事を読んだだけでは不明ですが、
企業側としては、
この内容に関する受け答えは、
必ずそういう受け答えをするように指導されているはずなので。
あと、
スポーツ庁に訴えたけど対応してくれない、
というのは。
上記に書いてきた通りに、
法理がほぼ確定しているからです。
企業側が
どのような景品を選択するのかは企業の自由で。
企業側に
車椅子対応景品を並べる義務はありません。
景品である以上、
一般席も車椅子対応席も応募した人が
皆等しく同じ確率で当たるようなっていなければなりません。
ここに差を設けることは違法です。
(不利な側の応募者が
 優良誤認を受けたとみなされる)
景品の内容を
当選後に変更するのも違法です。



これが
『車椅子を利用する方は応募出来ない』となれば、
差別になりますが。
今回は
そういう事例ではありませんから。
法律的に問題ありません。

 

 

 

セブン―イレブンが車いすの人に「応募しないで」 パリSGなどの日本ツアーの観戦キャンペーン:東京新聞 TOKYO Web

抽選なので確定枠は作れない……確定枠付くったら逆に確率的に不公平になってしまう。一般人が車椅子席を奪取する、とか本末転倒の事態になる。あとは表現次第だねぇ。

2023/07/24 17:31

セブン―イレブンが車いすの人に「応募しないで」 パリSGなどの日本ツアーの観戦キャンペーン

 コンビニ最大手セブン―イレブン・ジャパン(東京)が6月、海外名門サッカークラブの来日試合の観戦チケットが抽選で当たるとうたい実施したキャンペーンで、車いす使用者らの応募を拒んでいたことが分かった。ウェブサイトに注意事項として「車椅子ご利用や介助が必要なお客様への対応は行っておりません」と掲載。当事者からの問い合わせに「車いす席がないので応募しないでほしい」と回答していた。専門家は「障害者差別解消法が禁じる障害を理由とした不当な差別的取り扱いに当たる」と指摘する。(大西隆

◆注意書きを見て問い合わせると

 同社は、パリ・サンジェルマン(フランス)、インテル・ミラノ(イタリア)、アルナスルサウジアラビア)の日本ツアーのスポンサーとしてキャンペーンを企画。7月25日~8月1日、大阪のヤンマースタジアム長居と東京の国立競技場で行われる、計4試合の観戦ペアチケットなどを景品とし、セブンイレブンのレシートを集めて応募する仕組みとした。
 青森県車いす使用の20代男性は6月半ばごろ、国立競技場の観戦チケットの抽選に応募しようとしてサイトの注意事項に気づいた。問い合わせ窓口で真意を確かめると、担当者は「車いす席は用意していない。抽選には応募しても無駄」などと答えたという。
 国立競技場には約500の、ヤンマースタジアム長居には約340の車いす席が整備されている。セブン&アイ・ホールディングス広報センターは取材に「ジャパンツアー事務局から車いす席が割り当てられず、現地での付き添いなどの対応が難しいことを知らせるために注意事項を掲載した。障害者を差別する意図はなかった。今後は障害者に最大限配慮するよう取り組みたい」と釈明した。
 ジャパンツアー広報事務局は取材に「座席の割り当て権限は当方にあった」とした上で、「スポンサーが実施する観戦チケットキャンペーン用に車いす席を割り当てる必要があるという認識が欠けていた。結果としてキャンペーンから障害者を排除、差別する事態を招いた。深く反省し、おわびする」と非を認めた。

スポーツ庁の相談窓口も機能しなかった

 障害者差別の問題に詳しい黒岩海映みはえ弁護士は「セブンイレブン車いす席の割り当てを要求せず、実際に男性の応募を断った。その客観的事実だけで差別に当たる」と指摘。「物事の設計や企画、立案の段階から障害当事者の声を聞くことが大事だ。方針として確立する必要がある」と言う。
 男性は、スポーツ興行などを巡る障害者差別に関する国の相談窓口であるスポーツ庁障害者スポーツ振興室に対応を要望。だが「差別的取り扱いではと見解を尋ねても回答はなく、改善に向けて動いてくれなかった」と明かす。黒岩弁護士は「国の相談窓口として全く理解のない対応だ。マニュアルを整備し、職員研修をして責務を果たしてほしい」と話した。
 障害者差別解消法 2016年4月施行。国や自治体など公的機関、民間事業者に障害を理由とした「不当な差別的取り扱い」を禁じ、障害者が社会生活を営む上で必要な対応「合理的配慮」を義務付けた。民間事業者は現在は努力義務だが、改正法成立で24年4月から義務化される。合理的配慮とは、例えば車いす利用者のための段差スロープの設置や、聴覚障害言語障害がある人に筆談や読み上げ、手話による意思疎通などの対応を指す。